自民党のTBS取材拒否問題を考える | 西陣に住んでます

自民党のTBS取材拒否問題を考える

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大衆の感情のバランスを失わせる報道を行っているマスメディアの筆頭といえば、私はTBSテレビであると考えます。

「みのもんたの朝ズバッ」「関口宏のサンデーモーニング」などのニュースショウや「報道特集」「NEWS23」などのニュース番組において、悪辣なテクニックで視聴者を一定の方向に誘導する偏向報道が行われていて、これまでに私もブログ記事で時折指摘しているところです。

[関口宏のサンデーモーニングの石原バッシング]
[みのもんたの朝ズバッの大研究(1)]
[みのもんたの朝ズバッの大研究(2)]
[みのもんたの朝ズバッの大研究(3)]

そのTBSに対して、7月4日、自民党がニュース番組「NEWS23」の6月26日の報道内容に「視聴者が誤解するような内容があった」として、TBSの取材や番組出演を拒否することを発表しました。
この取材拒否は7月5日夜に解除されましたが、そこまでに至るプロセスにおいて、TBSの悪質なスタンスを垣間見ることができます。この記事では、この一連の内容を時系列に沿って考えてみたいと思います。

まず、NEWS23で自民党が問題視した個所は次の通りです。

12013/06/26 TBSテレビNEWS23



この放送内容を受けて自民党が次のような文書をTBSに送付しました。

22013/06/27 報道内容に対する抗議
小此木八郎自民党筆頭副幹事長→西野智彦TBS報道局長

[全文]

この抗議文において、自民党はTBSの報道内容を次のようにまとめた上で

「NEWS23」の報道で、自然エネルギー財団の大林ミカ氏の「非常に、あの、許せないですね。やっぱり、政争の道具にされていますね。(一部省略)問責決議案の前に、法案の採決をしようという動きもあったわけですから、結局与党がそうしなかったというのは、もともともしかしたらシステム改革法案を通す気がなかったのかも。非常に残念ですね」という発言が紹介された。この発言の前後で、報道の主眼が政界のドタバタにあることを明かしたうえで大林氏の立場を紹介、それに引き続いて上記大林氏の発言が紹介され、最後にナレーションが「その他の重要法案も廃案となった」と締めくくった。

この報道のどこに問題があるかを次のように示し、

この番組内容の構成は著しく公正を欠いたものである。大林氏は電気事業法改正案の利害関係者であり、同氏の発言は明らかな間違い、あるいは民主党など片方の主張にのみ与したものである。問題なのは、公正公平が求められるべき報道番組のつくり方に対するTBSの姿勢である。もし「政争の具」、また「政界のドタバタ劇」であれば、双方に主張がある。大林氏の発言が正確でないことは報道記者が当然気づくべきであり、客観的な状況を正しく伝えた上で収録し直すこともできたはずである。それにもかかわらずTBSの番組内容は「与党がそうしなかった」と廃案の責任が与党にのみあるとの発言を報道し、電気事業法改正案の利害関係者のコメントを持って、ナレーションにより他の法案が廃案になった責任も与党にあるとの構成になっている。

TBSに対して報道スタンスについての回答を求めました。

自民党として、参議院選挙目前の時期に今回の報道は看過することが出来ず、厳重に抗議するとともに明快な回答を求める。

このように自民党がTBSに対して明確な抗議を行った点について、私は至極当然なものであると思います。NEWS23では、国政を左右する参議院選挙が始まる前に、エネルギー問題のステイクホルダーである大林ミカ氏の「感想」をもって今国会の結果の総合評価をしているわけです。TBSはこの大林氏のコメントを適正であると直接的に支持を言及しているわけではありませんが、これがまた悪質なところです。自民党が指摘するように、NEWS23では「エネルギー関連法案不成立」と番組の見解である「政界のドタバタ」と大林氏の発言である「与党の政争の道具」「他の法案も不成立」を前後に並べて説明しています。これは、"Juxtaposition"という聴き手の感情のバランスを失わせて欺く方法の一つです。それぞれ関係性が明確でない内容を並列させることによって、それらがあたかも関係性を持っているように連想させるものであり、TBSが最も得意とするアンフェアな"Suggestion"の手法です。なお、「政界のドタバタ」と「政争の道具」などという言葉はおきまりのnegative image wordです。こんなイモーショナルランゲージを駆使する報道は稚拙としか言いようがありません。

このような自民党からの抗議文に対してTBSは翌日に回答しました。

32013/06/29 TBS南部プロデューサーからの回答
南部雅弘TBS報道局NEWS23プロデューサー→小此木八郎自民党筆頭副幹事長

[全文]

西野智彦報道局長宛の抗議文が、南部雅弘NEWS23プロデューサー名で返信されてきたようです。その内容の要旨は次の通りです。

当該ニュースは、通常国会最終日の模様および重要法案が廃案となったことなどについて、様々な立場からの多様な主張・発言を伝えようとしたものです。しかしながら、今回貴党より民間の方の発言などに関してご指摘を受けましたことは、私どもとして誠に遺憾であり、今後より一層の公平公正を期してまいる所存です。

この回答には2つの問題点があります。一つは、「様々な立場からの多様な主張・発言を伝えようとした」としていることとは相反して番組では一人のステイクホルダーの一方的な意見のみを採用していることです。「~しようとした」という願望を実現できていないことに関する理由を述べることなしにアカウンタビリティーを果たしているとは言えません。取材対象には不謹慎なまでに追及するTBSが、自らが回答者になった場合に卑劣に逃げるというのはいわゆるダブルスタンダードです。また、「民間の方の発言などに関してご指摘を受けましたことは」といって、自らの責任を回避していることは、TBSが相手を批判するときの常套手段である「トカゲのしっぽ切り」に他なりません。先に示したように、TBSはJuxtapositionで相手を批判していることは明らかであるにもかかわらず、大林氏に責任を転嫁するようなスタンスは極めて卑劣であると言えましょう。

自民党はこの回答を不十分としてさらなる回答の要求を行いました。

42013/06/29 貴殿よりの回答について
小此木八郎自民党筆頭副幹事長→南部雅弘TBS報道局NEWS23プロデューサー

[全文]

その内容の要旨は次の通りです。

回答内容は当方の問題意識並びに指摘とは遠く隔たっている。
「様々な立場からの多様な主張・発言を伝えようとしたもの」いるが、公正・公平を旨とする報道番組として、与党側の主張にも意を用いるべきである。民間人のコメントを借りて、廃案の責任がすべて与党側にあるように視聴者が受け止めかねない番組づくりは、到底公正・公平とは言えず、回答にはこのことに対する問題意識がまったく感じられない。
また、わが党は民間の方の発言そのものはまったく問題視していない。わが党は、貴殿がおそらく「発言等」と曖昧に表現された、「等」の部分、まさに番組の構成のあり方に疑問を持ち、明快な回答を求めている。言ってみれば、論点の巧妙なすり替えであり、この点においても貴殿よりの回答は誠実さに欠ける。
あらためて貴社に対するわが党の抗議とするとともに、報道内容が公正・公平を欠いたことに対する謝罪、NEWS23番組上における謝罪と訂正を求める。


理由を明確化した適正な抗議であると私は思います。

その後、この自民党の抗議に対するTBSの回答はなく、自民党は

「参議院選挙公示日の7月4日に至るまでTBSテレビ側からは誠意ある回答がなく、やむを得ず、党役員の出演や取材に関して一時停止を通告したところです。」

としてTBSの取材や番組出演を拒否することを7月4日に発表しました。

この自民党の発表に対して、マスメディアが報道しました。

52013/07/04 自民、TBS取材拒否 報道内容に抗議

[産経新聞]

産経新聞の報道の要旨は次の通りです。

自民党は4日夜、TBSの報道内容が公平さを欠いているとして、党幹部に対する取材や幹部の番組出演を当面、拒否すると発表した。6月の通常国会閉会に関する報道内容に問題があったとしている。参院選の選挙期間中に報道機関の取材を拒否するのは異例だ。
TBSは4日夜、「放送内容について自民党から抗議を受けたことは残念だ。引き続き理解を得られるよう努力する」とのコメントを出した。(後略)


この取材拒否によって、自民党は、選挙運動期間中に自らの主張をTBSの番組で主張することができないというデメリットが生じます。ただし、公正中立を放送法で求められているテレビ局が、最大勢力の自民党抜きで他の党に番組で主張させるなどと言うことが実際上できるかとなると、かなり難しいと考えられます。

ここで、自民党の批判マシーンと化している民主党の[細野氏][蓮舫氏]がツイッターでお決まりの自民党批判を始めます。そして、TBSとの繋がりが深い毎日新聞が、次のような記事を書きました。

62013/07/05 自民党:TBSの取材を拒否 「NEWS23」内容問題視

[毎日新聞]

この記事は同業者からのあからさまなTBS擁護といえるかと思います。

自民党は4日夜、TBSの報道番組「NEWS23」の6月26日の放送について訂正と謝罪を求めたが、誠意ある回答を得られていないとして、TBSの党幹部への取材や番組出演要請を当面拒否すると発表した。これに対し、メディアの専門家からは批判的な意見も聞かれた。
党総裁・幹事長室名の発表文によると、訂正を求めたのは6月の通常国会閉会に関する報道で、「電気事業法改正法案など重要法案の廃案の責任がすべて与党側にあると視聴者が誤解するような内容があった」として、公正公平を欠くと抗議したという。
大石泰彦・青山学院大教授(メディア倫理)は「自民党の出演拒否は珍しいことではない。与党時代の2003年、民主党の影の内閣を特集したテレビ朝日の番組を『偏向だ』と批判、4カ月間拒否した例は有名だ」と話す。そのうえで「放送内容に法律上、倫理上問題があったかどうか検証が必要なケースもあるが、政党は公の場で堂々と反論すればいい。テレビ放送は免許事業で権力の影響を受けやすく、出演拒否は圧力と取られ、報道や表現の自由を萎縮させかねない。為政者のすべきことではない」と批判する。
ジャーナリストの江川紹子さんは「自分とは違う意見に対し『倍返し』をしようとする一種の脅しで、『お子ちゃま』的な対応」と指摘。「党のPRのために言論を利用することしか考えていない姿勢がよく表れている。ましてや今は参院選のさなか。各党の主張をテレビで知ろうとする市民は多いはずで、常軌を逸した対応だ。報道機関の対応も問われる」と話した。【林奈緒美、井上英介】


まず、大石泰彦青山学院大教授のコメントは、取ってつけてきたかのような権威論証であると考えます。原発問題では、原発関係の学識経験者を「原子力村の御用学者」などとコメンテイターにレッテル貼りさせるわりには、自分達の評価については、ちゃっかりメディア業界に深く関わった人物に擁護させるなど最低のダブルスタンダードだと思います。「政党は公の場で堂々と反論すればいい。テレビ放送は免許事業で権力の影響を受けやすく、出演拒否は圧力と取られ、報道や表現の自由を萎縮させかねない。為政者のすべきことではない」というマスメディアの不誠実な実状をまったく説明ぜずに一方的にマスメディアを擁護する理想論は、マスメディアを腐敗させ、政権交代をコントロールするほどの権力を持たせるに至った原動力であるかと思います。江川紹子氏のコメントは常軌を逸しています。「自分とは違う意見に対し『倍返し』をしようとする一種の脅しで、『お子ちゃま』的な対応」などという表現は、単なるB層受けする大衆に訴える論証です。また「党のPRのために言論を利用することしか考えていない姿勢がよく表れている」などと決めつけていることに何の論理的根拠もなく理解に苦しみます。このような人物が「ジャーナリスト」なる肩書きで「感じ」でものを言っているのは危険としか言えません。そして、このような二人の稚拙な意見を権威論証として使って立論しようとしている毎日新聞には、同種の手法を多用するTBSと同様の危さを感じます。

一部のマスメディアは菅官房長官にも自民党のTBSに対する対応について問いかけました。

72013/07/05 菅官房長官記者会見



ただし、論破することはできないばかりか、むしろ空しい質問に終始しているかと思います。

そして、TBSの報道局長が石波茂自民党幹事長に対して次のような回答をしました。

82013/07/05 報道内容に対する抗議
西野智彦TBS報道局長→石波茂自民党幹事長

[全文]

その内容の要旨は次の通りです。

弊社としましては、「問責決議可決に至る過程についての説明が足りず、また民間の方のコメントが野党の立場の代弁と受け止められかねないものだった」等と、御党より指摘を受けたことについて重く受け止めます。

結局、TBSは自民党に対して謝罪をしたわけです。

この謝罪を受けて、自民党は次のような見解を出して取材拒否を解除しました。

92013/07/05 TBS 「NEW23」への抗議を巡る経過

[全文]

その内容の要旨は次の通りです。

こうした状況を受け、7月5日夕刻、TBSテレビの西野智彦報道局長が小此木八郎筆頭副幹事長、萩生田光一総裁特別補佐を訪ね、「ご迷惑をおかけしました」、「問責決議可決に至る過程についての説明が足りていなかった」、「民間の方のコメントが野党の立場の代弁と受け止められかねないものであった」等、わが党の指摘を重く受け止めるとのことでありました。
更に、「今後一層様々な立場からの意見を、事実に即して、公平公正に報道して参る所存」とのことでしたので、わが党としてもそれらすべてを合わせてTBSテレビ側からの事実上の謝罪と受け止め、党役員の出演や取材に関して一時停止を解除しました。


このようなTBSの謝罪に対して、自民党が取材拒否を解除したことは大人の対応であったと思います。

ただし、問題はこれで終わりませんでした。なんと、龍崎孝TBS政治部長は放送内容について訂正・謝罪はしていないとコメントを出しました。

102013/07/05 自民党:取材拒否を撤回…「TBSから謝罪あった」と

[毎日新聞]

この記事のポイントは次の通りです。

◇TBS「謝罪でなく回答」
TBSの龍崎孝政治部長は「本日、報道局長が自民党を訪問し、抗議に対し文書で回答するとともに説明したが、放送内容について訂正・謝罪はしていない」とのコメントを出した。


この龍崎孝政治部長の「謝罪はしていない」というコメントから以前のこのおバカな騒動を思い出しました。

[韓国が不都合と思わない真実(2) ]

自民党はすぐにでもTBSに対して再び取材拒否を行うべきであると考えます。悪質な偏向報道を反省しないマスメディアに断固たる行動を取るのはけっして悪いことではないと私は考えます。



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