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34.5-35.8=1:10.3
12.2-10.6-11.7-11.6-11.7-12.5

1着カレンチャン(○)
2着サンカルロ(注)
3着ロードカナロア(▲)

中京競馬場改修後として初のG1高松宮記念が終わりました。では、早速振り返っていきましょう。

まず、高松宮記念は改修後初めてということなので過去の比較が出来ません。ですので、改修後の中京競馬場で行われた芝1200mの全レースを明記し、ここから比較・考察していきましょう。

【中京競馬場芝1200mラップ】

3/4中京12R:パノラマビューカップ(1000万下)
34.6-35.8(12.0-10.9-11.7-12.2-11.4-12.2)
3/10中京12R:刈谷特別(500万下)
34.7-36.3(12.2-10.9-11.6-11.9-12.1-12.3)
3/11中京5R:3歳未勝利
35.2-36.3(12.5-10.8-11.9-12.0-12.1-12.2)
3/17中京9R:4歳上500万下
34.7-37.3(12.3-10.8-11.6-12.2-12.2-12.9)
3/18中京4R:3歳未勝利
35.2-37.6(12.5-11.0-11.7-12.4-12.4-12.8)
3/18中京10R:はなのき賞
34.9-36.4(12.3-11.1-11.5-11.9-12.0-12.5)

当該週
3/25中京9R:三河特別(1000万下)
34.5-36.4(12.0-10.7-11.8-12.0-12.0-12.4)

まず今年の高松宮記念はテンが34.5秒、これは同週の1000万下条件であった三河特別と同じ水準。500万下条件で行われた3月10日の刈谷特別、3月17日の4歳上500万下とも0.2秒しか変わらないというラップとなっています。特に3月17日の4歳上500万下戦は重馬場での開催であったことも考えると高松宮記念の前半の緩さがわかるかと思います。当然、テンが緩いということは上がりが速くなるという算段。実際、高松宮記念の35.8秒は開幕週の絶好馬場であったパノラマビューカップと同じ水準となっています。

G1でこのテンの緩さは資質もさることながら、それ以上に展開利が見込めるラップであったと看取できます。実際、掲示板5頭のうちサンカルロ以外は4角5番手以内という偏りが見られます。まあ唯一着外となったのは逃げて17着のエーシンダックマンとなりますが、このあたりは一貫ラップでスピードを活かせないと勝ち負けできないという資質からくるものなので理解できます。勝ったカレンチャンにとっては急流+急坂の中山競馬場で先行してと真っ当に底力問われる条件でG1を勝利しているわけですから、この流れは非常にヌルかったと言わざるを得ません。

そしてもう1点。テンが緩いということは上がりで加速が生じる可能性がある、ということも同時に導くことが出来ます。こうなると底力以上に加速力という別の資質が問われることになり付け入る隙が見出せることになります。特に中京競馬場はコーナー半径がキツく4コーナーでの遠心力でラップが弛むことが規定できる条件ではあったのですが(実際パノラマビューカップはそのようなラップデザインとなっていました)、結果はそうなりませんでした。このあたりは予想文でダラダラと(汗)書いているので文末に掲載させていただきます。よろしければご覧になってください。ここでは回顧ということなのでそうならなかった要因を精査していきます。

個人的に、中京競馬場が改修されて最初の週の印象は「新潟競馬場(特に内回り)」にコース形態が似ているというものでした。具体的に言うと、コーナー半径の急さ(特に4コーナー)からくる遠心力でそのハロンでラップが弛み、次のハロンで加速が生じるため瞬発力が問われるというものです。実際、パノラマビューカップはそのようなラップとなっていますし、特にダート戦ではラップに加えてコーナーの急さから直線長くても結局息が入ることから先行した馬が残るという新潟競馬場と同じ明確な傾向が出ていました。

ただし、ここで新潟競馬場と中京競馬場のコース形態の違いが影響します。新潟競馬場は一貫して平坦という起伏に対して、中京競馬場は「向正面は上り、3・4コーナーは下り」という明らかな起伏の差が存在します。つまり、起伏が与えるラップの機微が無くスピードの上げ下げは競走馬(騎手)自身の意識とコーナーの遠心力しか存在しない新潟競馬場と、3・4コーナーの下りで物理的なスピードアップが図られる中京競馬場ではポイントが違うということになります。

結局、ラップが規定される要素の少ない新潟競馬場はその分コーナーの遠心力の比重が高くなり、一方で新潟競馬場に比べて起伏という追加要素がある中京競馬場では起伏部分が与える影響を加味する必要があります。そう考えると、下記に示したクラス毎のラップ推移が新潟競馬場では特に500万→1000万において上がりに明確な差が出るのに対して、中京競馬場では上がりに大きな差は見られずテンが速くなることが説明できます。よって、ここからもポイントはコーナーの急さより下りの起伏ということが看破され、つまりは「前傾度が増す=ラストは失速ラップを刻む」という図式が成り立つことになります。そして、失速ラップになるということは格がものをいうことになり、このラップでG1で好走経験のある2頭がワンツーを決めたことは整合性が取れます。

【クラス別の新潟競馬場の過去3年平均ラップ(左)と中京競馬場の全ラップ(右)】

未勝利
34.2-35.7:35.2-36.3、35.2-37.6
500万
33.9-35.4:34.7-36.3、34.7-37.3、34.9-36.4
1000万
33.7-34.8:34.6-35.8、34.5-36.4

まあここを事前に感知(まあ実際には9R時点で嫌な予感はしたのですが)できなかったことは大いに反省すべき点であると同時に、今後の中京開催に向けて準備すべきポイントとなりました。といっても、まだまだ上級条件では3鞍しか行われていないので、事前の予想の可能性は捨てきれませんが…(笑)。

というわけで最後に、私が書いた予想はコチラ。

----------

◎15.ダッシャーゴーゴー
○10.カレンチャン
▲1.ロードカナロア
注17.サンカルロ
△12.マジンプロスパー
△14.グランプリエンゼル
△2.サンダルフォン
△13.タマモナイスプレイ

中京競馬場が新しくなって初の高松宮記念。過去の傾向が参考になりませんので過去データはなしで考察していきましょう。では、まず新中京競馬場のコース形態についておさらいしてみます。中京競馬場芝1200mは、「向正面スタートで1Fは1m上り、そこからラスト2Fまでで3m下って2m上りラスト1Fは平坦」という起伏。まずスタートの1Fが上りであること、このためコーナーまでが1.5Fと短いことからテンは比較的緩くなる傾向があります。そして、中京競馬場はスパイラルカーブを採用しているという性質上、出口となる4コーナーが急なレイアウトとなっておりこの点が非常に重要な視点。そのため、4コーナーにあたるラスト3F目で一度ラップが弛むことにつながると考えられます。では、これらを踏まえて先週までに行われた芝1200mのラップを明記したいと思います。

(中京競馬場芝1200mラップ上記であげているためは割愛します)

上記を確認すると最初のパノラマビューカップのみが「3F目緩→2F目急」という急コーナーの影響を受けたラップとなっています。ではなぜこのようになるのか。これは1200mなど短距離戦のような前半から負荷が高いレースではそもそも加速するということ自体が困難であり、特に下級条件ではラストにお釣りが残っておらず最後は流れ込むだけの状態であるということが窺えます。当然、中京競馬場は直線向いて坂もあるわけですから厳しいのは納得できます。

では、上記仮説を補足するべく同じコーナーの急さからラスト3F-2F区間で加速するラップデザインとなる新潟競馬場のラップを明記しておきましょう。

【新潟競馬場のラップ推移(過去3年平均)】

未勝利:12.1-10.7-11.4-11.6-11.8-12.3
500万:12.1-10.5-11.3-11.5-11.7-12.2
1000万:12.0-10.6-11.1-11.4-11.3-12.1
オープン:12.0-10.9-11.4-11.7-11.4-11.9

いかがでしょうか。新潟競馬場においても未勝利・500万条件では加速しておらず、1000万以上になって初めて加速が生じることが看取できます。そして中京競馬場に戻ると、唯一加速が生じているのが1000万条件のパノラマビューカップとなっており仮説の整合性が取れます。

本命はダッシャーゴーゴー。
まずは直近5走のラップをご覧ください。

【ダッシャーゴーゴーの直近5走のラップと着順】

1走前(9着):11.9-10.4-11.1-11.4-11.6-12.8
2走前(3着):12.0-10.4-11.1-12.3-11.9-12.4
3走前(11着):12.0-10.2-10.8-11.2-11.5-11.7
4走前(3着):12.2-10.6-11.3-11.3-11.0-12.1
5走前(1着):12.1-10.6-11.1-11.2-11.1-12.0

ダッシャーゴーゴーが好走している3戦は全て「3F目緩→2F目急」というラップ。そして敗戦した2戦は失速していくラップとなっています。これはダッシャーゴーゴーの資質を表す指針として機能し、例えば降着となったG1の2戦もラップを紐解くと2着→4着の10年スプリンターズステークスは加速が生じており、4着→11着の11年高松宮記念は失速するラップと同じ降着でも入線した着順から資質を看破することは可能です。また、今年は失速ラップで敗戦したものの昨年勝利したオーシャンステークスも加速ラップとなっていました。つまり、ダッシャーゴーゴーは短距離馬としては異質な加速力という資質を備えていることがわかります。
また、2走前の3着は大井競馬場で行われたJBCスプリント。大井競馬場はダート戦としては直線部分が長く左右対称な形状をしているというレイアウトで、これは言い換えればコーナー半径が急であるということになります。実際、JBCスプリントでは「3F目緩→2F目急」というラップデザインとなり好走しています。そもそも、大井競馬場で行われる3歳ダート戦のジャパンダートダービーの好走馬が毎年新潟競馬場で行われるレパードステークスで好走しているということを考えると、大井競馬場と新潟競馬場の適性がリンクすることはむしろ道理と言えます。
以上から、中京競馬場のラップについての仮説を立て、それに伴う中京競馬場と新潟競馬場のラップの関係について説明しました。実際に新潟競馬場で(1.1.0.0)であったローレルエナジーが先週9番人気ながら3着に好走していることからも適性が窺えます。そして、新潟競馬場と大井競馬場の適性がリンクすることについても触れ、ここからJBCスプリントで好走したダッシャーゴーゴーが中京競馬場で好走する下地があることも逆説的に証明しています。要はダッシャーゴーゴーにとっては加速が入るかどうかが重要なポイントであり、今回は上記考察から導かれた結論として狙う価値は十分あると言えます。

----------

では、本日はこのあたりで失礼します。
今週は忙しく、ブログにて展望出来ず申し訳ございません。

その代わりといっては何ですが、JRDBブログにて予想大会と称して予想文を書いています。
もしよろしければそちらをご覧下さいませ。

いつも参考にしていただいている方にはご迷惑をおかけしましたことを最後にお詫び申し上げます。



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38.9-38.7-39.4-37.5-37.3=3:11.8*稍重
13.3-12.3-13.3-13.6-12.4-12.7-12.3-13.9-13.2-12.2-13.2-12.1-12.0-11.9-13.4

平均:36.9-37.7-38.8-37.0-37.9
13.0-11.7-12.2-12.5-12.6-12.6-12.6-13.4-12.8-12.4-12.5-12.2-12.4-12.4-13.1

$競馬リアルスコープ


参考
09年:37.4-38.3-38.3-38.6-40.6=3:13.2*重
13.0-11.7-12.7-13.0-12.7-12.6-12.3-13.1-12.9-12.8-12.9-12.9-13.4-13.5-13.7
10年:37.2-37.0-39.2-36.5-37.4=3:07.3
13.3-11.9-12.0-12.2-12.4-12.4-12.7-13.5-13.0-12.4-12.3-11.8-12.1-12.2-13.1
11年:36.1-37.7-38.9-36.0-35.7=3:04.4
12.8-11.4-11.9-12.2-12.7-12.8-12.8-13.6-12.5-11.9-12.3-11.8-11.8-11.4-12.5

1着ギュスターヴクライ(△)
2着オルフェーヴル(◎)
3着ナムラクレセント(-)

戦前にこの結果を予想出来た人はまずいないと思われる、そんな結果となった今年の阪神大賞典。では振り返っていきましょう。

前日、そして当日(朝)の雨が残った阪神競馬場、馬場状態は稍重での開催となりました。タイムは遅くなりましたが、同日の8Rに芝1800mで行われた4歳以上500万下の時計が1:50.0、500万の基準が1:47.3であることを鑑みると単純な馬場差は約3秒ほどと考えられます。このレースはドスローではなくテン・中盤とも真っ当なラップを刻んでいたので、指標としては十分足りる内容でしょう。以上から今回の阪神競馬場は時計が掛かる馬場であったことは念頭においておくべきでしょう。

ではより細かなラップの分析を始めましょう。まず、目に付くのは道中で13秒台のラップが多いこと。1F目とラスト1F目を除いた13秒台の数は5回と過去3年で最多となっています。これはグラフを見ていただければ非常にわかりやすく、例年のラップが弛む区間で過剰に弛んでいることが視覚的に認識できます。つまり、道中の付加が非常に薄かったということが看取でき、これは前半5Fが64.9秒と最も遅いラップであったこともその証左といえるでしょう。既に時計掛かる馬場であったことは説明していますが、それを踏まえても今年は道中の付加がなかったことは十分看破できます。そのため、結果的に内枠利したギュスターヴクライが1着となり、3着には逃げたナムラクレセントが入線することとなりました。

ただし、ここで付け加えておきたいことはスローは決して逃げ馬に有利ではないということ。これは今回で言うと、前走でスローのダイヤモンドステークスを唯一追い込んだギュスターヴクライは今回もスローで瞬発力を発揮し、一方で急流大阪杯や昨年の天皇賞(春)など底力問われる条件で差しているヒルノダムールは直線の不利があったとはいえ4着と敗戦していることからも理解できます。そして今回は長距離を底力で差すタイプが揃ったこともあり、スローで持ち味発揮できず差し届かなかったと類推されるので、結果的に道中ロスなく競馬が出来たギュスターヴクライとナムラクレセントが上位に来たと解釈することが出来ます。そう考えるとロス

そして最後に。では今年の阪神大賞典は天皇賞(春)につながるのか。阪神競馬場改修以後の阪神大賞典で天皇賞(春)につながったレース、つながらなかったレースをそれぞれ明記してみましょう。

【阪神大賞典から天皇賞(春)につながった年】
07年:13.1-12.1-13.1-13.4-13.4-12.4-12.3-13.5-13.1-12.8-12.9-11.7-10.9-11.4-12.2
08年:13.0-11.6-12.8-13.0-13.4-13.0-13.2-14.1-13.0-12.6-12.4-11.8-11.4-11.3-12.1
11年:12.8-11.4-11.9-12.2-12.7-12.8-12.8-13.6-12.5-11.9-12.3-11.8-11.8-11.4-12.5

【阪神大賞典から天皇賞(春)につながらなかった年】
09年:13.0-11.7-12.7-13.0-12.7-12.6-12.3-13.1-12.9-12.8-12.9-12.9-13.4-13.5-13.7
10年:13.3-11.9-12.0-12.2-12.4-12.4-12.7-13.5-13.0-12.4-12.3-11.8-12.1-12.2-13.1

上記を見れば傾向が掴めるかと思います。阪神大賞典が天皇賞(春)につながった年はラスト4Fから11秒台を刻むラップに加え1Fごとにギアをあげる加速ラップとなっており、一方つながらなかった年はラスト4Fが12秒台に加え減速し続けるラップであることが窺えます。つまり、前者は末の持続力を示すロングスパート型、後者はバテ合いを凌ぐスタミナ型であると分類することが出来ます。

そしてこれを見た上で展望でも書いた長距離重賞のラスト3Fの比較を見てみましょう。

【3000m以上の重賞過去3年(良限定)平均後半3Fとラスト1F】

菊花賞:35.5(12.0)
天皇賞(春):34.7(11.8)
ステイヤーズS:36.5(12.6)
阪神大賞典:36.6(12.8)
ダイヤモンドS:36.1(12.7)

天皇賞(春)は最もラスト3Fが速く、後半の比重が高いレースであることがわかります。京都競馬場の上って下るコース形態を考えればこれは当然ですね。今年の阪神大賞典は上記を見てもわかるように後半4Fは加速ラップを踏んでいます。これは下りを利して加速する京都競馬場の挙動と似ており持続力のフラグであると言えます。しかし、馬場状態を踏まえても道中のペースが遅くG1に向けての底力という視点では疑問が残ります。本番はそのあたりの上げ下げを意識すると妙味が追えそうですね。

では本日はこのあたりで。
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09年:37.4-38.3-38.3-38.6-40.6=3:13.2*重
13.0-11.7-12.7-13.0-12.7-12.6-12.3-13.1-12.9-12.8-12.9-12.9-13.4-13.5-13.7
10年:37.2-37.0-39.2-36.5-37.4=3:07.3
13.3-11.9-12.0-12.2-12.4-12.4-12.7-13.5-13.0-12.4-12.3-11.8-12.1-12.2-13.1
11年:36.1-37.7-38.9-36.0-35.7=3:04.4
12.8-11.4-11.9-12.2-12.7-12.8-12.8-13.6-12.5-11.9-12.3-11.8-11.8-11.4-12.5

平均:36.9-37.7-38.8-37.0-37.9
13.0-11.7-12.2-12.5-12.6-12.6-12.6-13.4-12.8-12.4-12.5-12.2-12.4-12.4-13.1

$競馬リアルスコープ

09年は重馬場開催。ラストのラップの挙動を見てもわかるとおり、ラップが失速しているバテあいの消耗度が問われたレースとなりました。結果的に長距離の消耗戦という、再現度の低いレースで極限のスタミナ適性のみが重要な条件であったと看破できます。そしてそのように考えると、スタミナと同時に末の切れも問われるG1で劣るのは道理であり、好走した上位3頭のその後の履歴を見ても明らかでしょう。

10年は良での開催。テン3F37.2秒は重開催の09年の37.4秒との比較からも緩く流れていることは明白。ただし、3F毎に分けた中盤の1ブロック目が37.0秒と、本来緩みはじめる区間でまだ12秒台前半を刻んでいることになり、15Fの内10Fで12秒台前半を刻むラップとなりました。そのため、ラスト1Fは13.1秒と大きく失速し、また09年と同じくラストのラップの挙動からもスタミナが問われたレースとなりました。

そして11年。結論から言うと過去3年でこの年のみが天皇賞(春)で好走馬を輩出したことになるのですが、その要因はラストの内容が天皇賞(春)にリンクしていたからであると考えられます。具体的に言うと、過去3年でこの年のみが後半5Fで「12.3-11.8-11.8-11.4-12.5」と加速ラップを刻んでおり、また11秒台前半の瞬発力も補完されていることがG1での好走要因となり得たと言えます。

阪神大賞典が行われる阪神競馬場芝3000mは向正面スタートで内回りを1周半するレイアウト。内回りで3コーナー中間からゴール前1Fにかけて2m下り、1Fで2mの上りという起伏以外は平坦であることに加え、内回りで直線が短いことも起因して長距離戦としては全体的にペースが速くなる傾向にあります。そしてそれを表すデータがこちら。

菊花賞:35.5(12.0)
天皇賞(春):34.7(11.8)
ステイヤーズS:36.5(12.6)
阪神大賞典:36.6(12.8)
ダイヤモンドS:36.1(12.7)

*データは3000m以上の重賞の過去3年(良限定)平均後半3Fとラスト1F

中盤の速さを比べるのは距離の違いもあり一概には言うことは出来ませんが、後半が掛かるということは中盤の負荷が高いという逆説的な説明であると言えます。ということで上記を確認すると阪神大賞典が最もラスト3Fが掛かっていることが看取できることとなり、またラスト1Fのラップ自体も最も掛かっているという挙動も道中の付加が高いことを示すフラグであると言うことが出来ます。

そしてこの上記データは同時に、菊花賞や天皇賞(春)とのラップの質の差を表す明確な指標であることは言うまでもないでしょう。過去3年で阪神大賞典好走馬で天皇賞(春)も好走したのは昨年のナムラクレセントのみという事実と、前年菊花賞好走馬で阪神大賞典も好走したのはこちらも過去3年でナムラクレセントのみという事実からも類推することは可能です。そしてこれはコース形態からくるラップの機微と考えられ、京都競馬場は3コーナーの坂で物理的なタメが生じることに対し、阪神競馬場はむしろ3コーナーから下りのレイアウトのためラップが加速することとなります。起伏はこの区間しかなく他は平坦で、かつ直線も内回りで短いわけですから物理的なラップの歯止め区間がなく推移していくことになります。

つまり、結論としては阪神大賞典はスタミナが問われる比重が他の長距離重賞と比べても大きいということになります。よって、長距離重賞で複数回好走しているトウカイトリックやモンテクリスエス、コスモメドウなどがここでも好走する要因となっており、ひいては天皇賞(春)で好走できない要因でもあるということとなるのです。

★今週の注目馬★
スタミナ問われる条件でやはり直近の長距離重賞は指標として成り立つ条件。となるとやはりこの馬(順位アップにご協力ください)。スタミナ問われる条件ではやはり上位で、前走・前々走はともにバイアスがきつすぎました。真っ当にスタミナのみが問われる条件なら近走でも好走しており、まだまだここでも威張れるハズ。

以上、最終的な精査を踏まえた最終結論は競馬チェックサイトにて公開していますのでお楽しみに。
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34.3-11.8-36.7=1:22.8
12.2-10.7-11.4-11.8-11.9-11.9-12.9

$競馬リアルスコープ

参考
09年:34.3-12.0-36.1=1:22.4
12.3-10.5-11.5-12.0-12.2-12.0-11.9
10年:35.0-12.1-35.7=1:22.8
12.2-11.0-11.8-12.1-11.8-12.0-11.9
11年:34.1-11.8-36.4=1:22.3*稍重
12.3-10.5-11.3-11.8-12.0-11.8-12.6

34.5-12.0-36.1
12.3-10.7-11.5-12.0-12.0-11.9-12.1

1着アイムユアーズ(◎)
2着ビウイッチアス(-)
3着プレノタート(△)

1番人気が1着、2番人気が4着と結果から見れば明暗を分けた形となったフィリーズレビュー。では、レースを振り返ってみましょう。

テンの34.3秒は過去3年との比較では09年と並んで2位タイ、平均が34.5秒とこれとの比較でも速く優秀な内容。ただ、これは10年の35.0秒が引っ張っている感もありますが、06~08年のテンは全て34.8秒ということからもむしろここ数年が速いと考えるほうが妥当でしょう。いずれにしても今年刻まれた34.3秒は過去の比較からもフィリーズレビュー水準では速いラップと言えます。

そして今年の最大のポイントが「道中に一度も12秒台が刻まれなかった」こと。たとえ09年、11年と今年並みにテンが速かった年であってもどこかの区間には12秒台が刻まれ、わずかながらも加速が生じるラップとなっています。しかし今年は一度も12秒台が刻まれず、ラスト4Fは「11.8-11.9-11.9-12.9」と失速し続けるラップ、特にラスト1Fは大きく減速しており、全馬がバテている極度の消耗度が問われたラップであったことが看破できます。つまり、バテている中を相対的に粘る、もしくは差すという資質が問われた形となりました。そして、結果的に1200mに近いラップとなりました。
このように考えると1200m、かつ直線に急坂のある中山競馬場で(1.1.1.0)と抜群の成績を残していたビウイッチアスが2着と好走したことにも納得がいきます。

今回、1番人気のアイムユアーズが1着、そして2番人気のイチオクノホシが4着。この2頭はどちらも阪神JF好走、芝1400m勝ちという履歴を持っていました。ではその2頭の1400m戦でのラップを明記してみましょう。

アイムユアーズ:ファンタジーステークス
34.1-11.8-35.4(12.3-10.6-11.2-11.8-11.8-11.6-12.0)

イチオクノホシ:サフラン賞
35.7-12.3-34.4(12.5-11.3-11.9-12.3-11.4-11.5-11.5)

こうしてみると一目瞭然。アイムユアーズは前傾ラップで一貫した持続力が問われたレース、イチオクノホシは後傾ラップで瞬発力が問われたレースであったことがわかります。そして、展望でも書いたようにフィリーズレビューでは中盤からの持続力が重要であるため競馬チェックコラムでは◎をアイムユアーズとし、イチオクノホシは消しという明確な位置づけをしました。というか、毎年この手の瞬発力タイプが人気で敗戦することも展望で言及していましたね。こういった単純な2頭の表面上の履歴だけを評価せず、どのようなラップを踏んでの結果なのかを精査することが重要かつ有用であると個人的には考えています。

では最後に、このラップが本番の桜花賞につながるのか。阪神競馬場の改修以後、このフィリーズレビューから馬券対象となったのはレジネッタのみとなっています。そして、レジネッタが勝利した08年桜花賞のラップがこちら。
08年:12.4-10.9-11.3-11.8-12.1-11.7-11.6-12.6
平均:12.4-11.0-11.7-12.0-11.8-11.4-11.6-12.0

*平均は過去3年

桜花賞は阪神外回りで行われることから毎年ラスト3Fで11秒台前半のラップが刻まれる高い瞬発力問われるレースとなっています。ところが、この08年だけは前半のラップが速く脚を溜める区間がなく、結果的に瞬発力が問われないレースとなりました。これが、急流ラップで瞬発力問われないフィリーズレビューで好走したレジネッタが勝利することが出来た要因であり、本来フィリーズレビュー組が敗戦する要因でもあります。

では、今回はこのあたりで。