条件を満たせば、海外で治療を行っていた方で日本へ帰国される際などに、現地クリニックから当院へ胚輸送を行うことが可能です。
日本から海外へ凍結胚を空輸する事、逆に海外から日本へ凍結胚を空輸する事は可能です。このような輸送を専門的に取り扱っている業者が国内外に複数あります。税関審査等に対してもこれらの業者が正式な書類を作成して対応してくれます。
また輸送には輸送元、輸送先のクリニックの医師のサインが必要となります。輸送元のクリニックでどのようにして凍結したかの情報も必要です。凍結方法には大きく分けて2種類あり、ガラス化法、緩慢法があります。輸送先のクリニックで融解する際に必要な情報になりますので、この点は事前に必ず確認しなければいけない点です。凍結方法が異なる場合には輸送は不可能です。
理想としては双方の培養室でコンタクトを事前にとる事かと思います。ただ言葉の問題もあるため、英語圏でない場合には患者さん本人が間に入らなければいけないことになります。輸送は凍結胚を液体窒素に入れてFEDEX 等で輸送するケースが多いとの事です。業者にも寄りますが、色々な手続きが必要なので、これらの輸送はコストもかなり高くなります。
別の選択肢としては新たに採卵し直す方法もあります。
例えば輸送費用が高額すぎたり、また凍結してある胚のグレードが余り良くないなどの理由で、輸送はしないで日本の施設で採卵を行うことを選ぶ方もいます。この辺りは凍結してある胚のグレードや輸送の費用なども踏まえ相談することが良いかと思います。