慢性子宮内膜炎を容易に治す | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。


43歳です。子宮内膜炎が治らず不安です。抗生剤を3系列内服しましたがまだCD138が出ています。医師からは移植に入っても良いと言われましたが、移植に踏み切るか、このまま抗生剤の治療を続けるべきか迷います。別にお勧めの治療法が有りますでしょうか?

 

このようなご質問がありましたのでお答えします。

 

実際の臨床の場面で起こり得ることです。CD138がなかなか下がらず逆に上がり続けたり数ヶ月移植に入れずストレスがたまるかと思います。

原因となる具体的な事象もわからないため本人としては改善のしようがなく不安な気持ちになられるかと思います。

抗生剤で難治症例に対してはいくつか改善策があります。

一つは内膜の全面掻爬です。当院ではMVAキットを用いた吸引法で行うため内膜に損傷を与えず全面を丁寧に吸引するため負担も少ないです。この治療で抗生剤に抵抗性の内膜炎もすぐに治すことが出来ます。


もう一つは腹腔鏡手術です。内膜のみならず卵管や腹腔内の全体を洗浄するため効果が非常に出やすい治療方法です