たまらなく孤独で、熱い街 -37ページ目

『俺たちには今日がある』 トニー・ケンリック

俺たちには今日がある (角川文庫 (5929))

俺たちには今日がある
著者:トニー・ケンリック

訳者・後書:上田 公子

(角川文庫)

初版:1985年2月10日

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1978年の作。

全然自覚症状はないのに医師に難病で余命1ヵ月と宣告された男は、同じ病気(つまり同じ余命)の女性を紹介され、意気投合した帰り道に暴行を受けている男性を助けると、彼はギャングの大物に店を乗っ取られようとしているとのこと。

失うものなどない二人は彼を救うため立ち上がる・・・。

余命1ヵ月という設定がチラついて楽しめない上に、大ボスがアホすぎて脱力しちゃうなあ。

 

『棄種たちの冬』 つかい まこと

棄種たちの冬 (ハヤカワ文庫 JA ツ)

棄種たちの冬
著者:つかい まこと

(ハヤカワ文庫JA)

初版:2017年1月25日

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『世界の涯ての夏』が良かったので、これも期待して購入。

前作が夏で今回は冬ですか。

氷河期を乗り切るために演算世界へ移行した世界でも、現実世界にとどまり生きる人間もいる。

死を越えたはずの人間(の極一部)は、だからこそ生を求めるのか。

現実は過酷な世界なのだけど、それがこちらまでは伝わらず、どこかゲームのような世界に思えてしまうのが残念だったが悪くはない。


 

『ビッグ・ボウの殺人』 イズレイル・ザングウィル

ビッグ・ボウの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 サ 4-1)

ビッグ・ボウの殺人
著者:イズレイル・ザングウィル

訳者・後書:吉田 誠一

(ハヤカワ・ミステリ文庫)

初版:1980年1月31日

(1954年12月にハヤカワ・ポケミスより刊行)

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たまたま京都へ行った時に駅近くの書店に入ったら大垣書店だったので、限定復刻版を購入できたのはラッキーだった。

ディクスン・カーが『三つの棺』で「このトリックの最初の発案者」と書いているので読みたかったんだよね。

下宿人がなかなか起きてこないのでもしやと不安に駆られた女主人が、近くに住む元警部に助けを求めて部屋のドアをぶち破ると・・・。

短いながらも労働運動家をある意味主役にしていたり、乱闘騒ぎがあったり、法廷でのやりとりがあったりと飽きさせません。

トリックの先駆者云々もですが、一つの作品として満足できました。

 

『はだかの太陽』 アイザック・アシモフ

はだかの太陽〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫 SF ア 1-42) (ハヤカワ文庫SF)

はだかの太陽〔新訳版〕
著者・序文:アイザック・アシモフ

訳者:小尾 芙佐

解説:久美 沙織

(ハヤカワ文庫SF)

初版:2015年5月15日

(1958年に講談社より『裸の太陽』にて刊行)

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1957年の作。

ドームにひきこもりで広所恐怖症の地球人と、ほとんど他人とは直接会わないので対人恐怖症のソラリア人の対比が面白い。

そのソラリアでの歴史上初の殺人事件の捜査依頼が来て、ベリイ刑事がソラリアへ行くとそこにはダニールが!

事件はたいしたトリックではないが、アシモフが創造した三原則の弱点を自らが暴くところが興味深い。

レトロな雰囲気も相まってなかなか面白かった。

『鐘楼の蝙蝠』 E・C・R・ロラック

鐘楼の蝙蝠 (創元推理文庫)

鐘楼の蝙蝠
著者:E・C・R・ロラック

訳者:藤村 裕美

解説:駒月 雅子

(創元推理文庫)

初版:2014年3月20日

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1937年の作。

タイトルはマクドナルド主席警部が「おかしな考え」に憑りつかれているところから来ているようだ。

開始早々誰が誰やら把握できないうちに、いきなり6人が集まってどうたらこうたら喋りまくるので、こりゃ難儀だなと思ったがその後前半は快調に進む。

せっかく見つけられるはずがないところから死体が発見されたのだから、もっと誰だかわからないままの方がよかったかも。

後半は失速感があるが、それを踏まえても面白く読ませていただきました。

 

『ライオンの棲む街~平塚おんな探偵の事件簿1~』 東川 篤哉

ライオンの棲む街  平塚おんな探偵の事件簿1 (祥伝社文庫)

ライオンの棲む街 平塚おんな探偵の事件簿1
著者:東川 篤哉

解説:柳下 博幸

(祥伝社文庫)

初版:2016年9月20日

(2013年8月に祥伝社より刊行)

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「女探偵は眠らない」

「彼女の爪痕のバラード」

「ひらつか七夕まつりの犯罪」

「不在証明は鏡の中」

「女探偵の密室と友情」

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たしか新幹線に乗る機会があって、車中で読もうとコンビニで買ったんだった(結局車中では読まなかったが)。

この作者のコメディタッチに幻惑されるが、トリックなどは相変わらずキチンとしていて好感が持てる。

今回は女性二人(探偵と助手)の掛け合いも面白くて、あっと言う間に読み終えてしまいました。

【読書メーター】 2017年2月分

読んでも読んでも未読本が減った気がしないという状況は、極楽なのか地獄なのか。

WBCは苦戦を強いられそうですがベスト4には勝ち上がってもらいたい。

その先のリーグ戦はどんな展開になるのだろう。

 

2月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:5,087



愛は血を流して横たわる (創元推理文庫) 愛は血を流して横たわる (創元推理文庫)感想
いささか邦題で損をしている気もするが、クリスピンのつけたタイトルをそれらしい日本語に訳すのは『お楽しみの埋葬』もそうだが、難しいようだね。 フェン教授が来賓として訪れた高校では、塩酸の盗難、女生徒の失踪、そしてついに教師二人が殺害される事件に発展・・・。 トリックは単純だがコメディ精神にあふれ、フェン教授の大ピンチもあって飽きさせない。 老犬メリソートの活躍も見逃せません。 338ページ
読了日:02月02日 著者:エドマンド・クリスピン
天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫nex) 天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫nex)感想
大病院内の二人だけの「統括診断部」で天才女医である天久鷹央と内科医見習いの小鳥遊が難問を解決していく。 最初は作者が慣れないせいか無理やりな感もあったが、次第に骨太のミステリになって引き込まれました。 鷹央のイラストが子どもっぽ過ぎて違和感がありますが。 それにしても、まさしく意外な原因があるものです。 私も病気になったら鷹央先生に診てもらいたい・・・いや、知念先生に。 286ページ
読了日:02月04日 著者:知念 実希人
私たちが星座を盗んだ理由 (講談社文庫) 私たちが星座を盗んだ理由 (講談社文庫)感想
うーん、不完全燃焼かなあ。 てっきり連作ものかと思ってて、2編目の途中で単発なことに気がついた。 あまり「驚愕のどんでん返し」は謳わないで欲しいね。 そんな作品はそうそうあるものではないので。 2編目は、位置は沖ノ鳥島の辺りだと思うけど、だから何? 3編目と5編目は皮肉っぽいので読んでて救われた。 367ページ
読了日:02月06日 著者:北山 猛邦
衣更月家の一族 (講談社文庫) 衣更月家の一族 (講談社文庫)感想
全く無関係と思われた三つの事件が、絡まってそしてほどける・・・。 のだが、この作者は家族を描くらしいので、どうせ衣更月家の者の仕業でしょと思ってしまうんだよなあ。 それでも三つの事件(それなりに面白かった)の顛末で、人物についての伏線があれば(気が付かなかっただけ?)第四章の展開も納得できたかもしれないが、これとこれが実はこう繋がったんだよと言われても「はあ、そうですか」としか言いようがないな。 438ページ
読了日:02月08日 著者:深木 章子
紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)感想
作者は表題作をどんな思いで書いたのだろうかと考えさせられる。 他の短編も粒揃いではあるが、続けて読むと同工異曲っぽいのもあり少々飽きてくる。 しかし、ラストの2編で読了感はとても良い。 413ページ
読了日:02月10日 著者:ケン・リュウ
ラスト・タウン (―神の怒り―) ラスト・タウン (―神の怒り―)感想
色々な疑問や齟齬は見受けられますが、見事に書き切りましたね。 「愛」の部分はもっと省略してくれても良かったが・・・。 襲いかかってくるアビーとの戦いや、氷河期が近づいているかのような寒冷化や食料不足を乗り切るにはイチかバチかのこの方法しかないかも。 そしてラストに目覚めたのは、氷河期を乗り越え知能も回復したアビーのおかげなのかも・・・。 443ページ
読了日:02月12日 著者:ブレイク・クラウチ
ラットランナーズ (創元SF文庫) ラットランナーズ (創元SF文庫)感想
プライバシーよりも治安維持が優先される近未来のロンドンという設定は現実になりそうで怖いが、犯罪に手を染める者はどんなものにも抜け道を探し出すのだな。 気持ちいいくらいの少年少女の活躍ぶりだが、全体にゴチャゴチャしてるし犯罪組織が思ったよりも脆くて、読んでて乗り切れず残念。 349ページ
読了日:02月14日 著者:オシーン・マッギャン
機巧のイヴ 機巧のイヴ感想
アンソロジーで表題作を読んだときは、まさかの展開にひっくり返りましたね。 後を継いだ4作も話が広がって面白いのだけど、なんとなく蛇足という気がしてならない。 機巧人形のイヴは愛し愛されてこそ魂が宿ったのだろうが、フランケンシュタインの怪物もせめて創造主に愛されたならばなあ。 285ページ
読了日:02月16日 著者:乾 緑郎
ノヴァーリスの引用/滝 (創元推理文庫) ノヴァーリスの引用/滝 (創元推理文庫)感想
初期の短編が2本。 この作者の熱心な読者ではないし、クワガタ教授ものの1作目で呆れ果てたものだが読んでみる。 失礼ながら習作と言う感じ。 「ノヴァーリスの引用」は謎解きを期待するよりも、慣れない文体に戸惑いつつ登場人物の心理状態の移り変わりを眺めるべきなのか。 「滝」はストレートで読みやすいが、少年たちの絶望感を思うだけで泣けてくる。 273ページ
読了日:02月18日 著者:奥泉 光
バタフライ・エフェクト (小学館文庫) バタフライ・エフェクト (小学館文庫)感想
バタフライ効果が最初に書かれているので、それは誰かということと、それの元を探す話かと思ったら、とんでもなくビターであった。 初老の母と娘、そして二人には関係なさそうな男が主な登場人物。 それぞれに自分のことで悩んでいるので、どうしても内省的な内容になってしまうが、読みにくさの果てに少し光明がみえたような気もする。 365ページ
読了日:02月20日 著者:カーリン アルヴテーゲン
ココロ・ファインダ (光文社文庫) ココロ・ファインダ (光文社文庫)感想
なかなか良い感じで書かれてる。 学生時代の(痛々しい面も含めて)瑞々しさが当時の自分にはなかったなと残念なような気も。 カメラのことは良く分からないけど、上手く小道具として使っている印象。 自分の悩みも薄くなっていくような気分で読み終えることができました。 254ページ
読了日:02月22日 著者:相沢 沙呼
ボーナス・トラック (創元推理文庫) ボーナス・トラック (創元推理文庫)感想
この作者は初読。 この手の話はハートウォーミングになりがちなので仕方ないけど、読ませ方のせいか結構楽しめました。 轢き逃げされ亡くなった被害者の幽霊(?)を、何故か加害者でなく発見者だけが見えるようになり、二人で犯人を捜そうとすると、思わぬことが・・・。 コミカルな中にもピリリと山椒が効いているところもあり。 369ページ
読了日:02月24日 著者:越谷 オサム
ドローンズ・クラブの英傑伝 (文春文庫) ドローンズ・クラブの英傑伝 (文春文庫)感想
読書スランプになりつつあるので回復剤として読んでみた。 どうでもいい話を大げさに語るところが楽しいし少々ブラック風味なのもあるんだけど、続けて読むと飽きてしまうね。 1編読んだら間を開けた方がいいかも。 433ページ
読了日:02月26日 著者:P.G. ウッドハウス
本にだって雄と雌があります (新潮文庫) 本にだって雄と雌があります (新潮文庫)感想
どういう内容かも知らず、タイトルのみで買った本。 序盤から中盤は読みにくくて参ったが、後半はほぼ一気読み(当社比)。 家族史でもあり、幻書を巡る話でもあり、なかでも語り手の祖父にまつわる話がダントツにいい。 これは本好きは必読の本ですので、前半は少々我慢しても読んでくれと。 474ページ
読了日:02月28日 著者:小田 雅久仁

読書メーター

『本にだって雄と雌があります』 小田 雅久仁

本にだって雄と雌があります (新潮文庫)

本にだって雄と雌があります
著者:小田 雅久仁

解説:小谷 真理

(新潮文庫)

初版:2015年9月1日

(2012年10月に新潮社より刊行)

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どういう内容かも知らず、タイトルのみで買った本。

序盤から中盤は読みにくくて参ったが、後半はほぼ一気読み(当社比)。

家族史でもあり、幻書を巡る話でもあり、なかでも語り手の祖父にまつわる話がダントツにいいね。

どんな話かは前半は少々我慢して読んでくれとしか言いようがない。

 

『ドローンズ・クラブの英傑伝』 P・G・ウッドハウス

ドローンズ・クラブの英傑伝 (文春文庫)

ドローンズ・クラブの英傑伝
著者:P・G・ウッドハウス

編者・訳者:岩永 正勝、小山 太一

(文春文庫)

初版:2011年8月10日

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「アメイジング・ハット・ミステリー」(1933)

「すべてのネコにさようなら」(1934)

「スティッファム家のユキ」(1934)

「タッズリーからの脱出」(1935)

「ビンゴのペキ騒動」(1937)

「仮面の吟遊詩人」(1926)

「編集長は本件を深く遺憾とし・・・」(1939)

「溶鉱炉の試練」(1935)

「コージーコット荘の混迷事件」(1959)

「フレディとウーフィーのプロレス同盟」(1959)

「脂肪の塊」(1958)

「アルジーにお任せ」(1959)

特別収録作品「マック亭のロマンス」(1915)

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どうでもいい話を大げさに語るところが楽しいし少々ブラック風味もあるんだけど、続けて読むと飽きてしまうね。

1編読んだら間を開けた方がいいかも。


『ボーナス・トラック』 越谷 オサム

ボーナス・トラック (創元推理文庫)

ボーナス・トラック
著者:越谷 オサム

解説:小池 啓介

(創元推理文庫)

初版:2010年7月23日

(2004年12月に新潮社より刊行)

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この作者は初読。

この手の話はハートウォーミングになりがちなので仕方ないけど、読ませ方で結構楽しめる。

轢き逃げされ亡くなった被害者の幽霊(?)を、何故か加害者でなく発見者だけが見えるようになり、二人で犯人を捜そうとすると、意外なことが・・・。

コミカルな中にもピリリと山椒が効いているところもあり。