絵に描いたような毒親だった母が、毒親らしい死に方をしてからはや10年が経とうとしてるわぁ。
早いわねぇ。
あの時はちょうどあたいの癌が発覚してヨボついてた時よ。
棺に向かって最後の最後までモヤモヤさせやがってクソババア!と悪態つきながら、
自分が悲しくて泣いてるのか悔しくて泣いてるのかよくわからなかった。
実は今もよくわからないままよ。
わかっているのは「彼女にならないために努力する」こと。
毎日子育てする中「決してあなたにはなりません」と仏壇に手を合わせているわ。チーン。
でね、母が死んですぐ、継父の両親が立て続けに亡くなったの。
血の繋がりはないけれどあたいの祖父母ね。
紳士服の仕立て屋をしていた祖父と和裁の先生をしていた祖母の家は街にあり、それは継父が建てたものだったわ。
継父はボロくて田舎で不便な、母と暮らした家から街の家に引っ越したいと言ってきたわけ。
しかしこの祖父母の家もかなり老朽化が進んでいて、住むにはお直しが必要。
リフォームするのも建て直すのも金額がそんなに変わらん感じ。
ならば建て直す?どうせ建て直すなら、やりたかった雑貨屋店舗併設しちゃっていい?
そんで自分たちの家売って統合しちゃう?
どうせ将来的に継父の面倒見なきゃなんでしょ?
ということで、家建てて店やって継父と同居するという流れになったの。
祖父母の家のキッチンにあった照明は店の照明として連れてきたわ。
奥の照明は前のあたいんちの作業場のやつ。かわいい。
10年暮らしたマイホームの思い出…。
二重サッシにしたにもかかわらず、目を覚ますといつのまにか恋人のように添い寝してるカメムシ。
そして目に見えないカメムシ専用ドアから吹き込む冷たい風。
壁から聖水のように滲み出てくる謎の雨漏り。
毎日のように回ってくる「クマが出た」の回覧板。
町内会の無駄な酒飲み行事のために行きもしないのに支払わなければならないバカ高い町内会費。(月3500円だぜ!)
どんな出前も圏外。
行きはよいよい帰りはこわい坂道を学生達はチャリの立ち漕ぎで帰宅。
紅葉の時期は暴走オヤジ族が蔵王のお釜を目指してひっきりなしにバイクを走らせ、
麓のスーパー目指して車を出せば飢えた狸が勢いよく飛び出してくるデンジャラスロード…。
それでもね、初めて自分たちで買った家、本当に愛していたわ!(カメムシに投げキッスしつつ)
てかさあ、高機密高断熱住宅はじめて住んだけどいいね。
ちょーあったけぇでやんの!わっはっは!
と言うわけで、今とても快適です。
せっかく作った店舗の方は、引っ越しに手間取っているうちにコロナがきちゃってねぇ。(ちなみにまだ引っ越し終わってねぇし)
こんなご時世に焦って営業しはじめても仕方ないから今は相変わらずネットショップのみ営業しております。
こちら、店のキッチン。はやくここでクリームソーダ作りたいぜ。ま、なんとかなるさぁ〜。
しかし同居ってなかなかに大変ね。うふふ。
あたいは嫁としての同居じゃないから、継父とは言え娘としてブヒブヒ文句いえるけどさ、
旦那様のご両親と同居してるお嫁様、本っっっっっ当に尊敬するわ。
自分のストレスにならないよう、うまく距離を模索しながら生活してかなきゃだわね。
おっ、やっとねぼすけおチビがご起床だ。