実際の臨床においては大体は12日目から20日目位までにはプロゲステロン膣座薬に切り替える事が多いです。
文献を見てみると、ホルモン補充周期の際のエストラジオール製剤(エストラーナ、ジュリナ、プレマリン)の投与期間は25日程度までなら良好な内膜が作れると書かれている文献がありました。
この論文からは25日程度であればエストラジオールの投与期間は結果には影響せず、大切なのはプロゲステロンが投与された日から何日目に移植をするかという事になります。ここをしっかりと守れば大丈夫という事になります。
ホルモン補充で凍結融解移植を行う際に、エストロゲンの投与はどの程度までが出産率に対して好ましいかに関して調べている演題が2017ESHREにありましたので紹介します。
2012-2015年にかけて1,377名に対して検討しています。
ホルモン補充周期で単一胚盤胞移植を行っています。
A群 21日以内(330例)
B群 22から28日(665例)
C群 29日から35日(289例)
D群 36日から48日(93例)
出産率は以下のようになり、投与期間が長くなると出産率は有意に低下しました。
(A群をコントロールとして他の群を比較しています)
A群 29%(98例)
B群 27.82%(185例)オッズ比0.91
C群 21.8%(63例)オッズ比0.66
D群 17.2%(16例)オッズ比0.49
流産率は以下のようになり、投与期間が長くなると流産率は有意に上昇しました。
(A群をコントロールとして他の群を比較しています)
A群 28.47%(41例)
B群 31.79%(89例)オッズ比1.17
C群 34.31%(35例)オッズ比1.31
D群 48.57%(17例)オッズ比2.37
結論
移植前にエストロゲンの投与期間が長くなると出産率が低下し、流産率が上昇しました。
O-295 Endometrial preparation: Impact of estrogen duration of administration before frozen-thawed blastocyst transfer on live birth rate
The 33rd Annual Meeting of ESHRE, Geneva, Switzerland 2 to 5 July 2017