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System Of A Down「Toxicity」

 

今回は、アメリカのオルタナ・メタル・バンドとでも言うべき、システム・オブ・ア・ダウンの大ヒット2ndアルバムです。アメリカだけで300万枚のセールスを記録しました。タイトルは「毒性」って意味ですね。

 

今でこそ日本では、バンドの知名度はありますが、当時はあまり人気がなかったらしいです。ラウドロック系ともメタル系とも取れる音楽性で、どっちつかずな感じが日本では受けなかったんでしょう。まぁ、そのいい感じのミクスチャーさが最高なんだけども。ちなみに、マキシマム ザ ホルモンの亮君が影響を受けているバンドって、最近知りました。

 

ちなみに、このアルバムは、完全にピロリ菌に感染したイング◯ェイのような、ピロピロな感じは一切ないです。言ってみると、現代のRage Against The Machineといった感じ。名前の雰囲気も、どことなく似ているし、英単語4文字だし。ちなみに、イング◯ェイも好きです。

 

今作は、1stよりも整合性が見られて、より聴きやすくなった感じ。アルバムに統一感があり、一気に聴けます。時に考えられ、時にアグレッシヴな勢いが、スポーツカーのように襲いかかり、中途半端な気持ちで聴くと、ハネられること確実。曲のテンポがよく、サクサクとアルバムが聴けます。個人的にも、気付いたら終盤でした。

 

曲を彩っている、ヘヴィかつ鋭く変貌するギターには、猛毒が塗ってあるんじゃないかってくらい、非常に毒性があります。気づいたら、中毒性が高いです。ボーカルも勢いがあり、哀愁メロあり、変態メロあり、攻撃的なラップありで、曲に多彩さを与えてます。

 

このアルバム、完成度が高くて、全曲が良くて、特に捨て曲はないんだけど、ひとつ言わせて欲しい。ボーナストラックで収録されている「Johnny」は、くだらないです。ヴァース(Aメロ)の、おちゃらけた部分が、特にアルバムに合ってないって思ってました。でも、何回か聞いてると、どこか遊び心があって面白いと思えるようになるのは、毒性ゆえか。まぁ、アルバムの中間にあるのがタチが悪いけどw

 

最初は、何も知らずに聴いていたと思うけど、タイトル曲の「Toxicity」って曲が良いって思っていたら、システム好きな弟に、「それ、シングルだよ」って言われて納得。まぁ、良い曲はシングルになるわなぁって感じです。

 

6曲目「Chop Suey!」は、アコギやピアノが使われていて、曲がドラマティック。これも名曲だと思うなぁ。でもその後がw こりゃ、感傷的な変態だな。ピアノが泣けます。その他にも「Forest」「Psycho」とかが好き。

 

アルバム最後の民族パートも、あんまりシステムの背景とかに詳しくないので、はっきり言えないけど、意味不明でしたw まぁ、何かの意味があると思うけど。メンバー全員がアルメニア・コミュニティ出身なのと関係あるのかな?アルバムの余韻的には良い感じ。

 

最近、システムが再始動したらしいので、久しく出ていない新作が気になります。メタル雑誌のヘドバン風に言うと、「俺たちのメタルの未来は、彼らの手の中にある!」と言っても過言じゃないかな。なんて。そんな感じで今作を聴いている今日この頃でした。

 

 

 

 

 

 

リリース日 : 2001年9月4日

レーベル : アメリカン・レコーディングス

ジャンル : オルタナティブ・メタル、ニュー・メタル

国 : アメリカ

 

Van Halen「1984」

 

ヴァン・ヘイレンはおろか、80年代をも代表するハードロックなアルバム。売れに売れまくりました。シンセサイザーを大胆に取り入れたサウンドは、THE 80年代でチープだけど、あなどるなかれ。曲は、今聴いても全然古臭くない。今でいう、ブルゾンちえみwith Bが踊っていても、おかしくない感じ。時代をも超越した、その価値、35億!

 

パンテラのベストアルバムの邦題ネーミングのごとく、最強!なシングル「Jump」「Panama」「Hot For Teacher」「I’ll Wait」は、言うまでもなく、アルバム全曲が素晴らしい出来です。

 

その中でも、「Jump」のイントロのシンセ・リフは、この地球上で、普通に現代文明とともに生きていたら、絶対聴いたことがあるほどの有名フレーズ。そして、幼稚園児でも、童謡「チューリップ」や星野源「恋」のごとく、一緒に口ずさめるほどのキャッチーさ。ヒップホップダンスのように義務教育にも取り込むべき、ハードロック/メタルの経典に、異論の余地などNothing!

 

ちなみに、僕の家の近所のボーリング場でも流れてます。でも、気が散って、確実にガーターだな。個人的には、エディがギターのごとく弾き倒しているシンセの様式美なソロが大好きですね。やりすぎコージーもビックリな弾きっぷりが最高。ミーハーって言われようが、そんなの関係ねぇ!オッパッピーな神のフレーズです。個人的に、ノーベル音楽賞に推薦します。って、そんなのねぇよ!

 

続く「Panama」も、超名曲。この曲は、メタラーなら誰でも知っている名曲で、シノラーで言うところの「ウルトラ・リラックス」的な曲です。この曲も、アメリカンなハンバーガー食べて、胃もたれするような、超キャッチーなTHE アメリカン・ハードロック。まぁ、全曲そんな感じだけど。個人的に嫌いじゃないですね。あー、マック行きたいなぁ。新商品出てるんだっけ。最近CMでやってたような。まぁ、いいか。良い意味で、脳がハンバーガーで、血がコーラな感じの曲です。

 

まぁ、昔の作品だから、アルバムの収録時間が短いので、聴きやすいのも良い。ジャケットも1stのダサいやつに比べたら、超絶オシャレ。インスタ映えするよ。きっと。フォロワー数が1万増えるよ。きっと。でも、子供でタバコはどうかと思うよ。とにかく、曲調もキャッチーで聴きやすいので、初めてヴァン・ヘイレン聴くなら、このアルバムがオススメです。

 

ちなみに、何があったか知らないけど、多分ソロがやりたかったって聞いたけど、初代ヴォーカルのデイヴ・リー・ロスが、このアルバムを持って脱退してしまいます。違ってたら、すみません。

 

 

リリース日 : 1983年12月26日

レーベル : ワーナー・ブラザース・レコード

ジャンル : ハードロック、ヘヴィメタル

国 : アメリカ

 

LUNA SEA「LUNACY」

 

結成当時のバンド名「LUNACY」をアルバム・タイトルに冠した、LUNA SEA活動休止 (終幕) 前のラストアルバム。初期のスカスカ・サウンドからは想像も出来ない、重厚に作り込まれたサウンドが特徴。実際、一番時間をかけて制作されたアルバムらしいです。V系ファンは元より、ロキノン・バンドのファンとか洋楽ファンにも受けそうです。アルバムのジャケットも従来のイメージからの脱却を狙っているよう。

 

5人の個性が、純度の高い結晶となって生み出されたような、まさに活動休止前のラストアルバムにふさわしい傑作。っていうか、こんな最高傑作を作ったから活動休止したのかな?LUNA SEA、あんまり詳しくなくて、すみません。

 

LUNA SEAのシングル曲はどれも好きなんだけど、やっぱ一番好きな「gravity」が収録されているので、このアルバムのレビューにしました。この曲は、LUNA SEAを好きになったきっかけと言っても過言じゃないです。最初にベストを聴いたんですけど、この曲の美しさというか、儚さみたいな、独特の耽美的なサウンドが心に語りかけてきたのを思い出します。ギターソロやベースライン、そしてメロディに、その全てに泣けてきます。INORANの曲で好きなの他にもあるけど、これが、やっぱ一番好きかな。

 

この「gravity」に限らず、このアルバムに言えることは、グルーヴィーさと切なさじゃないかと思ってます。Jの太く力強いベースに、真矢の最強ドラミングなリズム隊の上に、SUGIZOとINORANのツインギターともなれば、完璧でしょう。時に大胆に、緻密に作り上げられたサウンドは、神々しいの域。このアルバムに限らず、アルバム曲も大事にするバンドのこだわりが感じられて良いです。

 

初期と比べ、声変わりwしたRYUICHIのボーカルは、好き嫌いが分かれるところだけど、それぞれの曲に合った歌い方で、個人的には好き。

 

LUNA SEAって、イギリスのブリットポップのバンドに例えると、スウェードのようなポジションだと思っていて。第三の刺客的な。GLAYがオアシスで、ラルクがブラーなら、LUNA SEAはスウェードだろうと。その2バンドに比べるとマイナーだけど、いないと寂しい的な。そんな存在ですね。今となっては、その2バンドよりも個人的に好きです。余談だけど、RYUICHIとスウェードのブレット・アンダーソンって声質が似てるようなw 気のせいか。

 

曲順も考えられていて、ライブの歓声と共に、もろ一曲目のような感じのアップテンポな「Be Awake」で始まり、壮大なバラード「Crazy About You」のフェードアウトで終わる。これがこのアルバムの正しい聴き方でしょう。ちゃんとアルバムという作品になってます。「MOTHER」や「STYLE」といったアルバムに比べると、ちょっと劣るけど、ちゃんと作品になってるかと。曲の完成度は、どれも流石。

 

珍しいところでは、2曲目「Sweetest Coma Again」と4曲目「KISS」には、日本が誇るヒップホップDJのDJ KRUSHが参加していて、スクラッチなど新しい風を感じることが出来るところ。いい感じに合ってますね。

 

前にも書いたけど、それぞれ違う5人の個性が、純度の高い結晶となって生み出されたような傑作です。聴いてると、凄すぎて鳥肌が立ちます。全曲、本当におすすめ。LUNA SEAとかV系ってだけで嫌厭している人で、ロック好きな人にこそ聴いて欲しい作品です。

 

 

 

リリース日 : 2000年7月12日

レーベル : ユニバーサルJ

ジャンル : ロック

国 : 日本

 

S.L.A.C.K.「My Space」

 

今回は、日本のヒップホップMCで、トラックメイカーのS.L.A.C.K.です。東京出身。ヒップホップ・ユニットのPSGやSICK TEAMのメンバーでもあります。特に、PSGの有名なPUNPEEは、実の兄。兄弟でヒップホップやってるんですね。PUNPEEは、この前テレビで観たばっかりなので、「なるほどな!なるほど、なるほど、なるほどな!(By FUJIWARA)」って思ってる自分がいました。

 

これは、そのS.L.A.C.K.の実質的ファースト・アルバム。以前にも、アルバムは出してましたけど、本格的なのは、これが初かと思います。ファースト・アルバムですけど、後のR&Bやソウル、ヒップホップを融合して、独自のストリート・ポップスに昇華するセンスは、すでに見え隠れしています。

 

聴いてると、とにかく眠くなりますね。いい意味で。以前、元メガデスのギタリスト、マーティー・フリードマンが、「メタルって、暖かいギターの歪みが心地いい音楽。ずっとそれに囲まれていたい」みたいなことを言っていて、「あー、これは、そのヒップホップ・バージョンだな」って思いました。

 

とにかく、ゆる~く、ぬる~いトラックやライミング、声、フローなどが心地いいですね。どことなく、男版の泉まくらやDAOKOに通じるものがあるかと。そんな事言ったら、怒られるか。リリックも独自で、言葉のチョイスにニヤリ。「女子の下着の間を抜けて」とか「菅野美穂、缶飲み干す」とかw

 

トラックは、おもちゃ箱をひっくり返したような遊び心溢れるハンドメイド的トラックで、面白い。雰囲気がいいので、ずっと聴けます。夜中じゅう聴いて、朝まで、ゆる~く過ごしたい時にオススメかな。なんか都会っぽい。そして、音楽に合ってるジャケットのゆるさも良いですね。個人的には味があって好き。本人が描いてるのかな?

 

ゆるすぎて、理論武装してる評論家や、高い機材を自慢してる奴をあざ笑う音楽。ってゆうか、「そんなの関係ねぇぜ!」って、純粋に音楽を楽しんでるなぁって感じ。日本のヒップホップ界を変える面白い力を持った…なんて言いたいところだけど、そんな陳腐な言葉で片付けたくないような音楽ですね。とにかく聴いてみたら分かる音楽。

 

全曲オススメなんだけど、個人的には、「Hot Cake」って曲が特に好きです。

 

 

 

リリース日 : 2009年2月18日

レーベル : DOGEAR RECORDS

ジャンル : ヒップホップ

国 : 日本

 

MC Hammer「Let's Get It Started」

 

世界一のディスられラッパー、MCハマーの伝説の始まりとなったファースト・アルバムです。ハマーっていうと、行きつけの美容院で流れてて、懐かしい感じになりました。(おっさんか!)

 

ジャケットのハマーが、どことなくピコ太郎に似てるのが笑えます。その間抜けな顔は、パニック映画で、一番最初に殺されそうな雰囲気を醸し出してます。

 

曲は、どれも同じで、ターミネーターかよ!って突っ込みたくなる「デデン、デデン、デデン、デデン、ドゥーン、デーン!」のゴリ押しか、「うぉーう、うぉーう、うぉ… (以下、略)」言ってるだけ。B級な北朝鮮映画のようなチープな感じ。ついでに、ジャケットも。あっ、北朝鮮に映画あったっけ?

 

途中、ハマーのくせに、5~6曲目あたりで、変化をつけるのがニクい。

 

この頃のラップは、一本調子のラップで、ストレートに言うと下手。クソラッペペペペーなクソラップかましてます。

 

でも、セカンド・アルバムでは、なぜか上手くなってます。ハマーって、なんか映画のような感じですね。1作目で注目され、2作目で大ヒット、3作目で駄作認定な感じが似ていますね。(ちなみに、3作目は聴いてない)

 

でも、このアルバム。癖になります。後からジワジワくる、ふかわりょうのお笑いに通じる感性。嫌いじゃないぜ。何回も聴きたくなってきます。クソゲーを楽しむ感覚に近いです。

 

それに、THE 80年代な感じが良い!ノリが良い。売れに売れたセカンド・アルバムに通じる音楽性が見え隠れしてます。ビリー隊長、やっぱ面白いわ~。一生、ついていきま~す。あっ、ハマーだった。(どっちも今、何やってるの?)

 

現在のハマー

 

タイトル・トラック「Let's Get It Started」のMV見てると、なんか三代目J Soul Brothersのランニングマンが。時代だなー。(三代目J Soul Brothersのランニングマンはオリジナルじゃないです)

 

ちなみに、これ、Amazonの中古で、1円で購入しましたw

 

 

 

リリース日 : 1988年9月28日

レーベル : Capital、EMI Records

ジャンル : ゴールデン・エイジ・ヒップホップ、MCハマー

国 : アメリカ

 

光田康典 & Millennial Fair「ハルカナルトキノカナタヘ」

 

本作は、ゲーム「クロノトリガー」「クロノクロス」の人気曲を、その作曲者である光田康典さんが、リアレンジを手がけたアルバムです。ゲーム発売から随分経っているのに、未だにアレンジアルバムが発売されるのは嬉しい。ゲームをやってない人でも、その美しい旋律や圧倒的な世界観に飲み込まれること確実の出来です。ちなみに、このゲームは小学校の時によくプレイしてました。主に生音主体のクラシカルな癒し系の曲が多いので、普通にそういう音楽を求める人にも最適です。

 

一部の曲で、ボーカル・アレンジな曲があります。それらは、もはや別物といっていいほどの雰囲気で、完成度は非常に高いです。なので、原曲に思い入れがある人が聴くと違和感があると思います。僕もそんな感じでした。しかし、何回か聞いていると、不思議とその曲が別の顔を見せてくれるんです。幼なじみの女の子が、ふと見せる、今まで見た事ないような仕草のような。「あれ?なんか違う?」みたいな感じにドッキリみたいな。

 

ゲーム曲のアレンジなのに、いい意味で、ゲームを思い出すことが出来ない。(ちなみに、どちらのゲームもクリア済み) 完全に、曲が主役にアレンジされた作品ですね。

 

そもそも、元の曲が良いので、よっぽど変なアレンジにしなければ、普通に聴けます。実際、このアレンジも原曲の良さを引き立てる感じのアレンジで、原曲の作曲者であるからこそ出来るアレンジですね。

 

すでに、日本のみならず海外でも「クロノ」シリーズのアレンジ曲が、ネット上に大量にあって、人気の高さが窺えます。そのどれもが個性的なアレンジで面白いんだけども、やっぱり、原曲に忠実なアレンジが一番落ち着きますね。コンソメパンチとかのりしおとかも良いけど、ポテチのうすしお味が、やっぱり良い!みたいな。ミシュランガイドの高級イタリアンとか、老舗の親父が作るラーメンもいいけど、オカンの作る実家の味が、やっぱり良い!みたいな感じになりますよね。

 

「風の憧憬」「時の回廊」なんかは、原曲でも人気が高いので、収録曲に選ばれたのも納得。特に「風の憧憬」は、ヒップホップ・ユニットのヒルクライムが、「Shampoo」という曲で使用して話題になったので、知っている人もいるかと。ちょっと、坂本龍一教授のピアノ曲っぽいけどもねw

 

「RADICAL DREAMERS」は、原曲のギター弾き語りのようなアレンジに、みとせのりこさんのヴォーカルが、切なさをうまく演出していたんだけど、これは、違った切なさが表現されています。言葉ではうまく言えないんですけど、クラシカルなアレンジが良い。「サラのテーマ」なんか聴いてると、懐かしさにも似た感じに泣けてきた。これが一番お気に入りですね。「サラのテーマ」は、YouTubeの音源、貼っときますね。

 

 

とにかく、どれも丁寧に作られていて、捨て曲なしの全10曲です。原曲の感動が、遥かなる時を超えてアレンジされ、新たな息吹が生まれたような。まさに、過去と未来の「時の彼方へ」行けそうな作品です。さぁ、壮大なる時空の旅へ行きませんか?

 

 

リリース日 : 2015年10月14日

レーベル : スクエア・エニックス

ジャンル : ゲーム音楽

国 : 日本

 

坂本龍一「戦場のメリークリスマス」

 

今となっては、おなじみのテーマ曲収録の、坂本龍一教授による「Merry Christmas Mr. Lawrence (戦場のメリークリスマス)」のサントラです。

 

どのサントラにも言える事なんだけど、映画を観ていない人には、テーマ曲以外はピンと来なかったりします。この作品も、例外じゃなくて、テーマ曲だけが一人歩きしている印象は否めません。それでも、他の曲も、ちゃんと聴けるというのが、このアルバムの凄いところ。もはや、坂本龍一のオリジナルアルバムとして、数えてもいいくらいの出来です。

 

メロディーの良さ、どことなく感じるエキゾティックさ、そして実験的な要素。それまでの教授の作品の良いとこ取り的な感じで、これから教授の世界に入ってもいいくらいだと思います。

 

特に映画を観ていない人でも、なんか映像が浮かんでくるような素晴らしいメロディに絡む音像の鋭さは、なかなか。日本を代表する音楽家という事実が、純粋に嬉しい。これからのオリジナル・アルバムなどへ通じる要素も感じさせる、ミッシング・リンク的な作品でもありますね。

 

テーマ曲に関しては有名すぎて、一回聴けば、ピンと来ない人でも思い出すこと確実。誰しもの記憶の片隅に優しくあり続ける名曲だと思います。切なくて、優しくて、どこか不思議で。そんな教授の音楽の良さを集めたような。聴いてると、なんか泣けてくる。個人的に、そんな数少ない曲のうちのひとつです。イントロのシンセの音色に、美しいメロディに、エンディングのストリングスに、この曲の全てに心が掻き乱される。気付いた頃には、この曲を含む全ての曲に恋してましたw

 

 

坂本教授の作品って、YMOと違って、どこか敷居が高いイメージがあると思うんですが、このアルバムは結構聴きやすいです。昔は、敷居が高いイメージがあって、ちょっと遠ざかってたんですけど、このアルバムを聴いて、教授に興味を持ちましたw

 

あと、どこかのレビューで見たけど、曲名に「Seed」って名前の付く曲が、このアルバムの本当のクライマックスっていうのには、同意です。全体を彩る「種」が実りの時を待っているような。長い冬の中で。曲だけ聴いてると、そんな力強さみたいなのを感じられる気持ちになれました。アルバムのもうひとつのテーマ曲ですね。

 

サントラの最後の曲「Forbidden Colours」は、テーマ曲にデヴィッド・シルヴィアンのボーカルをフューチャーした曲で、インストで聞くよりもイメージが違って新鮮。渋い声が曲に深みを与えてます。

 

映画を観た人はもちろん、映画を観てない人でも楽しめる作品で、なおかつ、教授のオリジナル・アルバムとしても秀逸な、高レベルな作品です。これからの冬にかけて、とてもおすすめ。毛布にくるまって、聴きたいなー。よかったら、ぜひ!

 

 

リリース日 : 1983年5月1日

レーベル : ロンドンレコード

ジャンル : 映画音楽、現代音楽、ニューエイジ

国 : 日本

 

大島ミチル & pentagon「ICO ~霧の中の旋律~」

 

まず、このサントラを聴いて思ったこと。それは、アンビエントながら音が生きているっていうことです。主にアンビエントなのに、音が主役にも脇役にもなれる。そんな音楽だと感じました。ちなみに、ゲームはクリア済みです。

 

映像やストーリーなど、音楽も全て含めて、ICOなんだと思っていたけど、音楽だけを聴いてみても、それだけで世界観を構築できていて、素晴らしいです。ゲーム中は、あんまり、音楽だけを意識しなかったんですけど、それぞれがゲームの場面を思い返すことができる曲ばっかり。

 

静寂が支配する緊張感あるゲームの中で、セーブの時の音楽「Heal」が心地良かったり、敵が襲ってくる時の音楽「Deja Vu」に、不安や焦りを感じたりした記憶が蘇ってきます。それは、絶妙にバランスのとれた、うまい作曲センスによるものかと。

 

そして、ゲームを最後までプレイした事のある人なら、最後の曲「ICO -You Were There-」は、やっぱり、印象深いんじゃないでしょうか?どこか切なさを感じさせながらも優しい曲で、なんとも言えない曲ですね。それは、ひとり夕景に包まれ、昔を思い出す黄昏に似た感覚。エンディングの曲という事もあって、この曲の完成度は非常に高いです。僕も大好き。

 

でも、ひとつ言いたい。この曲が、ICOのイメージテーマっていう人もいて、それも頷けるけど、この曲があるから、他の曲が引き立つ。この曲のために、他の曲がある。やっぱり全曲含めて、ICOなんだと思い知らされるサントラだと思いました。

 

どれひとつ欠けてもいけない。それぞれがそれぞれを必要としている。ゲーム中にも感じた、そんな大切なことを思い出させてくれる素敵なサントラでした。

 

 

 

リリース日 : 2002年2月20日

レーベル : SME Visual Works Inc.

ジャンル : ゲーム音楽、アンビエント

国 : 日本

 

RADWIMPS「君の名は。」

 

今回は、大ヒット映画「君の名は。」のサントラです。つい最近、DVDとブルーレイが発売されましたよね。僕は、未だに映画を観ていないので、純粋に音楽だけを聴いた感想を書きたいと思います。あー、「君の名は。」難民だわ。外国人でも観てるというのに。下手こいた~。まぁ、観たいので、近々見る予定です。

 

映画の音楽を担当したのは、RADWIMPS。ラッドウィンプスって読みますね。日本のロックバンドです。僕は、あまりRADについて知らないってゆうか、有名曲くらいしか知らないのですが、前からちょっと気になっていたので書きたいと思ってました。あんまり知らないで、書くのも失礼かと思うんですが、一応、「RADWIMPS 3」「RADWIMPS 4」「アルトコロニーの定理」のCDは持ってます。あんまり聞いてないけどw

 

そもそも、今寝る予定で、電気消して布団で横になってて、iPodで音楽聞いていたんですけど、ふと思い出して、このサントラを聴きました。そしたら、マーティー・フリードマンじゃないけど、「いーじゃん、これ!」ってなって、電気つけて、今こうしてパソコンで、この文章を書いてます。なので、ちょっと文章が変かもしれないけど、ご了承を。

 

まず、懐かしい感じになりました。どうせ「前前前世」だけだろって思っていたのが、間違いだと気付きました。一曲目「夢灯籠」から一気に世界に引き込まれた感じです。歌モノで、RADなんだけど、ちょっと映画に合いそうにないなって感じがしたけど、サントラを聴いてるうちには、これもありかもって思えたんです。というのも、2曲目以降が、まさにサントラって感じで、圧倒的なそれの導入に、ふさわしい感じがしたもんで、それもありって思ったんでしょう。

 

とにかく、全編アコギやピアノなどのアコースティックな感じが多くて印象的で、癒されますね。落ち着きます。なんか、晴れた日に、公園のベンチとかで、ぼーっとしながら聴いてたら、幸せになれそうなサウンド。しかも、それでいてバンド名義なのも納得の、バンド演奏なアンサンブルな曲もあって、やっぱ、バンドっていいなぁって思えました。これが、野田洋次郎さんのソロだったら、ちょっと打ち込み寄りとかになりそうな感じがして。それもそれで、いいんだけど、この映画には、RADが合うような感じがして。まぁ、映画観てないんだけどね (苦笑)

 

サントラなので、当たり前なんだけど、曲数が27曲と多くて、ボリュームたっぷり。「ごちそうさま!」って言っても、「そんだけしか食べとらんけ!もっと食べんかい!」って、言ってきて、無理矢理ご飯を差し出す、古き良きオカンっぽい感じがして、ちょっとほっこり。毎日、寝る前に聞きたいなぁ。長い付き合いになりそうです。

 

アンビエントな曲や、打ち込みビートなエレクトロニカっぽい曲もあり、全体的に彩り豊か。それでいて、統一感があるのが凄い。音楽だけで世界観が圧倒的。これに、あの綺麗な映像がついたら、もう鳥肌ものだろうなぁ。映画館で観た人は幸せ者だ。誰だ!トラックのタイトル見て、想像を膨らませようとしてるのは!あっ、俺だ。多分、御神体ってものがキーワードになってくるのかな?そんな感じがしました。

 

「口噛み酒トリップ」とか「記憶を呼び起こす瀧」とか「御神体」が特に好きです。野田洋次郎のソロ・プロジェクト、illion (イリオン)も、あんまり知らないんだけど、多分こんなエレクトロニカっぽいサウンドなんだろうなぁと思っていると、illionも好みだなぁ。もっと聴きたい。いや、聴かせてくれ。洋次郎さん!天才だわ。

 

歌モノの、9分くらいの「スパークル (movie ver.)」も、「なんでもないや (movie ver.)」も良くて、もう良い曲しか入ってないんじゃないの?って思える完成度ですね。全曲懐かしくて、年甲斐もなく、泣けてくる。っていうか、歳だから泣けるのかな?昔の同級生に会って、さよならした後のような切ない感覚。そんな事書いてると、あー、映画が観たくなった。そうだ、TSUTAYA行こっ。(レンタルかい)

 

 

 

リリース : 2016年8月24日

レーベル : EMI Records

ジャンル : 映画音楽、オルタナティブ・ロック、J-POP

国 : 日本