映画探偵室 -11ページ目

江戸風物誌じゃなくて、エド・マクベイン原作の『87分署シリーズ』(改の改の改★)

は、日本では舞台を東京の湾岸地区に舞台を移し、火曜サスペンス劇場「わが町シリーズ」としてテレビドラマ化されました。主演に渡辺謙を迎え、重要な脇役陣をベテランが固め、各回ごとにゲストスターを配し、原作の(一見)ドライなハードボイルドとは一味違う人情刑事物語として後世に残る傑作となりました。ここに原作と翻案の対比をリスト化しておきます。
火サス放送日  シリーズ番号(わが町#)タイトル  サブタイトル
1992年10月13日 #1「殺意の楔」警察爆破を狙う逆恨みの女の狂気と執念
原題: Killer's Wedge
  
米国初版 
米国TVシリーズではS01E02、Lady in Waitingに該当。ここに貼り付けたYoutube動画はピクチャー・イン・ピクチャーモード。フル動画は現在Amazon Primeにてのみ視聴可能。

火サス版では、この逆恨み女を根岸季衣が演じた。Youtube上には本火サス版の動画は(著作権の関係で)無い。

なお、米国TVシリーズの初回(S01E01)のサブタイトルは「The Floater」で火サス版への直接反映は無いがキャレラ刑事が聾唖の妻を囮に使うという設定は別タイトルの挿話に生かされている。右下が「The Floater(水死体)」のカバー画像。
mail.ru: 87th Precinct - The Floater (Pilot Episode)、 1961
87th Precinct - The Floater (Pilot Episode)

Wikipedia: ☆わが町 (テレビドラマ)
• 原作の映像化権の多くが『刑事コロンボ』(の製作者)に押さえられているため、映像化できるエピソードの選出には苦労しているとの事である[8]。
• 劇中で花火大会をバックにしたシーンが登場したことがあり、その映像を観たマクベインから「こんなにお金を使って撮れるなら、もっとロイヤリティを払ってくれればいいのに」と冗談めかして言われたが、実はそのシーンは撮影期間中に実際の花火大会が開催されることを利用してゲリラ撮影されたものであった。
• 第一作時の西月島署「刑事課」のセットは東映東京撮影所内にあった「はぐれ刑事純情派」(東映・テレビ朝日作品)の山手中央署「刑事課」のセットを流用し、小道具等の装飾を変えて撮影されているが、第二作目以降は外部ロケによる撮影。事ほど左様に87分署シリーズは日米とも「切り詰め予算」で製作されたのだった(悲しい)
    

1993年5月4日 #2「殺しの報酬」殺人容疑の女と中年刑事の禁じられた恋
Killer's Payoff   
 
相田という中年男が猟銃で頭を撃ち自殺した。遺書はない。刑事の吾郎(渡辺謙)は同僚の鳴海(蟹江敬三)と相田の愛人・美佳(美保純)に会う。相田とはホステス時代に知り合い、ミュージカルに出たいという夢を聞き「金を出してやるから夢を捨てるな」と言ってくれたと話す。鳴海は吾郎に美佳が初恋の女に似ているという。相田と取引のあった高野を捕まえ、相田が恐喝屋だったと分かる。
★ Daily Motion


10月12日 #3「たか子を殺す」警察に届いた不敵な挑戦状
原題:「レディ・キラー」(The Lady Killer)
Daily Motion


1994年3月22日 #4 悪女? 愛人? 聖女? 殺された女の本当の顔 「被害者の顔」
原題はKiller's Choice


★ 10月4日 #5 勝てば天国負ければ地獄! 幼児誘拐犯VS刑事達 「キングの身代金」
米国TVシリーズS01E05「キングの身代金」(King's Ransom)はあまりにも有名につき割愛。黒澤明の「天国と地獄」は原作を遥かに超えていた

1995年10月31日 #6 命を粗末にする超ムカつく若者たちの理由なき犯罪 「たとえば、愛」
原題はLike Love 
 
ー A classic 87th Precinct novel from "the undisputed master" (The Mirror).
A young girl jumps to her death. A salesman gets blown apart. Two semi-naked bodies are found dead on a bed with all the hallmarks of a love pact... Spring really was here for the 87th Precinct. Steve Carella and Cotton Hawes thought the double suicide stank of homicide, but they just couldn't get a break. Fortunately Hawes has something else going on in his life at the moment - something like love.
 ハーブ河の上に春の微風が吹きはじめて間もない頃、アイソラの街に時ならぬ爆発音が鳴り響いた。現場に急行したコットン・ホースが目にしたもの、それはベッドに横たわる一組の男女の裸の死体だった。遺書もあったし、第三者がいた形跡もなかった。明らかに、覚悟の心中と思われたのだが……
注:わが町シリーズの動画と87分署シリーズの動画はいずれも現在入手不能です。残念!!

1996年10月22日 #7 日本語 学校の教師、風俗の女、恐喝者 ― 爆殺された刑事の恋人は複数の顔を持つ女 「クレアが死んでいる」
原題:Lady, lady I did it!   


1997年4月1日 VIII OLバラバラ殺人事件、孤独な現代人のSOSが聞こえる 「大いなる手がかり」
原題:Give the boys a great big hand
ok.ru: 87th Precinct S01E17 Give the Boys a Great Big Hand(ピクチャー・イン・ピクチャー)
再掲:わが町 VIII
9TSU サスペンス名作選「わが町VIII」 9TSU サスペンス名作選「わが町VIII」

1998年3月17日 #9「死が二人を」
結婚祝いで届いた毒グモは8年前に急死した男からの贈り物
原題:'TIL DEATH
 TV版では毒グモではなく薬物が使われている。
9TSU サスペンス名作選「わが町IX」

10月14日 妻殺しをたくらむ夫の眼前で妻がレイプ― X 殺しの報酬(注)
大都会の闇にうごめく悪の連鎖
原題:サディーが死んだとき

注:邦題の「殺意の報酬」は87分署シリーズの同タイトル(Killer's PayOff)とは異なる。こちらは#2の原作(館長)。
9TSU サスペンス名作選「わが町X」

まだ改は続くかい?
はい、お気に入りの女優さんの情報をば...
時に作者のエド・マクベインとは?
Ed Mcbain アメリカのミステリー作家。本名はエヴァン・ハンターといい、1952年のデビュー以来、本名をはじめハント・コリンズ、リチャード・マーステン、カート・キャノン、そしてエド・マクベインといった多数のペンネームを用い、ミステリーだけでなくSFや普通小説、ラジオ・ドラマから児童書まで、多種多様なジャンルの作品を発表しました。
 ニューヨークのマンハッタンに生まれ、高校を卒業の後海軍に入隊、第二次世界大戦後は除隊して大学に入学し、その後教師など幾つかの職業を経て出版代理店に勤務するようになります。
 1950年頃から作家を志し始めるようになり、教師をしながら〈マンハント〉などのパルプ・マガジンにたくさんの小説を寄稿し、1952年には初めての長編「The Evil Sleep !」を発表して長編デビューも飾ります。
 そして1954年に長年の教師経験をもとにエヴァン・ハンター名義で長編「暴力教室」を発表しますが、高校生の非行をリアルな筆致で描いたこの作品はたちまち大評判となり映画化もされ、一躍人気作家の仲間入りを果たします。
第7話でロック歌手「日高」を演じた女優さん
Wikipedia: 椎名亜衣
第8話で城北工業大学研究員を演じた久野真紀子さん
    
Wikipedia: 久野真紀子(クノ真季子)

異常で以上でこの項を終ります(館長。

酷暑か熱波か? エド・マクベイン原作『87分署シリーズ ー 熱波』

本エピソードは渡辺謙が主役のキャレラ刑事を演じた日本版「87分署シリーズ」である火曜サスペンス劇場『わが町』でも取り上げられました。
 異常な熱波襲来の中、鎮静剤を飲んでアパートで死んでいた男は、なぜ部屋のエアコンのスイッチを切っていたのか? キャレラの胸に芽ばえた小さな疑問は、明らかに自殺と思える事件に波紋を投げかけた。一方、相棒のクリングは妻に浮気の疑いを抱き、ひそかに彼女の行動を監視し始めたが……
     

Ed Mcbains 87th Precinct : Heatwave 1997 Dale Midkiff Erika Eleniak Michael Gross(英語字幕入り)


詳細は涼しくなってからネ(探偵汗まみれ)。

この酷暑の上に宇宙人まで東京に現れたら... 大映特撮映画『宇宙人東京に現わる』

暑くるしいどころの騒ぎではありませんね。
       
    
       
  岡本太郎がデザインした宇宙人・パイラ人の、その奇抜なフォルムで知られる特撮映画だが、宇宙人が大規模災害を警告しに地球に到来するという、たいそう真面目なメッセージ性を内包した作品である。
世界各地に飛来したUFO。東京にもヒトデ型の宇宙人・パイラ人が姿を見せる。侵略者と思われたパイラ人だが、彼らの目的は、死の惑星“R”の地球接近によるカタストロフを警告することであった。なかなか自分たちを受け入れない地球人のために、パイラ人は日本人の美人ダンサーへと姿を変え、地球最後の日到来への警鐘を鳴らす。
パイラ人同士の会話が字幕で処理されており、その美醜感覚の相異について議論を交わすあたりの描写はユニーク。また的場徹による都市崩壊特撮映像も迫力がある。この作品を珍品と揶揄するのはたやすいが、その真摯なメッセージ性と作り手の誠実な作品作りへの姿勢を、まずは受け止めてもらいたいものである。(斉藤守彦)

ok.ru: Warning From Space (宇宙からの警告)

本作品の評価は国内でより海外のほうが高いかもしれない。少年探偵が夏休みに東北のある県の県庁所在地で姉と観た懐かしのホラー映画(注)。今クレジットを見返してみて、あの「暑くるしい色彩のデザイン」が岡本太郎によるものだと知った。
 ところで姿を変えた宇宙人を演じた苅田とよみさんとは
何者??? 
☆ アメブロ:Kiryu Rotaroと申す
草創期のプロ野球界 苅田久徳の娘
草創期のプロ野球界 苅田久徳の娘

注:ちなみに併映は『怪猫夜哭き沼』だった。一気に冷えた。しかし、探偵は暑さのあまり頭がおかしくなることをノーテン・パイランと言うのだと確信したのであった(汗。