同様(どうよう) | 二文字熟語

二文字熟語

漢字の中には、その文字を超越した深い意味思いが込められていることが多くあります。日頃何気なく読んでいる数々の言葉の中に、脈々と流れている日本精神を読みとろうと努めてみませんか。とても、興味深い事実に気がつくはずです。

スタミナ(ピグライフ)なげわ
 今日の言葉は、同様(どうよう)です。

 今朝の日経朝刊2011.6.28のコラム「大機小機」に興味深い事が書かれていました。次のような事です。寺田寅彦が、「津波と人間」などの著作で示した「災害は忘れた頃にやってくる」という教訓を思い出す。寺田は、1933年3月に三陸地方を襲った大津波の甚大な被害を目にして、37年前の三陸大津波を引き合いに、同様の現象が三陸で過去何度も繰り返されていることを指摘している。注目すべきは、寺田寅彦が、これを天災ではなく、人災だと言った点にある。今回の原発事故でも、チェルノブイリやスリーマイル島を見ていたのに、日本の技術を過信していた・・と。今回の東北大震災による津波被害等は、実は、過去、同様の事を何度も経験している中で、また”同様”に被災をしてしまった、ある種の人災であるということです。
(注:寺田寅彦=1878年(明治11年)11月28日 - 1935年(昭和10年)12月31日)は、戦前の日本の物理学者、随筆家、俳人であり吉村冬彦の筆名もある。高知県出身(出生地は東京市)。)

 同様(どうよう)という言葉です。同(どう)とは、別のものではない、一つのものである、事を共にする、等の意味があります。また、様(よう)は、かたち、ありさま、きまった形、型等の意味があります。同様(どうよう)とは、おなじような定型的な様子を表しています。この意味から、フッと、”歴史は繰り返す”という言葉を思い浮かべました。まだ、”二度あることは、三度ある”等の言葉も。

えへはーと
 私達人間は、自然に対して謙虚でなければならないのでしょう。先程のコラムで、行動経済学では、目先の欲望は強く、遠い将来の欲望は過度に薄まるため、目先の最適な行動が、将来の後悔を生むことを説明している。時間の経過とともに、災害直後の危険意識が薄れていく怖さ。この悲劇は、人災であるといった寺田寅彦の言葉を、将来にわたって忘れてはならない。