映画探偵室 -2009ページ目

映画内映画(2)

誰も解答を寄せてくれないので(しょぼん)タクシー・ドライバーでの答えを書きます。

答え「性教育映画」

不眠症で夜寝なくても平気なため昼夜の2シフトをこなす主人公は,並みの

偏執者ではないことがここにも現れています。いつものように売店でポップコーンのような

スナックを買って,大統領候補の選挙事務所で目をつけた女性と最初のデートに

このような映画を選ぶなんて。彼の頭には通常の意味の性的偏執は皆無なのです。

 それにつけても,(トリビアな話題ですが),大統領のSPのなんとデカくてたくましいこと。

小柄な自分は「決してアメリカ人とはケンカしてはならない」と思い知らされたものです。

 この映画のクライマックスの暴力性はサムペキンパーに匹敵しますね。スコセッシも

(そして彼の一番のお気に入りのデ・ニーロも)暴力を通して世界を見る立場をとっています。

誰も観たことのない映画(3)

迷走と連想が錯綜しているので最初の「汽車を見送る男」に戻ります。

この英語版は原作者も主人公も単なる変わり者として捉え,サスペンス仕立てにしたというだけの

まことにお粗末なできになっています。唯一の救いは主人公のポピンファを演じたのが「カサブランカ」で

いかがわしい警察署長を演じたクロードレインズであり,主人公があるいは本気で好きになっていたのかも知れない娼婦をアヌークエーメ(「男と女」を思い出してください)が演じたことぐらい。ですからこの物語のヤマとなる部分(いずれ書きます)も最後に主人公がいう言葉「真相なんて,ありゃしませんよね,ドクター」も使われていません。なお主人公の告白の中に実在した事件が引用されており,それが後のチャップリンの「ムッシューベルドゥー」(殺人狂時代)に繋がっています。このベルドゥーさんの台詞もすごいですね。「私の殺人なんてほんのアマチュアですよ。あの人に比べれば...」あなたには「あの人」が誰だか分かりますか?


映画内映画(1)

ロミーシュナイダーからの連想で,観たくても観れない映画にこんな分類もアリかなと思いつきました。

ロミーシュナイダー->フィリップノワレ->ロベールアンリコ->リノバンチュラ(さて)何の映画でしょう?

正解:「ラムの大通り」 勇者であることを夢見る男たちがふと立ち入った映画館で,スクリーン内の囚われの美女ブリジットバルドーに出会い,自分たちが彼女を救い出すという夢を見る...他愛の無い男の夢を語りながら,どこか哀しい映画内映画を使った映画。カリブの海の青さが印象的でした。

ロミーシュナイダー->フィリップノワレの組み合わせでは忘れられない「追想」という映画がありますね。また,同じ組み合わせで「離愁」の男と女の立場を入れ替えたかのような「窓辺の女」という第二次大戦を挟んだギリシャを舞台にした映画もありました。この中ではロミーシュナイダーが母と子の二役を演じています。詳しいことは後回しにして,映画内映画として印象に残ったものをまず列挙しておきましょう:

イングマール・ベルイマン「沈黙」

マーチン・スコセッシ「タクシードライバー」

フェリーニ「8・1/2]*

ジュゼッペトルナトーレ「シネマパラダイス」

そしておそらくもっと...

ところで,次へのきっかけとして一般上映されなかったロベールアンリコの映画に「ふくろうの河」という短編傑作があることを言わなければ片手おちでしょう。その話はいずれ...