2024 皐月賞(ステップレースの検証:その6 毎日杯) | 競馬解読教室

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 最後に毎日杯を回顧しておこう。過去11年の皐月賞で、前走が毎日杯だった馬は8頭おり、結果は{1・0・0・8}。勝率・連対率・複勝率ともに11.1%はイマイチだ。そもそも、この毎日杯というレースは年によってレース・メンバーレベルに大きな格差のあるレースであり、勝ち馬の中には、その後重賞を一回も勝てないような「一発屋」が多い一方で、時に、テイエムオペラオー、キングカメハメハ、ディープスカイ、キズナ、アルアイン、シャフリヤールといったGIを2勝以上するような大物が出現することもある。問題は今年の出走馬の中にそういう「大物」が隠れているか!?である。

 

 今年の毎日杯は時計のかかる重馬場で行われたが、勝ち時計1.46.0(35.2=36.4=34.4:落差+0.8秒)は、2011~2023年に「良馬場」で行われた過去10回の毎日杯のデフォルトの1.46.5(35.4=36.5=34.6:落差+0.8秒)に比べて、テンが0.2秒速く、中盤が0.1秒速く、上りが0.2秒速く、勝ち時計が0.5秒も速かった!仮にメイショウタバルが名うての重巧者であったとしても、良馬場の平均時計よりも速かったのは見事!特に、重賞レベルになると、重馬場の勝ち時計が良馬場の平均勝ち時計よりも速いというケースは非常に珍しい。それだけでも、今年の毎日杯の勝ち時計は評価できる。また、メイショウタバルが②着に負かしたノーブルロジャーはシンザン記念を勝った重賞ウィナーであり、今年はメンバーレベルが低い訳でもなかった。

 

 次に古馬のレースとの時計比較をしてみよう。重馬場で行われた古馬2勝クラスの阪神芝1800m戦はサンプル数が少ないので、古馬2~3勝クラスまでスコープを広げると、勝ち時計の平均は1.48.6(36.0=36.5=36.1:落差ー0.1秒)だった。これを今年の毎日杯の勝ち時計勝ち時計1.46.0(35.2=36.4=34.4:落差+0.8秒)と比べると、今年の毎日杯の方がテンが0.8秒速く、中盤が0.1秒速く、上りが1.7秒速く、勝ち時計が2.6秒も速かった!馬場差が不明なことを割り引いても、今年の毎日杯の勝ち時計が古馬2~3勝クラスのそれよりもはるかに優秀であることは間違いないだろう。以上をふまえると、メイショウタバルは、かかる「大物」である可能性がある。

 

 メイショウタバルについては、もう一つ、大きく強調しておきたいことがある。それは同馬が「逃げて、上り最速で逃げ切った!」という点である。条件戦ならいざ知らず、重賞で、逃げ馬が上り最速で逃げ切るレースというのは、長い競馬の歴史の中でも非常に少ない。2000年以降、該当するレースは全部で21レースしかないのだ。該当馬の次走を調べると・・・。

2023 札幌二歳 セットアップ→朝日杯⑦着

2023 日経賞  タイトルホルダー→春天中止

2022 春天皇賞 タイトルホルダー→宝塚①着

2021 NZT   バスラットレオン→NHK中止

2021 大阪杯  レイパパレ→宝塚③着

2020 ラジオ賞 バビット→セントライト①着

2019 阪神JF レシステンシア→チューリップ③着

2013 アイビス ハクサンムーン→セントウル①着

2010 プロキS ケイアイガーベラ→エニフS①着

2007 朝日杯  ゴスホークケン→NZ⑫着

2006 アイビス サチノスイーティー→北九州⑬着

2006 中山記念 バランスオブゲーム→安田⑰着

2005 マーメイ ダイワエルシエーロ→引退

2005 東海S  サカラート→ブリーダー①着

2005 根岸S  メイショウボーラー→フェブS①着

2004 アイビス カルストんライトオ→スプリンS①着

2004 小倉章典 メイショウバトラー→中山牝馬④着

2004 シンザン ドリームジャーニー→弥生賞⑦着

2003 京都章典 タップダンスシチー→JC①着

2001 アンタS スマートボーイ→東海S➉着

2000 府中牝馬 トゥザビクトリー→エリ女④着

 

 該当馬21頭中、次走競走中止と引退を除く18頭の成績は、{8・0・2・8}だった。勝率・連対率50.0%。複勝率62.5%だった。この成績はなかなか優秀だが、そもそも、重賞を上り最速で逃げ切った馬の次走は、ピンかパーだということ。メイショウタバルについても、すごく強くて皐月賞を勝ってしまうか!?、あるいは前走の圧勝は馬場のせいであり、皐月賞では着外に沈んでしまうか!?メイショウタバルには、極端な結果が待っているような気がしている。最後に一つ指摘しておきたい事実は、前記の勝った8頭中4頭は、次走でGI(宝塚記念、フェブラリーS、スプリンターズS、JC)を勝っていた!この事実はテークノートする必要があるだろう。