ダービーの最重要ステップレースが皐月賞であることは間違いない。なので、もう一度今年の皐月賞の内容を振り返っておこう。前述のとおり、今年の皐月賞は5F57.5の超Hペースとなり、前傾ラップとなった。2000年以降の24回の皐月賞の中で、前傾ラップになったの以下の10回だった。
2023 1.57.1(57.5=59.6)ー2.1秒 ジャスティンミラノ
2023 2.00.6(58.5=62.1)ー3.6秒 ソールオリエンス
2020 2.00.7(59.8=60.9)ー1.1秒 コントレイル
2018 2.00.8(59.2=61.6)-2.4秒 エポカドーロ
2016 1.57.4(58.4=59.5)-1.1秒 ディーマジェスティ
2013 1.58.0(58.0=60.0)-2.0秒 ロゴタイプ
2012 2.01.3(59.1=62.2)―3.1秒 ゴールドシップ
2010 2.00.8(60.1=60.7)-0.7秒 ヴィクトワールピサ
2009 1.58.7(59.1=59.6)-0.5秒 アンライバルド
2007 1.59.9(59.4=60.5)―1.1秒 ヴィクトリー
このうち、ジャスティンミラノを除く勝ち馬9頭の次走ダービーでの成績は、皐月賞での決め手、上り3Fの順位、次走ダービーでの着順は以下のとおり。
ソールオリエンス 追込 3F35.5(1位) ダービー②着
コントレイル 差し 3F34.9(1位)ダービー①着
エポカドーロ 先行 3F35.1(4位)ダービー②着
ディーマジェスティ 差し 3F34.0(2位)ダービー③着
ロゴタイプ 差し 3F35.3(3位)ダービー⑤着
ゴールドシップ 差し3F34.6(1位)ダービー⑤着
ヴィクトワールピサ 差し3F35.2(3位)ダービー③着
アンライバルド 差し 3F34.6(2位)ダービー⑫着
ヴィクトリー 逃げ 3F35.9(16位)ダービー⑨着
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ジャスティンミラノ 先行 3F34.7(6位)ダービー?着
9頭の成績は{1・2・2・4}であり、勝率11.1%、連対率33.3%、複勝率55.5%止まり。前傾ラップの皐月賞の勝ち馬は、後継ラップの皐月賞の勝ち馬に比べて、更に400m距離が延びるダービーでは苦戦を強いられている。3冠馬コントレイル以外に勝ち馬はおらず、好走したとしても②③着止まりという結果が続いている。また、脚質別にみると、差し追い込み馬は7頭いて{1・1・2・3}。対して逃げ先行馬は2頭いて{0・1・0・1}。どちらが有利とはいえない。今年のジャスティンミラノは先行馬だが、2018年のエポカドーロの例があるので、ダービーでも好走できるかどうかは五分五分ということころ。むしろ前述のとおり、前傾ラップの皐月賞では勝ち馬よりも②③着馬の方がダービーで活躍している(※)ということを考えると、
(※参考)
2023年 皐①着ソールオリエンス(2人)→ダ②着
2012年 皐③着ディープブリランテ(3人)→ダ①着
2013年 皐②着エピファネイア(2人)→ダ②着
2016年 皐②着マカヒキ(3人)→ダ①着
皐③着サトノダイヤモンド(1人)→ダ②着
2020年 皐①着コントレイル(1人)→ダ①着
皐②着サリオス(3人)→ダ②着
ジャスティンミラノよりは、②着コスモキュランダに食指が動く(※皐月賞③着のジャンタルマンタルはNHKマイルC優勝していることもコスモキュランダを推す材料になるだろう。)。現在ジャスティンミラノは土曜夜現在、前売り1番人気(2.7倍)に支持されているが、データからは、人気ほど強気には推すことは難しい。②、③着はあっても、おそらく①着はない!という見立からは、少なくとも同馬は本命には推しにくいというのが今回の結論である。