大島ミチル & pentagon「ICO ~霧の中の旋律~」

 

まず、このサントラを聴いて思ったこと。それは、アンビエントながら音が生きているっていうことです。主にアンビエントなのに、音が主役にも脇役にもなれる。そんな音楽だと感じました。ちなみに、ゲームはクリア済みです。

 

映像やストーリーなど、音楽も全て含めて、ICOなんだと思っていたけど、音楽だけを聴いてみても、それだけで世界観を構築できていて、素晴らしいです。ゲーム中は、あんまり、音楽だけを意識しなかったんですけど、それぞれがゲームの場面を思い返すことができる曲ばっかり。

 

静寂が支配する緊張感あるゲームの中で、セーブの時の音楽「Heal」が心地良かったり、敵が襲ってくる時の音楽「Deja Vu」に、不安や焦りを感じたりした記憶が蘇ってきます。それは、絶妙にバランスのとれた、うまい作曲センスによるものかと。

 

そして、ゲームを最後までプレイした事のある人なら、最後の曲「ICO -You Were There-」は、やっぱり、印象深いんじゃないでしょうか?どこか切なさを感じさせながらも優しい曲で、なんとも言えない曲ですね。それは、ひとり夕景に包まれ、昔を思い出す黄昏に似た感覚。エンディングの曲という事もあって、この曲の完成度は非常に高いです。僕も大好き。

 

でも、ひとつ言いたい。この曲が、ICOのイメージテーマっていう人もいて、それも頷けるけど、この曲があるから、他の曲が引き立つ。この曲のために、他の曲がある。やっぱり全曲含めて、ICOなんだと思い知らされるサントラだと思いました。

 

どれひとつ欠けてもいけない。それぞれがそれぞれを必要としている。ゲーム中にも感じた、そんな大切なことを思い出させてくれる素敵なサントラでした。

 

 

 

リリース日 : 2002年2月20日

レーベル : SME Visual Works Inc.

ジャンル : ゲーム音楽、アンビエント

国 : 日本