またまた日経新聞の記事で申し訳ありません。
今日(6月16日)のゼミナール欄に、ミドルのキャリア形成に関する記事があります。
ミドルのマネジャーに期待する職務が多様化して業務が集中し、負荷が高まっている事実がある。例えば部下のメンタルヘルスやコンプライアンス(法令順守)への対応が新たに求められている。
との記述があります。
これはまさしくその通りです。現在のミドルマネジメント、中間管理職の課される様々な事項は、本人のストレスを高める要因となっているように思われます。
しかし、これには実は、大きな事実の誤認があります。
なぜこれらの事項が課させているのか。この点が深く言及されていません。
部下のメンタルヘルスの課題は、業務上のプレッシャーから、精神疾患や心理的不調に陥る社員が増えた。
その対応を管理監督者である管理職が担わなければならなくなったから。
これはよくわかる図式です。
では、なぜ企業は管理職向けのメンタル研修をやるのか。
その対応策をしっかりと身につけることで、不調の発生や、不調が強くなるのを事前に防ぐ為です。また本人がやるべきことは本人がやる(セルフケア)、ということを明確にし、個人と企業の分担をはっきりさせることです。
管理職には、単に義務だけが課されている訳ではありません。
管理職の業務遂行の拠り所となる労務関連法令、就業規則、社内の専門組織の支援、外部機関の支援等、様々なバックアップがあります。
このような事態を引き起こした原因を解明するプログラム、その環境を改善するプログラムもあります。
現在の状況は、メンタルヘルスやコンプライアンスの面からは大きな問題があっても、これから改善することで将来は楽になっていくものです。
ここでもうひとつのポイントが研修です。
上記の管理職向けメンタルヘルス研修。ここで未だに、大うつ病のみを対象とした内容となっていたり、現代型うつを学会でもまだ議論が収まっていないという「逃げ」の一言で片付けていないか。
しっかりと現代型「うつ」や、パーソナリティに偏りのある人達、未成熟な人達への対応が検討されているか。
これがなかったら、管理監督者は、ウルトラマンで出てくる宇宙人相手に突っ込んで行く警察隊と同じです。宇宙人相手には科学特捜隊のようなかなり進んだ機能、スキル、ツールが必要なのに、正義感と義務感と間違った組織の判断から、市民を守る為、社会を守る為に最前線に立ち、立ち向かわなければならない。
科学特捜隊のようなチームでも自力では対応が難しく最後には、外部の力を借りないといけないのに。(ウルトラマン:ここでは医療)
現代型「うつ」は学会で確定していないから、自殺は「うつ病」だからと、必要な知識・対応手段も教えずにいるのがとても怖いところです。
ウルトラマンでは、宇宙人が相手ですから人権等考えなくていいですが、企業では、相手は社員です。社員には当然様々な権利や義務があります。ウルトラマンや科学特捜隊以上に慎重かつ丁寧な対応が必要です。
管理職の皆さんの貴重なお時間をいただきながら、従来型の研修を提供していないでしょうか。
逆にしっかりと組織や、就業規則(これは休職規程よりも服務の基本原則です)を縦横無尽に活用してメンタル対策のやり方を習得する研修こそが役立つ研修です。