■競馬と多変量解析


マーケティング業界や研究機関で働いている方などデータ分析に精通している方であればご存知の通り、多変量解析の数式化についてはエクセルで出来ます。


競馬においては多変量解析の中でも説明変数が複数ありますので、重回帰分析という手法を用いることになりますが、競馬で重回帰分析を行う場合は、説明変数の項目が鍵を握ります。


一般的には、競走馬の能力指数(スピード指数)、騎手の技量、調教、前走の内容などがメインになってくると思いますが、前走の内容が良い馬は人気馬になりがちであり、確率以上に高い評価が競馬ファンより与えられることがあるため、過剰人気馬は買うべきではありません。


多くの方が多変量解析が競馬予想に使えるのではないかと考えた人は大勢いると思いますが、ある限界に気付くことでしょう。それはオッズの問題です。

それを解決するのは、誤差の有効活用という点にあります。


多変量解析結果として、想定タイムの平均値がこうだと出た。

そこから実際のレースにおいては誤差が生じるのは当然のことです。

通常の多変量解析による競馬予想ロジックは完璧なシステムではありません。


この点を解決するシステムを私は組んでいます。

回収率重視コースの競馬予想では、3馬身差の想定誤差の上で競馬予想しているので、

混戦になればなるほど紛れが生じて馬連万馬券的中が起こりやすくなります。


この計算方法に関しては、おそらく今までの競馬予想ソフトが対応しきれていない計算式になると思いますが、私はこの部分に関してはシステムを組んで対応しています。


結局、競馬で儲けるためには回収率を重視すべきであり、極論を言えば的中率などどうでもいいのです。もちろん競馬予想屋を利用する場合は、ある程度の的中率も必要になってきます。


多くの方は多変量解析をしてもタイム理論など実際のタイムをベースにしたことしか出来ていないと思います。つまり、結果を予測する方法として重回帰分析を行っていても、馬券生活者になるために必要なオッズとの比較という期待値の部分がないがしろにされています。それが出来るか出来ないかが馬券生活者になれるかなれないかの分かれ道です。


夏競馬には休養明けの馬が多く参戦してきます。

休養明けの馬は実戦を使っていない分、疲労が少ないというメリットがあります。

夏バテしていない元気な馬ほど夏競馬は走りますので、その意味では調教は見る必要がないと言えます。なお、調教を最後まで追えば、実戦を1レース使ったのと同じ効果は見込めますので特に調教内容は気にする必要がありません。



■競馬予想シミュレーション


以前、競馬予想シミュレーションを手動で行うメリットをお伝えしました。

投資シミュレーションを手動で行うメリットとは、改良点のアイデアが浮かんでくる点です。


コンピュータウイルス対策のためのリスクヘッジを行っている関係で、現在の競馬予想ロジックの完全な形での競馬予想ソフトにはしませんし、競馬予想ロジックはインターネット接続をしないパソコンに入っています。その関係で、競馬投資のシミュレーション作業は全て手作業です。

パソコンはあくまでツールであり、実際にやるのは人間ですし、何しろモニタが何個もあると紛らわしいです。


競馬予想ロジックを改良する時は、投資シミュレーションの段階だけでなく、日々の競馬予想結果の振り返りから得られるものがあります。それはPDCAサイクルに則って馬券生活をしているメリットになります。といっても、思いつく改良点のほとんどは、過去の延長でしかなく、過去に立てた仮説が回数を重ねるごとに断定的になるに過ぎません。


シミュレーションに慣れてくると着眼点が真実に近づいてくることが出来るので競馬予想法の精度を上げることにつながります。


ただ、改良を施した競馬予想ロジックで上書きしてしまうことが多いという問題点もあります。


これはいつも言っていることですが、競馬研究に終わりなどありません。

どんなに高い回収率の競馬予想ロジックが出来たとしても、それを改良しようと頑張らなければ、いつかその他大勢の競馬ファンに抜かされるという危機感を私は常に持っています。



競馬必勝法を作りたいと思う人は大勢いると思います。

しかし、それを作り上げたとしても、それに縛られすぎるのも考え物です。


たとえ今までの回収率が150%とか200%だったとしても、今後も同程度の回収率をキープするのであれば、常に改良のためのアイデアというのは頭に入れておかなければいけませんし、現在の競馬予想ロジックよりも良いものが出来上がった時に、瞬時にそれに移行することができるかも競馬で勝つためには必要だと私は考えております。



よく競馬予想ロジックが出来上がっているんだから改良なんて必要ないと言われるのですが、私はそうは思いません。


上には上がいると思っていますし、何もしなければいつしか抜かされる可能性だってあるでしょう。

そういった考え方が出来ない時点で負け組なのであり、出来る人間が努力し、出来ない人間が努力しないのでは格差は広がるのは必然的だと思います。私は格差社会が悪いことだと思っていませんが、負け組をフォローするのも勝ち組の役割だと思っています。