ミュージカル「十二国記」博多座公演 初日
小野不由美原作の「十二国記」がついにミュージカル化!原作は10年ほど前に読了。各国の主従がそれぞれ魅力的な作品だが、漢前の景王と言葉足らずで不器用な景台補が個人的には一押し。誰が演ずるのか一抹の不安があったが、柚香光と聞いて納得。景麒も相葉裕樹とは。これは、原作ファン、宝塚ファン、ミュージカルファンによるチケット争奪戦になるな…と覚悟しながら掴み取った初日のチケット!観劇してきました。壮大な作品をどう表現するのか楽しみで、なるべく情報は入れないようにしていたので、ほぼ初見。(楽俊の可愛い姿はそれぞれの役者さんのXで流れてきてたけれど)物語は陽子が異世界のなかで混乱しながら自分自身と向き合っていくさまを追体験する感じ。そのため、信じては裏切られる一幕は辛い場面が多い。蒼猿と対峙し、弱さを認め、自分の責務と向き合っていく姿に力をもらえる舞台。中島陽子役の加藤梨里香。周りの顔色を伺ってばかりの日本の陽子と、虚海を渡ったあとは心の声を綺麗な伸びのあるソプラノで表現。景王ヨウコは柚香光。今回2人で演じたことで、顔が変わるという原作の設定がすとんと腑に落ちた。苦悩の一幕目は観ていて辛いが、二幕目は延王との大立ち回りあり、戦装束ありで、見せ場満載。大変美しい景王。景麒は相葉裕樹。学校に現れた立ち姿に感動。「許すとおっしゃい」がまさか歌になるとは笑。あまり景麒としての見せ場がなくてもったいないけれど、歌声も好きなので相葉さんに具現化していただけただけでも満足。楽俊は今回は牧島輝。尻尾は本体についてるのか笑。前傾姿勢になりながらの演技、しかもパペット操作ありは大変だろうけれど、愛嬌たっぷりの楽俊を好演。スキップするような軽やかな足取りがかわいい。延王尚隆は章平。ヨウコと並んだ時のガタイのよさが武王としての延王らしくていい。ヨウコの背中をそっと押したり、亡くなったジョエイの瞼を閉じたり懐の深い尚隆らしかったけれど、初日ということもあったのか少し歌が不安定に感じた。延麒を砂田理子。もう、登場から延麒。ちょっと小生意気な感じといい、颯爽とかけていく姿といい、尚隆にちょっかい出すとこといい、文句なしに六太だった。声かわいい。 今回1番楽しみだったのが、蒼猿の玉城裕規。ヨウコの見る幻影を囁くように、嘲笑うように怪演。体重を感じさせないあの動きはなんなんだろう。すごかった。項王も演じていたが、全く別物でこれまたすごかった。そして今回気になったのがジョエイ役原田真絢。伸びのあるパワフルな歌声で、「間違いだった。私が王だ!」と歌い上げる。なんで偽王になったんだろうと思っていたけれど、この考えならそうなるかもなぁと思わず納得させられる迫力があった。カーテンコールは新年のご挨拶。柚香光さんが思わず「博多座さんんっ」と噛んで、演者さんも観客も思わず場が和んだところで、後ろを振り返って「お父さん!」と詰め寄る微笑ましい場面があった。2度目は柚香景王は牧楽俊と手を繋いで登場。その後楽団の演奏があり、舞台に景王陽子のイラストが映し出された後、同じ真っ白な衣装に着替えた柚香景王が登場。くるりと回ると歓声が上がった。さらにもう一度くるりと回ってご退場。美しかった。ファンタジーな舞台は壮大な世界をどう見せるかが見もの。この舞台では、幕を簾のようなものにすることで、どこからも出入りが可能になるため、蒼猿の神出鬼没な演出や、妖魔の出現に効果的だったように思う。また、紗幕のような効果もあるので、幻想的なシーンにも適していた。また、妖獣や妖魔も、変にリアルなものにするのではなく、切り絵(影絵)や記号としてのパペットで表現。これは舞台ならではの演出だなぁと思う。逆に楽俊はとても精巧で生き生きしていた。この対比もいい。演出はミュージカルを多く手がけている山田和也。脚本・歌詞は元吉庸泰。博多座では11日まで。最終日には配信もあるそう。追加2階ロビーの客席の反対側に水禺刀の展示があったけれど、あまり人がいなかったのでもったいない。(特に案内もないので注意)ちなみにグッズは大盛況で、開演30分前は最後尾が3階席まで伸びていた。幕間、終演後でもグッズは購入可能だけれど、幕間に並んでも碧双珠チャームは入荷待ち、ステッカーセットは完売だった。プログラムのみなら劇場入り口のエントランスでも購入可能とのことだった。せっかくなので、楽俊スカーフをいただいて帰りました。1階ロビーの奥にグッズ見本の展示あり。シアターベアの衣装販売あるけれど、衣装担当の中原さん作のヨウコのボロボロになった衣装をシアターベアで再現したものも展示されてるのでぜひ観ていただきたいなぁ。