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34.5-35.8=1:10.3
12.2-10.6-11.7-11.6-11.7-12.5

1着カレンチャン(○)
2着サンカルロ(注)
3着ロードカナロア(▲)

中京競馬場改修後として初のG1高松宮記念が終わりました。では、早速振り返っていきましょう。

まず、高松宮記念は改修後初めてということなので過去の比較が出来ません。ですので、改修後の中京競馬場で行われた芝1200mの全レースを明記し、ここから比較・考察していきましょう。

【中京競馬場芝1200mラップ】

3/4中京12R:パノラマビューカップ(1000万下)
34.6-35.8(12.0-10.9-11.7-12.2-11.4-12.2)
3/10中京12R:刈谷特別(500万下)
34.7-36.3(12.2-10.9-11.6-11.9-12.1-12.3)
3/11中京5R:3歳未勝利
35.2-36.3(12.5-10.8-11.9-12.0-12.1-12.2)
3/17中京9R:4歳上500万下
34.7-37.3(12.3-10.8-11.6-12.2-12.2-12.9)
3/18中京4R:3歳未勝利
35.2-37.6(12.5-11.0-11.7-12.4-12.4-12.8)
3/18中京10R:はなのき賞
34.9-36.4(12.3-11.1-11.5-11.9-12.0-12.5)

当該週
3/25中京9R:三河特別(1000万下)
34.5-36.4(12.0-10.7-11.8-12.0-12.0-12.4)

まず今年の高松宮記念はテンが34.5秒、これは同週の1000万下条件であった三河特別と同じ水準。500万下条件で行われた3月10日の刈谷特別、3月17日の4歳上500万下とも0.2秒しか変わらないというラップとなっています。特に3月17日の4歳上500万下戦は重馬場での開催であったことも考えると高松宮記念の前半の緩さがわかるかと思います。当然、テンが緩いということは上がりが速くなるという算段。実際、高松宮記念の35.8秒は開幕週の絶好馬場であったパノラマビューカップと同じ水準となっています。

G1でこのテンの緩さは資質もさることながら、それ以上に展開利が見込めるラップであったと看取できます。実際、掲示板5頭のうちサンカルロ以外は4角5番手以内という偏りが見られます。まあ唯一着外となったのは逃げて17着のエーシンダックマンとなりますが、このあたりは一貫ラップでスピードを活かせないと勝ち負けできないという資質からくるものなので理解できます。勝ったカレンチャンにとっては急流+急坂の中山競馬場で先行してと真っ当に底力問われる条件でG1を勝利しているわけですから、この流れは非常にヌルかったと言わざるを得ません。

そしてもう1点。テンが緩いということは上がりで加速が生じる可能性がある、ということも同時に導くことが出来ます。こうなると底力以上に加速力という別の資質が問われることになり付け入る隙が見出せることになります。特に中京競馬場はコーナー半径がキツく4コーナーでの遠心力でラップが弛むことが規定できる条件ではあったのですが(実際パノラマビューカップはそのようなラップデザインとなっていました)、結果はそうなりませんでした。このあたりは予想文でダラダラと(汗)書いているので文末に掲載させていただきます。よろしければご覧になってください。ここでは回顧ということなのでそうならなかった要因を精査していきます。

個人的に、中京競馬場が改修されて最初の週の印象は「新潟競馬場(特に内回り)」にコース形態が似ているというものでした。具体的に言うと、コーナー半径の急さ(特に4コーナー)からくる遠心力でそのハロンでラップが弛み、次のハロンで加速が生じるため瞬発力が問われるというものです。実際、パノラマビューカップはそのようなラップとなっていますし、特にダート戦ではラップに加えてコーナーの急さから直線長くても結局息が入ることから先行した馬が残るという新潟競馬場と同じ明確な傾向が出ていました。

ただし、ここで新潟競馬場と中京競馬場のコース形態の違いが影響します。新潟競馬場は一貫して平坦という起伏に対して、中京競馬場は「向正面は上り、3・4コーナーは下り」という明らかな起伏の差が存在します。つまり、起伏が与えるラップの機微が無くスピードの上げ下げは競走馬(騎手)自身の意識とコーナーの遠心力しか存在しない新潟競馬場と、3・4コーナーの下りで物理的なスピードアップが図られる中京競馬場ではポイントが違うということになります。

結局、ラップが規定される要素の少ない新潟競馬場はその分コーナーの遠心力の比重が高くなり、一方で新潟競馬場に比べて起伏という追加要素がある中京競馬場では起伏部分が与える影響を加味する必要があります。そう考えると、下記に示したクラス毎のラップ推移が新潟競馬場では特に500万→1000万において上がりに明確な差が出るのに対して、中京競馬場では上がりに大きな差は見られずテンが速くなることが説明できます。よって、ここからもポイントはコーナーの急さより下りの起伏ということが看破され、つまりは「前傾度が増す=ラストは失速ラップを刻む」という図式が成り立つことになります。そして、失速ラップになるということは格がものをいうことになり、このラップでG1で好走経験のある2頭がワンツーを決めたことは整合性が取れます。

【クラス別の新潟競馬場の過去3年平均ラップ(左)と中京競馬場の全ラップ(右)】

未勝利
34.2-35.7:35.2-36.3、35.2-37.6
500万
33.9-35.4:34.7-36.3、34.7-37.3、34.9-36.4
1000万
33.7-34.8:34.6-35.8、34.5-36.4

まあここを事前に感知(まあ実際には9R時点で嫌な予感はしたのですが)できなかったことは大いに反省すべき点であると同時に、今後の中京開催に向けて準備すべきポイントとなりました。といっても、まだまだ上級条件では3鞍しか行われていないので、事前の予想の可能性は捨てきれませんが…(笑)。

というわけで最後に、私が書いた予想はコチラ。

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◎15.ダッシャーゴーゴー
○10.カレンチャン
▲1.ロードカナロア
注17.サンカルロ
△12.マジンプロスパー
△14.グランプリエンゼル
△2.サンダルフォン
△13.タマモナイスプレイ

中京競馬場が新しくなって初の高松宮記念。過去の傾向が参考になりませんので過去データはなしで考察していきましょう。では、まず新中京競馬場のコース形態についておさらいしてみます。中京競馬場芝1200mは、「向正面スタートで1Fは1m上り、そこからラスト2Fまでで3m下って2m上りラスト1Fは平坦」という起伏。まずスタートの1Fが上りであること、このためコーナーまでが1.5Fと短いことからテンは比較的緩くなる傾向があります。そして、中京競馬場はスパイラルカーブを採用しているという性質上、出口となる4コーナーが急なレイアウトとなっておりこの点が非常に重要な視点。そのため、4コーナーにあたるラスト3F目で一度ラップが弛むことにつながると考えられます。では、これらを踏まえて先週までに行われた芝1200mのラップを明記したいと思います。

(中京競馬場芝1200mラップ上記であげているためは割愛します)

上記を確認すると最初のパノラマビューカップのみが「3F目緩→2F目急」という急コーナーの影響を受けたラップとなっています。ではなぜこのようになるのか。これは1200mなど短距離戦のような前半から負荷が高いレースではそもそも加速するということ自体が困難であり、特に下級条件ではラストにお釣りが残っておらず最後は流れ込むだけの状態であるということが窺えます。当然、中京競馬場は直線向いて坂もあるわけですから厳しいのは納得できます。

では、上記仮説を補足するべく同じコーナーの急さからラスト3F-2F区間で加速するラップデザインとなる新潟競馬場のラップを明記しておきましょう。

【新潟競馬場のラップ推移(過去3年平均)】

未勝利:12.1-10.7-11.4-11.6-11.8-12.3
500万:12.1-10.5-11.3-11.5-11.7-12.2
1000万:12.0-10.6-11.1-11.4-11.3-12.1
オープン:12.0-10.9-11.4-11.7-11.4-11.9

いかがでしょうか。新潟競馬場においても未勝利・500万条件では加速しておらず、1000万以上になって初めて加速が生じることが看取できます。そして中京競馬場に戻ると、唯一加速が生じているのが1000万条件のパノラマビューカップとなっており仮説の整合性が取れます。

本命はダッシャーゴーゴー。
まずは直近5走のラップをご覧ください。

【ダッシャーゴーゴーの直近5走のラップと着順】

1走前(9着):11.9-10.4-11.1-11.4-11.6-12.8
2走前(3着):12.0-10.4-11.1-12.3-11.9-12.4
3走前(11着):12.0-10.2-10.8-11.2-11.5-11.7
4走前(3着):12.2-10.6-11.3-11.3-11.0-12.1
5走前(1着):12.1-10.6-11.1-11.2-11.1-12.0

ダッシャーゴーゴーが好走している3戦は全て「3F目緩→2F目急」というラップ。そして敗戦した2戦は失速していくラップとなっています。これはダッシャーゴーゴーの資質を表す指針として機能し、例えば降着となったG1の2戦もラップを紐解くと2着→4着の10年スプリンターズステークスは加速が生じており、4着→11着の11年高松宮記念は失速するラップと同じ降着でも入線した着順から資質を看破することは可能です。また、今年は失速ラップで敗戦したものの昨年勝利したオーシャンステークスも加速ラップとなっていました。つまり、ダッシャーゴーゴーは短距離馬としては異質な加速力という資質を備えていることがわかります。
また、2走前の3着は大井競馬場で行われたJBCスプリント。大井競馬場はダート戦としては直線部分が長く左右対称な形状をしているというレイアウトで、これは言い換えればコーナー半径が急であるということになります。実際、JBCスプリントでは「3F目緩→2F目急」というラップデザインとなり好走しています。そもそも、大井競馬場で行われる3歳ダート戦のジャパンダートダービーの好走馬が毎年新潟競馬場で行われるレパードステークスで好走しているということを考えると、大井競馬場と新潟競馬場の適性がリンクすることはむしろ道理と言えます。
以上から、中京競馬場のラップについての仮説を立て、それに伴う中京競馬場と新潟競馬場のラップの関係について説明しました。実際に新潟競馬場で(1.1.0.0)であったローレルエナジーが先週9番人気ながら3着に好走していることからも適性が窺えます。そして、新潟競馬場と大井競馬場の適性がリンクすることについても触れ、ここからJBCスプリントで好走したダッシャーゴーゴーが中京競馬場で好走する下地があることも逆説的に証明しています。要はダッシャーゴーゴーにとっては加速が入るかどうかが重要なポイントであり、今回は上記考察から導かれた結論として狙う価値は十分あると言えます。

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では、本日はこのあたりで失礼します。