2024 東京優駿(非皐月賞組の検討:青葉賞) | 競馬解読教室

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 ダービーの最重要ステップレースは言うまでもなく皐月賞である。しかしながら、皐月賞組以外を無視してもいいというわけではない。2000年以降、全24回のダービーの①~③着馬全72頭のうち、前走が皐月賞でなかった馬(=青葉賞、京都新聞杯、NHKマイルC、プリンシパルS、毎日杯、桜花賞、ベンジャミンSだった馬)が28頭もいるからだ。内訳は青葉賞組が10頭、京都新聞杯組が7頭、NHKマイルC組が5頭、プリンシパルS組が3頭、毎日杯組・桜花賞組・ベンジャミンS組が各1頭の計28頭である。28/73頭(38.9%)という数字は決して無視できる数字ではない。実際に、ダービーでは皐月賞直行組が中心だとは言っても、①~③着馬のうち1頭は、だいたい非皐月賞組が割り込んでくるのがダービーの歴史なのである。実際に2000年以降、皐月賞組がダービーで①~③着を独占した年は2010年、2016年、2020年、2022年のたった4回しかないのだ。残る20回は非皐月賞組が必ず1頭又は2頭馬券に絡んでいるということ。

 次に2000年以降、全24回のダービーの連対馬を調べてみよう。該当馬全48頭のうち、前走が皐月賞出なかった馬は17頭/48頭(35.4%)おり、京都新聞杯組が6頭で最多。以下青葉賞組5頭、NHKマイルC組が4頭、その他(毎日杯、桜花賞)が2頭であった。ダービーの馬券作戦のカギの一つは、この前走非皐月賞組の分析と取捨にあると言っても過言ではない。そこで以下では、非皐月賞組の中でも、特に重要と思われる青葉賞の評価について触れておきたい。

 

 2000年以降、ダービーで馬券になった青葉賞組は次の10頭である。

2002 シンボリクリスエス→ダービー②着

2003 ゼンノロブロイ→ダービー②着

2004 ハイアーゲーム→ダービー③着

2006 アドマイヤメイン→ダービー②着

2011 ウインバリアシオン→ダービー②着

2012 フェノーメノ→ダービー②着

2013 アポロソニック→ダービー③着

2014 マイネルフロスト→ダービー③着

2017 アドミラブル→ダービー③着

2023 ハーツコンチェルト→ダービー③着

 

青葉賞組がダービーを勝てないのは有名な話だが、2000年以降馬券に絡んだ10頭は②着5頭、③着5頭。しかも2023年以降は②着すらなく、③着までという競馬続いている。青葉賞組の取捨については、青葉賞と同日又は前後週に行われる陣馬山特別(旧古馬1000万条件/現2勝クラスの芝2400m。2006年から青葉賞当日に施行開始。)との時計比較が有用である。他方、芝2400mの長距離戦はペースにバラつきがあるので、ただ単純に勝ち時計だけを比較しても、正確な能力比較は難しい。そこで勝ち時計の単準比較に、前半6Fと後半6Fの通過ラップの比較も加味して検討してみるのである。そうすれば、その年の青葉賞のレベルが高いか?それとも低いのか?がある程度推測できる。すなわち、2006年以降昨年までの、過去18回の青葉賞と陣馬山特別を比較して、青葉賞の方が勝ち時計が1.0秒以上速く、なおかつ前半6F&後半6Fがともに速い年は、青葉賞のレベルが高い!と考えていいのだ。過去18年間で、該当する年はたった6回しかない。2023年、2022年、2017年、2012年、2010年、2006年の6回である。

2023年:スキルヴィング⑰着(2人気)(急性心不全)

青葉:2:23:9(73.1=70.8)

陣馬:2:25:3(74.2=71.1)

2022年:プラダリア:ダービー⑤着(5人気)

青葉:2:24:2(71.1=73.0)

陣馬:2:27:3(71.2=76.1)

2017年:アドミラブルダービー③着(1人気)

青葉:2:23:6(72.1=71.5)

陣馬:2:25:9(73.6=72.3)

2012年:フェノーメノダービー②着(5人気) 

青葉:2:25:7(73.7=72.0)

陣馬:2:28:6(75.4=73.2)

2010年:ペルーサ:ダービー⑥着(2人気)

青葉:2:24:3(72.6=71.7)

陣馬:2:25:3(73.3=72.0)

2006年:アドマイヤメインダービー②着(4人気)

青葉:2:25:3(72.5=72.8)

陣馬:2:27:3(74.0=73.3)

 

該当する6回の青葉賞の勝ち馬6頭中、3頭はダービーで馬券対象になっている。説明が長くなるので他の12回の青葉賞は割愛するが、他の年はいずれも上記条件に合致しなかった(=青葉賞のレベルが高いとはいえなかった。)。そして今年、シュガークンの勝った今年の青葉賞がどうだったかと言うと・・・・

2024年 シュガークン:ダービー??着

青葉:2:24:2(71.3=72.9)

陣馬:2:27:0(77.2=69.8)

 

 今年の青葉賞は前半が速い前傾ラップになったため、勝ち時計は陣馬特別よりも2.8秒も速かったが、後半6Fは陣馬特別の方が速かった。パターン的に言えば、シュガークンの勝った青葉賞のラップはダービーでの好走に直結するタイプのレースラップではなく、このパフォーマンスがダービーに通用する可能性は低いと言わざるを得ない。

 

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