

今日は、人徳(じんとく)という言葉です。
人に備わっている徳(とく)とは、いったいなんでしょうか?人から慕われる、他人に対する暖かな思いが自然にわき出てくる、その人が側にいるだけでその座が和やかになる・・等、徳を備えている人がいるだけで、その場の雰囲気が変わってくる。逆に、徳(とく)がない人、人から好かれない、他人に対して冷たい視線を投げ続ける、その人が側にいるだけで座が暗くなる・・等、徳を備えていない人がいるだけで、その場の雰囲気が悪くなってくる。徳が備わっている人、徳が備わっていない人、そんな事を、誰かに感じたことありませんか。
さて、人徳(じんとく)です。ここでは、徳(とく)という文字の意味を考えてみます。それは、身に付いた品性、正義に従う人格的能力、広く他に影響を及ぼす望ましい態度などの意味があります。この文字についている”ぎょうにんべん”は、「徳」「往」「御」など、人が行うべき道に関する字を表しています。人徳(じんとく)は、”にんとく”とも読みますので、仏教の根本理念であり、思いやりや慈しみを意味する仁(じん)の文字を想起させます。


徳(とく)というものは、天性のものなのか、人生経験を通じて培われてくるものなのか。恐らく、どちらにも当てはまるものなのでしょう。生まれ落ちた瞬間から、まばゆいばかりのオーラを放ち聖人としての徳を備えている人もいれば、人生の様々な経験で人格を磨き、徳(とく)を身につけてきた人もいることでしょう。年を重ねるほどに、徳を積む。そんな人生であるべきですし、そうありたい。