4月1日
今朝の地下鉄高田馬場駅は、新入社員の皆さんと早稲田大学の入学式に出席する人達のお陰で、普段よりもかなり混んでいました。
入学、就職、転職、転勤等で新しい生活が始まる皆様、これからの更なるご多幸、心よりお祈りします。

さて、本当に久しぶりのブログ更新となりました。
今年に入って本当に忙しく、更新の余裕がありませんでした。このようなブログでも読んでいただいている皆様、申し訳ありませんでした。

昨日、移動中に読んでいた文芸春秋4月号にすばらしい言葉を見つけました。
「出(いず)る月を待つべし。散る花を追うことなかれ。」
江戸中期の儒学者中根東里が娘のように育てた姪のことを思い、浮かんだ言葉だそうです。

文芸春秋の新企画「新代表的日本人」の最初の登場人物として、2月号から4月号まで3回に渡って紹介された中根東里の生涯は、誰の心も打つものだと思います。
江戸時代、それ以降の時代を通じて第一の漢籍に関する知識、漢詩を詠む力を持っていた東里。室鳩巣に認められ加賀藩からも招聘されながら、それを嫌い、ひっそりと佐野や江戸、浦賀に生き、ほとんど著作を残すことなく人生を終えた東里。日本史フリークである私もこの連載を読むまで全く知りませんでした。

月と花を対比させ、それも太陽ではなく、月。
刹那的な「散る花」を好みがちな我々には、特にこの桜の時期には、ますます感慨深くなってしまう内容です。
きれいな花であっても散ってしまう。散っていく花のことをいつまでも追い続けるより、これから出てくる月を待ちなさい。つまりくよくよとせず、新しいものに目を向けなさい。といった意味かと思います。

新しいことが始まる4月1日、 皆様に贈る言葉です。



あけましておめでとうございます。

遅ればせながら御挨拶申し上げます。


今朝、妻と子供の里帰り見送りの為、羽田空港に行ったところ、第一空港ターミナル駅の改札前にすごいTVカメラの列。イチローか、ロンブーでも居るのかなと思っていたら、JALの社員の皆さんが笑顔で「ご利用ありがとうございます」と大声を出しながらカードと飴を配っていました。カードを見てびっくり。裏に社員の方のメッセージが手書きでびっしり。私と妻がいただいたカードは、システム開発担当の方からのメッセージ。文面が違ったので、一人一人がご自身の言葉で書いてくれたのだとわかりました。


私がもらったカードのメッセージ 

いつもJALをご利用いただき、ありがとうございます。

(以下手書き)

地上よりシステムの安定稼動を全力でサポートいたします。今後もJALをどうぞよろしくお願いいたします。

システム開発担当


私も地方出身の為、田舎への帰省で株主優待券を利用しようと、JALの株をいくらか持っていましたが、今回のことで我が家の家計としては甚大な損を出しながら売却したばかり。モノレールの中でもその話をしていたばかりだったのに、この風景、そしてこの文面に涙が出そうになりました。


企業の根幹は人です。社員の皆さん、それも裏方の皆さんにこのような気持がある限り、会社の復活は期待できます。特に顧客にとって不安なのは整備やバックオフィスの皆さんの士気低下。それをこんな形で、逆に安心させてくれました。


今朝のような笑顔に会いたいので、来週の青森と再来週の大阪の出張はJALを利用します!

いただいたカードも大切に持っていますね。




最近発刊されたメンタル関連の一般書としては、一番のお奨めがこの「うつ病の脳科学」(幻冬舎新書:加藤忠史先生著)です。

うつ病は脳の病気であることを前提に、議論を展開しています。

「うつ病」研究の現状、限界、なぜそうなっているのかの原因まで、様々な論文や研究を踏まえた上で明確に記され、これまでの仮説や学説の危うさ、まだまだ研究が必要な点がはっきりとわかります。精神疾患、特に「うつ病」の研究はまだまだ途上でまだまだわからないことばかり。


私の感想は一言。精神疾患もしくはそれに近い状態には、企業は絶対に一線を画する必要がある。専門医以外は現状をはっきりと認識しているとは言えず、中途半端な知識だけを持つ者が企業の中で何らかの治療行為に近いことやる自体、リスクが高くお奨めできるものではない。上司や人事、産業医は、主治医となる精神科医と連携し、就業に向けて何が必要かを明らかにし、本人がそれを乗り越えられるよう支えていくのが重要であろうと考えます。


この本は人事の方や産業保健スタッフには、うつ病を知るのに最適です。

またこの本に書かれていることを理解することなしに「うつ病」を語ること自体、かなり的外れな議論をしていることになるかもしれません。


ところで話は変わりますが、

先日、五木寛之先生の「こころの風景」という講演を拝聴する機会がありました。そこで「暗愁」という言葉を知りました。「どこからともなく訪れてくる愁い(うれい)」とのこと。人間誰もが年を経ていくうちに何らかの形で感じることがあるもの。ロシア語では「トスカ」、英語では「ブルー」、ブラジルでは「サウダージョ」、ハングル語では「恨(はん)」という言葉で表されているそうです。自分の心の中で、ハレの部分と対になっている部分。この涙や悲しみを伴うことがある部分があることも踏まえていなければ、人生の辛さも意味もわからないのでしょう。これは、上記の本と重ねて考えると、「うつ病」より前の状態を示しているのではないかと思います。

五木先生は続けます。「鬱(うつ)」という漢字自体、「鬱蒼(うっそう)とした森林」という言葉でもお分かりの通り、本来はエネルギーがあふれているという意味にもつながります。「うつ」の状態とは次に向けてエネルギー充填期間と考えられるとのこと。

これは前述の加藤先生のお話とはちょっと次元が異なる為、「うつ病」以前の状態、自己で対応できる状態ではないかと思った次第です。









今朝(9月30日)のニュース、サモア諸島での大地震(M8)にはびっくりしました。

サモアには1年住んでいたので、故郷に天災があったような気持です。


サモアはウポル島、サヴァイ島という2つの島を中心にする南太平洋の小国です。

両島とも火山がありますが、いずれも休火山。

その為、あまり地震に慣れているとはいえないと思います。


それとサモアは、南太平洋一といわれる非常にきれいなビーチロードが海岸沿いに続いています。

その風景を楽しむ為か、海にかなり近いところに集落ができています。

トイレは海に突き出した小さな小屋になっていたり。

普段はリーフが防波堤代わりになって非常に穏やかな海岸ですが、今回は高さ数メートルの津波が何度も襲った由。この高さは容易にリーフを越えて集落に押し寄せたのでしょう。


私が居た頃(1986年~7年)は、もう20年近く殺人事件のないとても平和な島でした。

今も変わっていないことと思います。そんな島での数十人、もしかしたら100人以上の命が同時に奪われたとするととても悲しいことです。


ただ今回津波に襲われたと思われる同国の南側は、そんなに人口が多くなく、それだけが不幸中の幸いなのだろうと思います。


私達が造った空港はどうだったか、心配になるのですが、その情報はありません。地震で閉鎖といった話もでていないところを見ると大丈夫なのでしょう。これこそ日本の技術ですね。


サモア人はとても親日的な人達です。

私が働いていた工事現場でも、サモア人のワーカー達は、我々の協力会社に勤務する白人にはMR.Beckerと敬意を示しておりましたが、私には「Maeda、Maeda」と親しみを示してくれていました。(彼等も業務上は私の方が白人スタッフより上の地位にあることはわかっていました。私の上司の日本人所長には当然MR.Horiと敬意を示していました。白人にはずっと植民地時代から変わらぬ気持があるようです。『だから日本人とは対等の気持で接したい。特にMaedaとは』と言われ、何かうれしくなって納得していました。)


私が居た当時から地勢的な観点から中国からの援助がかなり入っていました。今回も同じ目的で援助が為されるのでしょう。わが国からは損得勘定だけでなく、日頃の厚意のお返しができればと思います。日本赤十字社では既に検討が始まっているようですね。私も何かお返ししたいと思っています。








今日からブログも秋バージョンです。

私が昔住んだ南太平洋の島サモアの今頃の朝はこんな感じでした。


ところで

鳩山内閣の閣僚が発表になりましたね。

久しぶりの国立内閣だというのが実感です。

調べてみると、国立出身は宮澤首相まで遡ります。1993年8月9日細川政権発足以降ずっと16年にわたって私立出身の首相が続きました。この期間はまさしく失われた15年そのもの。

鳩山政権が本当に時代を変える内閣になってもらえればという思いでいっぱいです。

(こういう私自身は中学以降、全て私立ですが。)


さて我々の興味は、厚生労働大臣に就任された長妻昭氏の方針です。

いろいろと批判もありましたが、枡添大臣はかなりの長期に渡って大臣を務めました。その間に過重労働対策は進み、メンタルヘルス対策にも人事労務管理の観点を重視する道筋を作られたのは、すばらしい方向性だったと思います。

それをどちらに振っていくのか。このまま踏襲するのか、それとも後期高齢者医療制度のように全く違う方向性を出すのか。とても楽しみです。労働者側に大きく舵きりされるのもひとつの考えです。しかし現状の「現代型うつ」「新型うつ」と呼ばれる人達の存在を思い出してください。本当に苦しんでいる人達への支援より、彼等のような自己主張や声の大きな人間だけが救われ、優先される時代になりかねません。

いわゆる「悪貨が良貨を駆逐する」世界です。


本当に苦しんでいる人に更なる支援を提供し、企業にも経営改善や職場風土改善につながる対策を打ち出すには、この分野においてはこれまでの政策の方向性は間違えていないものと考えています。


今日の日本経済新聞朝刊経済教室の記事にもありました「スウェーデンの国民は働くことをまず考えている」云々をぜひとも長妻新大臣にもご理解いただければと思います。

産業分野は、あくまで「働くこと」があって成立するもの。「働くこと」を基礎においた考え方が産業分野でどこまでできるかが、重要なのです。

耳目は、年金改革や高齢者の医療制度に集まりがちですが、日本を支えている勤労者対策もぜひ関心を持ってもらいたいものです。


メンタルヘルス対策は、企業では精神疾患の治療ではありません。医療を基本的に提供しないのが企業です。

メンタルヘルス対策は企業の人材育成なのです。

将来の日本に必ずプラスになります。


長妻大臣は私立ご出身ですね。でもその前の桝添さんが国立だったから、ここはここでちょうどいいかもしれません。






最近考えるのが、就業と個人の生活の間で、どうバランスを取るのか。

ワークライフバランスは何も大きなライフイベントと重なっていない時にはゆっくりと考え、自分の生活スタイルや働く組織の状態に合わせて組み立てられるものと思います。


しかし本当にワークライフバランスを意識しなければならない時、つまり家族に大きな不幸があり、それが自分に大きくのしかってきた時。同時に自分の担当する仕事で大きなトラブルが起きた時。

就業(ワーク)と生活(ライフ)の双方から引っ張られている時に、自分ひとりだったら、どういう解決方法があるでしょうか。多くの場合、両方とも中途半端になり、グジャグジャになっていくのかもしれません。


就業規則に則る限り、どうしても仕事をしなければならない。家族を守れるのは自分だけしかいない。その時に力になってくれるのが「職場の仲間」です。職場の上司が同僚が「仲間」としてカバーしてくれる。


その「仲間」をどう持つかが、実は大きな課題です。もし日頃から職場でその人自身がギスギスした態度を取っていたら誰も助けてくれないでしょう。これまで上司が、同僚が辛い時に全く手を差し伸べていなかったら、誰もその人を助けようなんて思うわけがありません。

就業規則に則ってその人は休みを取ったとしても、仕事は誰もカバーしてくれず、もしくは誰かがカバーしてくれたとしてもあくまで周囲が「尻拭い」をした扱いになり、最終的にはその人の評価は大きく下がる・・・


そう考えると仕事の「仲間」がワークライフバランスの大きなバッファーになっていることがお分かりになると思います。

ワークライフバランスは個人の問題ではない。


「仲間」の問題。

組織課題なのです。


最近、新入社員教育、大学生への就労教育を行っていて感じること。現在巷で言われているやり方は、本当にそれでいいのだろうか、ということです。


新入社員を含む若手社員の職場での不適応や、早期退職が企業の経営課題のひとつに挙げられるようになってきたのは非常によいことです。今はカウンセリングや心理的な適応援助、場合によっては手を取って導いてあげるようなことまでする会社まで出てきています。


これだとどうやったら、自律性や自立性にたどりつくのか。

いつまでも、「会社がやってくれない。」上司がやってくれない。」「お客様がやってくれない。」といった言い訳だけの世界に留まってしまうような気がします。


たまたま内藤寿七郎先生の本をいただき、週末読んでいました。

寿七郎先生は小児医学の第一人者として知られています。70年以上に渡り、小児医療の最前線を走り続けてきた先生の言葉は、企業における新入社員教育にもいろいろと参考になります。


特に私が関心を持ったのは、「工夫」という言葉です。幼児期に成長を促す為におもちゃを与えます。既に遊び方が決まっていたり、その方法でしか遊べないおもちゃにもそれなりの価値があります。一番は赤ちゃんが「工夫」できるおもちゃ、との由。その例としては積み木が挙げられていました。


新入社員教育を考えてみると、最近のはやりは、新入社員の不満や不安を聞いてその解決を支援すること。場合によってはその方法を教えてあげる会社まであります。

新入社員に不安があるなら、彼等にそれを話をさせて、それが大したことではないと知らせるだけでも十分価値があります。職場の不満に対しては、不満を話させるより、そこからどう工夫をしていくかを考え、話させる方が適応促進にはつながるのではないでしょうか。


工夫ができることは、プロとしての必要要件のひとつです。


企業で働く従業員にとって、「企業」は働く場です。ビジネスパーソンの地域社会との関係の薄さが言われる限り、それに代わる社会機能も持つのも事実です。

同僚が病気になったら周囲が助けるのは仲間として当然です。でも職場には「互助」の気持もありますが、実は「共助」の性格も強いのではないかと考えています。

「互助」はどのような立場であれ、お互いに助け合いの精神を発揮するもの、相手からの見返りはさほど期待していません。

「共助」はあくまでお互いに協力しあっている者、もしくはそのような場面が来たら、協力しあうことを表明している人達同士の助け合いです。その為基本的に見返りをある程度、期待しています。


職場は、実は「共助」の世界だろうと考えています。

業務を超えても職場で同僚同士が助け合うのは、神様のような無償の愛があるからではありません。

自分が困った時には助けてもらえるんだから、今回はできる限り手伝おうという気持からだと思います。

日頃からどれくらい周囲と、「助け、助けられ」という関係を作っているかが、実は組織力の強弱を示すものではないでしょうか。


「職場の仲間なんだよ。お互いに助け合うことが一番重要なんだよ」という言葉。

こんなことを言うと一時は、「古い」とか「だから生ぬるいんだ」と言われましたが、不況の厳しい今だからこそ活きる言葉です。








私が役員をしております日本EAP協会は7月11日(土)に総会ならびに講演会を開催致します。

講演会は会員以外の方もご参加可能です。


神田東クリニックの島先生、高野先生がお話される本当にすばらしい講演会です。

現在の産業保健行政、職域の現場で起こっていることをこの分野の専門家であるお二人の先生方からご講演いただきます。まだ席には若干余裕がありますので、ご希望の方は下記または日本EAP協会HPの詳細をご参照下さい。

日本EAP協会ホームページ

http://eapaj.umin.ac.jp/

事前振込期間は終了致しました。


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<平成21年度 第10回 日本EAP協会総会・講演会 のお知らせ>
日時 : 2009年7月11日(土曜日)
年次総会・講演会:13:00~16:15(受付開始12:30) 虎ノ門パストラル新館6階「ヴィ
オレ」
情報交換会:16:30~18:00 虎ノ門パストラル新館1階 ラウンジシルビア
東京都港区虎ノ門4丁目1番1号 TEL:03-3432-7261
地下鉄日比谷線神谷町駅4b出口より徒歩2分・地下鉄銀座線虎ノ門駅2番出口より徒歩
8分
アクセスhttp://www.pastoral.or.jp/access/index.php
■プログラム(予定)
Ⅰ.年次総会 13:00~14:00 ※非会員の方はご参加いただけません、ご了承下さい。
【議題】 平成21年度予算、報告事項、他
Ⅱ.講演
第一部:14:15~14:45 
厚生労働省労働基準局長「当面のメンタルヘルス対策の具体的推進について」の解説
講師:島 悟(京都文教大学 教授・神田東クリニック 院長・日本EAP協会 会長)
第二部:14:45~16:15
「今、職域の現場で起こっていること-精神医学的観点から-」
講師:高野知樹(神田東クリニック 副院長)
Ⅲ.情報交換会 16:30~18:00 ※非会員の方もご参加いただけます。

■参加費
会員:当日支払4,000円
非会員:当日支払5,000円
情報交換会(会員・非会員共通)事前振込 4,500円・当日支払5,000円
※ 賛助会員の機関様にご所属の方のうち、”登録者“としてお名前を頂いてい

2名様以外は、非会員参加費にて申し受けます、何卒ご了承下さい。

先日、慶應義塾大学経営大学院の渡辺直登教授の元にお伺いした際に、「メンタリング・プログラム」(渡辺かよ子著:2009年川島書店刊)をいただき、あわせて「レジリエンス」という概念をお教えいただきました。


同書によるとレジリエンスとは「復元力」「回復力」を指し、具体的には「人が不運な状況に直面し心理的に損傷を受けても、意図せずとも、元の水準に回復する力」を意味するそうです。


これは幼少期の周囲からの愛情、就職後でも新入社員時代の上司・先輩かの厳しいながらも愛情のこもった指導・薫陶を請けると心の中に醸成されるのではないかとのお話。


先日、私どもが主宰するワークショップロブという企業の人事・総務の責任者が集まる勉強会でも、

「採用時の性格検査でストレス耐性が強いと出た新入社員がバタバタと精神的に不調になっている」

というお話が。


最近は若手社員のストレス耐性を高める為に、体育会系出身者を好んだり、体育会系的な研修を行ったり、非常に高圧的な指導をする企業が多く見られます。


それも効果があると思いますが、それ以上に愛情を込めて育てていく、若い社員にはこれがより効果的ではないかと思います。まさしく人材育成型の「メンタリングプログラム」です。


簡単には壊れないはずの鉄のような「ストレス耐性」「メンタルタフネス」より、葦のようにしなやかな「復元力」「回復力」を持つ社員の方が将来的には活躍するのかもしれません。


NHK大河ドラマ「天地人」での直江兼続の思想を表すキーワード 「愛」

この思想は、今の時代にも十分活きているようです。