日本人Jリーガーの選手数と身長からわかること
第十五回:年齢層別の選手数と平均身長(1)

第十四回の続き

第十四回までで、気づきも少ないまま、ポジション、Jカテゴリ、生まれた年度、生まれた月による平均身長の傾向をみた。


今回から終盤として、Jリーガーを4歳毎に区切った"年齢層"の傾向をみていく。 
平均身長をみていく過程で、生まれた年度別で平均身長が異なること、すなわちベテランFW選手のほうが背が高い可能性を見つけた。
Jカテゴリで身長差があることや、ポジションによって身長の季節変動があること(特に1月~3月に何かあること)も見えてきた。
このブログシリーズ前半の選手数の傾向と合わせて、選手を4歳毎に区切る年齢層という概念が、ヒントになるかもしれないと考えるに至った。
なお、年齢層は生まれた年度を基準に集計する。
例えば、2020年度において、2001年4月~2002年3月までを2001年度(19歳の年度)とし、年齢層としては「19歳~22歳」とする。つまり、1998年4月~2002年3月が、年齢層としては「19歳~22歳」となる。


初回にも書いたが、
早熟晩熟さんのブログJリーガーの身長の話、ジュニアの大きい小さいなどの皆さんのブログなどを読んでいて自分でも調べてみたくなったことが、この調査のきっかけである。


調査対象は現役日本人(日本国籍)Jリーガー
データソースはJ. League Data Site
https://data.j-league.or.jp/SFIX03/
データ取得日は2020年7月18日
留意点としては、スタメン出場、レギュラー、得点数、出場時間などがwebから一覧で取得できず、考慮できていないこと。

これも初回に書いたが
以下の仮説をもって、可能なところから検証してみたい。検証出来ないままになる項目がある。
・生まれた月で、選手数が異なる→YES
・生まれた月で、平均身長が異なる→これから
・生まれた月で、ポジションの比率が異なる→YES
・生まれた月で、所属カテゴリ(J1/J2/J3)の比率が異なる→YES

以下はなかなか難しい
・早熟晩熟には、身体面と精神面が存在する→多分YES
・早熟晩熟で、選手数が異なる→多分YES
・早熟晩熟で、平均身長が異なる→もしかしたらYES?
・早熟晩熟で、ポジションの比率が異なる→多分YES
・早熟晩熟で、所属カテゴリ(J1/J2/J3)の比率が異なる→もしかしたらYES?


日本人Jリーガーの人数=標本数=1599(人)

ポジション表記
GK=ゴールキーパー登録選手
DF=ディフェンダー登録選手
MF=ミッドフィルダー登録選手
FW=フォワード登録選手


15.年齢層別・ポジション別の選手数と平均身長

まずは、年齢層別・ポジション別の相関をみてみたい。

GKは年齢と共に身長が低くなる。年齢と共に選手数はあまり減らずに横ばい。近年GKが大型化したと考えるのが自然だろうか。
DFはほぼ横ばい、年齢と共に若干身長が低い。GKとDFの守秘的ポジションは近年(若年層が)大型化している可能性がひとつ。もうひとつは年齢と共に守備的選手が淘汰される際に、生き残れているのは身長が高い選手よりも、年齢に反したアジリティ維持や経験豊かな戦術理解が高い選手ということが考えられる。単なる大型の守備的選手は引退年度が早まるのだろう。

MFの平均身長は横ばい傾向。ベテランになってもアジリティやスキルが重視されるポジションということになる。年齢が高くなると選手数は大きく減っている。戦術理解やテクニックだけでは生き残れず、ベテランのアジリティの維持が難しいことが読み取れる。また、小兵かつアジリティを武器にしたプレイスタイルで怪我が多く、選手寿命が短い可能性も否定できない。

FWは、第十回で感じた通り、年齢と共に身長が高くなる。スピードやアジリティはどうしても若い方が上だとすると、ポストプレイやポジション取りに優れた大型の選手が生き残っているのではないか。

そして、どのポジションも大卒選手が入るタイミングで平均身長が下がる。大型選手は比較的高卒で入団していることが考えられる。大型選手は高校卒業時点で先食いされる、もしくは高校サッカーやユースで活躍しているということになる。更に付け加えると、華々しく高卒で入団した大型選手が数年目(大卒入団)までに芽が出ず引退した可能性も若干かんがえられる。


年齢とポジションには相関関係がありそうだ。

年齢と共に守備的ポジションの選手の割合が増加する。

こちらのグラフでも同様のことが分かる。


早熟晩熟の観点のヒント↓

GKは身体面はもとより、精神面やスキル面の成熟さが必要とされるポジションなのだ。
DFがベテランになりパワーやアジリティが落ちてくるときの生き残りポイントは身長ではなく、戦術理解がキーになる。
MFは身長の高さではなく、とにかくアジリティが求められる。ベテランの生き残りのポイントもアジリティの維持と怪我の防止。もしくは戦術理解度を上げて守備的MFへの転向もあるだろう。
FWはサイズとアジリティが必要とされ、ベテランになりアジリティが落ちてきたときの生き残るポイントは身長の高さである。これは成人になるとどうしようもできない能力である。

考えられることとしては、身体的か精神的か技術的かは別として、早熟は攻撃的ポジションに多く、晩熟は守備的ポジションに多いのではないか。それは若手とベテランにおけるポジション毎の構成比率から想定される。


若さの特徴は一般的にアジリティやスピードであろう。
ベテランは、経験やポジション取りやメンタル面などだろう。

その特徴とポジション特性を重ねると、
若さ=攻撃的ポジション
ベテラン=守備的ポジション
と訳しても不思議ではない。

身長でみれば、
GK > DF > FW > MF
となる。

Jリーガーをステレオタイプとして、「ジュニア年代」の選手をイメージしてみる。(GKは特殊なので除く)
ステレオタイプとしては、若手のJリーガーでいこう。
■DFの選手 身長は高め、戦術理解は並みから高め、アジリティは低め
■MFの選手 身長は低め、戦術理解は高め、アジリティは高め
■FWの選手 身長は高め、戦術理解は低め、アジリティは並みから高め

もちろん、強豪の町クラブやJ下部のジュニアチームは、全ての能力を持っているいる選手を8人以上揃えていると思うが、まあ、チーム内での相対的なこととしてみてほしい。

早熟を語る上では、上記のステレオタイプがヒントになりそうに思うのだが、いかがだろうか?



今回はここまでだが、このブログは時折加筆訂正する予定

第十六回に続く
次は生まれた年齢層別・Jカテゴリ別の傾向をみてみたい。