2024 東京優駿(予想と買い目) | 競馬解読教室

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 現3歳世代、全7906頭の頂点に立てるのはたった1頭。それがダービー馬だ。メイショウタバルの出走回避によって今年はの17頭で争われるダービーだが、この中で最もダービー馬にふさわしいのはどの馬か!?既述のとおり、自分は、毎年、ダービーの軸馬を決める際には2つのポイントに注目している。1つ目のモノサシは「皐月賞の勝ち時計が同週の古馬2勝級のレースよりどれだけ速かったか?」2つ目のモノサシは「皐月賞が前傾ラップだったか、後傾ラップだったか?」である。今年のダービーでは、皐月賞馬ジャスティンパレスが断然の1番人気に推されているが、これも前述のとおり、ジャスティンパレスを本命にはできない。では本命は・・・。    

 

 1つ目のモノサシから言えることは、今年の皐月賞の勝ち時計は同週の古馬2勝級の野島崎特別より1.1秒馬速いだけ。しかも、野島崎特別が時計のでにくいSペースからの後継ラップだったのに対し、皐月賞は時計の出やすいHペースの前傾ラップだった。3歳春の段階で世代レベルを云々するのは時期尚早だが、ダービー予想の出発点として、「少なくとも皐月賞時点では、現3歳世代は決して世代レベルが高い年だとは言えない!」という事実はおさえておきたい。

 

 更に2つ目のモノサシから言うと、今年の皐月賞は前傾ラップ(前後5Fの落差ー2.1秒)だった。2000年以降の皐月賞の歴史を見ると、皐月賞が前傾ラップだった場合、ダービーで活躍するのは勝ち馬ではなく、むしろ②着馬や③着馬。前傾ラップの皐月賞の勝ち馬でダービーも連勝を飾ったのは三冠馬コントレイルだけなのだ。もちろん、ジャスティンミラノがコントレイル級の強い馬であれば問題ないのだが、、、、しかも皐月賞におけるジャスティンミラノは上り3Fがメンバー中第6位に過ぎず、ダービーで勝つのに必要な上り3Fの切れ味もイマイチ。この手の皐月賞馬はダービーで崩れる可能性が高いという点は、憶えておきたい。

 

 以上をふまえると、データやレース傾向に基づいて予想する限り、1番人気のジャスティンミラノは強く推しずらい。もちろん3戦3勝の素質馬であり、GI馬であることは事実なので、ダービーでも②着、③着する可能性はあると思うが、少なくとも①着はアブナイ。それが、この1番人気馬に対する評価である。

 

 では、今年の様に皐月賞が前傾ラップだった年は、どういう馬がダービーで馬券になっていたか!?という点を改めて振り返ってみよう。目につくのは、(1)前傾ラップの皐月賞において、Hペースを逃げ・先行して③着以内に踏ん張った馬と、(2)前傾ラップの皐月賞で1~3人気に支持されていた馬、の好走例が目立つ!という点である。

 

2000年以降昨年までで、前傾ラップの皐月賞は全部で12回あったが、その12回の皐月賞で逃げ・先行して①~③着した馬と、1~3番人気に支持されていた馬たちのダービーでの成績は以下のとおりだった。なお、(1位)~(3位)は皐月賞で駆使した上り3Fメンバー中第1位~第3位であったことを示している

●2000年

先行:ダイタクリーヴァ:ダービー⑫着

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1人気 ダイタクリーヴァ ダービー⑫着

2人気 エアシャカール(1位)ダービー②着

3人気 ラガーレグルス ダービー不出走

ダービー①着アグネスフライト(3人):京都新聞杯①着)

 

●2001年

先行:アグネスタキオン ダービー不出走

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1人気 アグネスタキオン ダービー不出走

2人気 ジャングルポケット(2位) ダービー①着

3人気 ダンツフレーム(1位) ダービー②着

 

●2002年

先行:タイガーカフェ ダービー➉着

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1人気 タニノギムレット(1) ダービー①着

2人気 ローマンエンパイア  ダービー不出走

3人気 モノポライザー  ダービー⑭着

ダービー②着シンボリクリスエス(3人):青葉賞①着)

 

●2007年

逃げ:ヴィクトリー ダービー⑨着

先行:サンツェッペリン ダービー④着

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1人気 アドマイヤオーラ(1位) ダービー③着

2人気 フサイチホウオ―(1位) ダービー⑦着

3人気 ドリームジャーニー(3位) ダービー⑤着

ダービー①着ウォッカ(3人気):桜花賞②着)

ダービー②着アサクサキングス(14人気):NHK⑪着)

 

●2009年

逃げ・先行:なし

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1人気 ロジユニヴァース ダービー①着

2人気 リーチザクラウン ダービー②着

3人気 アンライバルド(2位) ダービー⑫着

 

●2010年

逃げ・先行:なし

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1人気 ヴィクトワールピサ(3位)ダービー③着

2人気 ローズキングダム ダービー②着

3人気 アリゼオ ダービー⑬着

ダービー①着エイシンフラッシュ(7人気):皐月賞③着)

 

●2012年

先行:ディープブリランテ ダービー①着

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1人気 グランデッツア(3位) ダービー⑩着

2人気 ワールドエース(2位) ダービー④着

3人気 ディープブリランテ ダービー①着

ダービー②着フェノーメノ(5人気):前走青葉賞①着)

 

●2013年

先行:エピファネイア ダービー②着

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1人気 ロゴタイプ(3位) ダービー⑤着

2人気 エピファネイア ダービー②着

3人気 コディーノ ダービー⑨着

ダービー①着キズナ(1人気):前走京都新聞杯①着)

 

●2016年

逃げ・先行:なし

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1人気 サトノダイヤモンド(3位) ダービー②着

2人気 リオンディーズ ダービー⑤着

3人気 マカヒキ(1位) ダービー①着

 

●2018年

先行:エポカドーロ ダービー②着

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1人気 ワグネリアン ダービー①着

2人気 ステルヴィオ(1位) ダービー⑧着

3人気 キタノコマンドール(1位) ダービー⑫着

 

●2020年

先行:サリオス(2位) ダービー②着

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1人気 コントレイル(1位) ダービー①着

2人気 サトノフラッグ ダービー⑪着

3人気 サリオス(2位) ダービー②着

 

●2023年

先行:タスティエーラ ダービー①着

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1人気 ファントムシーフ(2位) ダービー⑧着

2人気 ソールオリエンス(1位) ダービー②着

3人気 べラジオオペラ ダービー④着

 

そして今年は・・・

●2024年

先行:ジャスティンミラノ ダービー?着

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1人気 レガレイラ(1位) ダービー?着

2人気 ジャスティンミラノ ダービー?着

3人気 ジャンタルマンタル 不出走(NHK①着)

 

前記12回(2000~2023年)の前掲ラップの皐月賞において、逃げ・先行して①~③着した馬は全部で9頭いて、当該馬のダービーでの通算成績は{2・3・0・4}だった。勝率22%、連対率55%、複勝率55%は悪くない数字だが、特に注目したいのは近年(2012年以降)の成績。かつての皐月賞では、(1)前傾ラップの皐月賞で先行して①~③着していたような先行馬は、ダービーでは全滅(2012年以前は全滅)していたのに、2012年にディープブリランテがダービーを①着して以降、エピファネイア(②着)、エポカドーロ(②着)、サリオス(②着)、タスティエーラ(①着)と対象馬が5回連続連対中であり、近5回は{2・3・0・0}!!。トレンドは完全に「変わった!」と考えていいようだ。今年の該当馬はジャスティンミラノ。これまでジャスティンミラノには強気に推せる材料が少なかった趣であるが、これを見ると、やはり、この馬がダービーでも連対を果たす可能性は高いように思える

 

同様に、(2)前記12回(2000~2023年)の皐月賞において、1~3番人気に支持され、その後ダービーに出走してきた馬は全部で33頭いて、当該馬のダービーでの通算成績は{6・8・3・17}。勝率18%、連対率42%、複勝率51%はマズマズ信頼できる数字だろう。近年のダービー予想の大きなポイントは、前記(1)と(2)を合体して考えるという発想だ。というのも、2000年以降、前傾ラップの皐月賞で(1)と(2)の該当馬がワン・ツーを決めたのは6回もある。しかも、直近の4回はすべて、このパターンなのだから、該当馬には要注意なのだ。ご参考までに申し上げれば、2016年は該当馬3頭の中で①②着、2018年は該当馬4頭の中で①②着、2020年は該当馬3頭の中で①②着、2023年は該当馬4頭の中で①②着が出現している。そして今年は・・・該当馬は2頭ジャスティンミラノとレガレイラの2頭しかいないのだから、この2頭が馬券の本線になる。

 

2024年の東京優駿の本命は◎レガレイラだ。昨年末のホープフルSでは、牝馬として、初の優勝を飾った実力馬。休み明けの皐月賞は流れも展開も向かなかったし、ルメール騎手が乗れなかったのも痛かった。ところが今回は1回たたいて、ルメール騎手が鞍上。前走との比較で、今回、最も上積みが大きいのはこの馬だろう。この馬の本命を決めたもう一つの理由は、逃げ候補だったメイショウタバルが回避したこと(※これによって逃げるのはシュガークンとなる可能性大。)。レガレイラという馬は、超Sペースから上りの瞬発力に特化した競馬(アイビーS)や、超Hペースで道中息の入らないマイルのような競馬(皐月賞)は向いていない。この馬が一番能力を発揮できるのは、平均ペースで流れ、ゴール前4Fくらいからだんだんペースが上がり、3~4角で惰性をつけて直線に向いて、末脚勝負できるような競馬(ホープフルS)なのだ。そういう意味で、レガレイラという馬は、やや注文のつくタイプの差し馬であると言えるが、今回はメイショウタバルの回避によって、ペースや展開に恵まれる公算が非常に高い。というのも、シュガークン(武豊騎手)がMペースで逃げる前半の流れと、瞬発力勝負を避けたいコスモキュランダが3~4角で動いて一気にペースアップするような後半の流れは、昨年のホープフルSに似ているし、レガレイラが得意とする展開・流れであるからだ。あとはルメール騎手が1枠2番という枠順をさばけるかどうか。インコースで馬群が詰まり、追い出しが遅れる可能性もゼロではないが、コスモキュランダがレースを動かしてくれれば、直線では馬群がバラける可能性が大きい。ホープフルSに似た流れになれば、レガレイラはジャスティンミラノを差し切れるとみて、この馬が本命だ。

 相手の大本線はもちろん〇ジャスティンミラノ。前述のとおり、近年は前傾ラップの皐月賞で先行して①~③着した馬はダービーでもちゃんと走っており、近5回は連対率はなんと100%!!ただし、やや決め手に甘いタイプなので、末脚勝負になると、最後の最後に、より末脚が切れる馬に差される可能性は否定できない。今年の東京優駿では、この2頭がワン・ツーを決める可能性が高いとみているが、もしこの2頭の一角が崩れるとすれば、割って入ってくる可能性がある馬として、△ダノンエアズロック、△シックスペンス、△アーバンシック、△シンエンペラーの4頭を上げておきたい。ダノンエアズロックはアイビーSでレガレイラを負かした実績があり、もし予想以上にSペースになって、エイシンフラッシュが勝った時のような究極の上り勝負になった場合にはこの馬が一番怖い。東京コースは3戦3勝で、鞍上がモレイラ騎手ならば、侮れない。シックスペンスは距離延長、休み明け、鞍上交代と課題が多いのは事実だが、スプリングSの内容が素晴らしかっただけに無視できない。この馬もダノンエアズロック同様、直線だけの上りの競馬になれば怖い一頭だ。アーバンシックは未だ完成途上の逸材だが、血統構成がレガレイラに似ている以上、この馬も買わないわけにはいかない。追切の動きは最高だったので、調子は良いハズ。最後の1頭で、シンエンペラーとコスモキュランダの間で大いに迷ったのだが・・・・。コスモキュランダは父アルアインを見ても、どうしても東京のGI向きとは思えなかったことと、鞍上の乗り替わりのマイナスが大きいと考えたことが理由で、最後の最後に消すことにした(※皐月賞の内容は、アーバンシックやレガレイラよりも素晴らしかったのだが。)。替わって△としたシンエンペラーはホープフルSの②着馬であり、基本的にレガレイラが好走するような流れのレースは向いているハズ。この2頭はセットで好走する可能性が高いので、最後の最後に、この馬を押さえておきたい。

 

2024年の東京優駿は◎レガレイラで男なら勝負だ!!

(結果)

◎レガレイラ

〇ジャスティンミラノ (②着 1人気)

△ダノンエアズロック

△シックスペンス

△アーバンシック

△シンエンペラー (③着 7人気)

 

 

 

 

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