超音波卵管造影検査(レボビスト)について説明します。
普通の卵管造影検査とは
超音波造影剤(レボビスト)を用いて卵管の通過性を見る検査です。レントゲン施設を必要としない簡便な検査なので、小規模のクリニックなどで行われている検査です。レボビストとはガラクトース・パルミチン酸混合物からなり、使用直前に蒸留水にて溶かし懸濁液を作成します。その際に発生する微細な気泡により、注入する造影剤が白いハイエコー像として見えます。
検査時期は生理終了後で6日目から10日目ころに行います。
最初に子宮内にチューブを挿入してから、経膣超音波を見ながら、ゆっくりとレボビストを注入します。子宮腔内、卵管内、卵管采と順番にレボビストが流れていくのが超音波で確認できます。ゆっくりと入れていきながら左右の卵管を片方ずつ卵管采までしっかりと追跡する事がポイントになります。
卵巣周囲へ造影剤が貯まる事が卵管の通過性を意味します。両方の卵管周囲の貯留を確認します。なおカラードップラーにしてエコーを見るとさらに鮮明に造影剤が移動する事が確認できます。
普通のレントゲンを使用する卵管造影とはどう違うのか?
メリット
①レントゲンの被ばくが無い。
(患者、医師の両方にとって好ましい)
②喘息、ヨードアレルギー、甲状腺疾患の患者でも行える。
(普通の卵管造影はヨードの造影剤を使用します。)
詳しくは卵管造影の副作用 の記事を参考にして下さい。
デメリット
①卵管の通過性はわかるが、走行経路、水腫等の細かい所まではわからない。
②レントゲン画像のように画面に出てくるわけではなく、医師が超音波の画像で造影剤を見ていかなければいけないので、造影剤の写し方の習熟が必要となります。←医師の技術が問われてくるところです。