たまらなく孤独で、熱い街 -38ページ目

『ココロ・ファインダ』 相沢 沙呼

ココロ・ファインダ (光文社文庫)

ココロ・ファインダ
著者:相沢 沙呼

解説:坂木 司

(光文社文庫)

初版:2014年9月20日

(2012年4月に光文社より刊行)

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「コンプレックス・フィルタ」

「ピンホール・キャッチ」

「ツインレンズ・パララックス」

「ペンタプリズム・コントラスト」

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なかなか良い感じで書かれてる。

学生時代の(痛々しい面も含めて)瑞々しさがおっさんには眩しいですな。

カメラのことは良く分からないけど、上手く小道具として使っている印象。

気持ちよく読み終えることができました。

『バタフライ・エフェクト』 カーリン・アルヴテーゲン

バタフライ・エフェクト (小学館文庫)

バタフライ・エフェクト
著者:カーリン・アルヴテーゲン

訳者・後書:ヘレンハルメ 美穂

(小学館文庫)

初版:2015年5月13日

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2013年の作。

バタフライ効果が最初に書かれているので、それは誰かということと、それの元を探す話かと思ったら、とんでもなくビターであった。

初老の母と娘、そして二人には関係なさそうな男がランダムに登場。

それぞれに自分のことで悩んでいるので、どうしても内省的な内容になってしまうが、読みにくさの果てに少し光明がみえたような気もする。


『ノヴァーリスの引用/滝』 奥泉 光

ノヴァーリスの引用/滝 (創元推理文庫)

ノヴァーリスの引用/滝
著者:奥泉 光

解説:巽 昌章

(創元推理文庫)

初版:2015年4月30日

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「ノヴァーリスの引用」(1993年)

「滝」(1990年)

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初期の短編が2本。

この作者の熱心な読者ではないし、クワガタ教授もので呆れ果てたものだが読んでみる。

失礼ながら習作と言う感じ。

「ノヴァーリスの引用」は謎解きを期待するよりも、慣れない文体に戸惑いつつ登場人物の心理状態の移り変わりを眺めるべきなのか。

「滝」はストレートで読みやすいが、少年たちの絶望感を思うだけで泣けてくる。


『機巧のイヴ』 乾 緑郎

機巧のイヴ

機巧のイヴ
著者:乾 緑郎

(新潮社)

初版:2014年8月20日

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「機巧のイヴ」

「箱の中のヘラクレス」

「神代のテセウス」

「制外のジェペット」

「終天のプシュケー」

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アンソロジーで表題作を読んだときは、まさかの展開にひっくり返りましたね。

後を継いだ4作も話が広がって面白いのだけど、なんとなく蛇足という気がしてならない。

機巧人形のイヴは愛し愛されてこそ命が宿ったのだが、フランケンシュタインの怪物は誰にも愛されることなく不憫だなあと同情してしまう。



『ラットランナーズ』 オシーン・マッギャン

ラットランナーズ (創元SF文庫)

ラットランナーズ
著者:オシーン・マッギャン

訳者・後書:中原 尚哉

(創元SF文庫)

初版:2015年4月24日

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2013年の作。

プライバシーよりも治安維持が優先される近未来のロンドンという設定は現実になりそうで怖いが、犯罪に手を染める者はどんなものにも抜け道を探し出すのだな。

目まぐるしいほどの活劇だが、ゴチャゴチャ感がして乗り切れず残念。


『ラスト・タウン~神の怒り~』 ブレイク・クラウチ

ラスト・タウン (―神の怒り―)

ラスト・タウン (―神の怒り―)
著者:ブレイク・クラウチ

訳者:東野 さやか

解説:北上 次郎

(ハヤカワ文庫NV)

初版:2015年8月15日

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2014年の作。

色々な疑問や齟齬も見受けられますが、見事に書き切りましたね。

 

【ネタばれ注意】

「結界」が破れ襲いかかってくるアビーとの戦いや、氷河期が近づいているかのような寒冷化や食料不足を乗り切るにはイチかバチかのこの方法しかないかも。

そしてラストに目覚めたのは、氷河期を乗り越え知能も回復したアビーのおかげなのか・・・。

『紙の動物園』 ケン・リュウ

紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

紙の動物園
著者:ケン・リュウ

編者・訳者:古沢 嘉通

(新・ハヤカワSFシリーズ)

初版:2015年4月25日

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「紙の動物園」

「もののあはれ」

「月へ」

「結縄(けつじょう)」

「太平洋横断海底トンネル小史」

「潮汐」

「選抜宇宙種族の本づくり習性」

「心智五行」

「どこかまったく別な場所でトナカイの大群が」

「円弧(アーク)」

「波」

「1ビットのエラー」

「愛のアルゴリズム」

「文字占い師」

「良い狩りを」

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作者は表題作をどんな思いで書いたのだろうかと考えさせられる。

他の短編も粒揃いではあるが、続けて読むと同工異曲っぽいのもあり少々飽きてくる。

しかし、ラストの2編で読了感はとても良い。

『衣更月家の一族』 深木 章子

衣更月家の一族 (講談社文庫)

衣更月家の一族
著者:深木 章子

解説:乾 くるみ

(講談社文庫)

初版:2015年3月13日

(2012年3月に原書房より刊行)

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 全く無関係と思われた三つの事件が、絡まってそしてほどける・・・。

のだが、この作者は家族を描くらしいので、どうせ衣更月家の者の仕業でしょと思ってしまうんだよなあ。

それでも三つの事件(それなりに面白かった)の顛末で人物についての伏線があれば(気が付かなかっただけ?)第四章の展開も納得できたかもしれないが、これとこれが実はこう繋がったんだよと言われても「はあ、そうですか」としか言いようがないな。

 

『私たちが星座を盗んだ理由』 北山 猛邦

私たちが星座を盗んだ理由 (講談社文庫)

私たちが星座を盗んだ理由
著者:北山 猛邦

(講談社文庫)

初版:2014年4月15日

(2011年3月に講談社ノベルスより刊行)

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「恋煩い」

「妖精の学校」

「嘘つき紳士」

「終の童話」

「私たちが星座を盗んだ理由」

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うーん、不完全燃焼かなあ。

てっきり連作ものかと思ってて、2編目の途中で単発なことに気がついた。

あまり「驚愕のどんでん返し」は謳わないで欲しいね。

そんな作品はそうそうあるものではないので。

2編目は、位置は沖ノ鳥島の辺りだと思うけど、だから何?

3編目と5編目は皮肉っぽいのが物語的に救われている。


『天久鷹央の推理カルテ』 知念 実希人

天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫nex)

天久鷹央の推理カルテ
著者:知念 実希人

(新潮文庫NEX)

初版:2014年10月1日

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「泡」

「人魂の原料」

「不可視の胎児」

「オーダーメイドの毒薬」

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二人だけの「統括診断部」で天才女医である天久鷹央と内科医見習いの小鳥遊が難問を解決していく。

最初は慣れないせいか無理やりな感もあったが、次第に骨太のミステリになって引き込まれました。

鷹央のイラストが子どもっぽ過ぎて違和感がありますが。

それにしても、まさしく意外な原因があるものです。

私も病気になったら鷹央先生に診てもらいたい・・・いや、知念先生か。