「みのもんたの朝ズバッ!」の大研究(3) 見せかけの正義の味方 | 西陣に住んでます

「みのもんたの朝ズバッ!」の大研究(3) 見せかけの正義の味方

西陣に住んでます-みのもんたの朝ズバッ



「みのもんたの朝ズバッ」で繰り広げられるイモーショナル・ランゲージの続きです。


[みのもんたの朝ズバッの大研究 総合案内]



メモ2013/05/03 「18歳」確定へ 国民投票(毎日新聞)


みのもんた氏:どうしても僕なんかの世代は問題の行くつく先は、じゃあ軍隊が生まれるのか?」


与良正男氏:だからその話に戻って、本質は96条の話ですよ。僕は96条を改正するってのは反対。やっぱりあの憲法ってのはあらゆる法律の上位に立つべきですからやっぱり・・・


恐怖に訴える論証が用いられている典型的な例が憲法改正論議です。多くのアジェンダで問題が顕在化している日本国憲法ですが、少しでも議論が起こると、一部マスメディアや一部政治家は、「軍靴の音が聞こえてくる」などの恐怖に訴える論証で国民の感情のバランスを失わせるのが常套手段となっています。このように、国民の代表でもないマスメディアが、「政治をチェックする」ことにとどまらずに、「政治を検閲する」ことを行っているのは大きな問題かと思います。



メモ2013/05/03 猪瀬都知事、今度はツイッターで物議


みのもんた氏:僕なんか今の見てるとさ、記者団を敵に回すような発言になっちゃってる。折角そこに集まってくれている記者団を味方にしないとね。本当ですよね~。


与良正男氏:謝るのへたくそですよね。というか謝りたくないんだと思うんだよね。やっぱ自分は絶対悪くないって言うね、いつもまぁ猪瀬、今に始まったんじゃなくて反論されると剥きになって絶対自分負けないっていうね。異論認めないってみたいなとこあるんで、少しもう冷静になった方がいいですね。


私が問題だと思うのは、みのもんた氏の「記者団を味方にしないとね」いう発言です。これはマスメディアに対して機嫌に訴える論証をするようススめていることに他なりません。いみじくもこの発言から、「マスメディアの機嫌をとらないと、不利なことを報道される」ということ、また「マスメディアは機嫌をとられると、機嫌をとった側に配慮した内容を報道する」ということが存在することが証明されます。これは脅しと言えます。一方、与良正男氏は、猪瀬都知事を「猪瀬」と呼びつけにして下品な人格攻撃(人格論証)をしています。



メモ2013/05/06 立件見送り視野 原発で東電幹部ら


みのもんた氏:活断層があるところの上には建てちゃいけないってあれがあるってことは、地震大国日本ってこと、地震と津波がつきもんだってことは当然わかると思うけど。だって何のために活断層の上には作んないっていったの?地震が来たら危ないわけでしょ。地震が来れば津波がつきもんだってことは誰でもわかるんじゃない。それでも知らなかった、想定できなかったっで済むの?


柿崎明二氏:予見できなかったんじゃなくて、予見しなかった。そんな感じがしますね。


みのもんた氏は、問題を過度に単純化(Oversimplification)し、罪悪感に訴える論証プライドに訴える論証を展開しています。柿崎明二氏は、明らかに個人の印象で人を批判していますが、このように根拠を欠いた批判は単なるイジメにすぎません。そして、こういう言葉が世間的にはウケて独り歩きしがちなんですよね。



メモ2013/05/09 川口委員長"解任"めぐり憲政史上初の異常事態


北川正恭氏:この問題の前にですね、参議院なんですよね。参議院っていうのは普通良識の府って言うんでしょ。やってることは最近まったく不良識の府になっているということを本当にね、私心配するんです。両院があって、衆議院は多数決で決めなきゃいけない権力の府であっていいですけども、参議院は少なくとも衆議院と違うことしなくちゃいけない。ところがこっち本当にひどい話で川口環境委員長も大問題だと思いますよ。今安倍内閣は丁寧な運営しなくちゃいけないのに自分の勝手に延長申し込んでおいてダメで強行するってことが本当に私許されるかどうかって思います。今度は野党は野党でですね、この野郎今日するぞってなこと言ったら、与党が欠席しちゃったっていったいもうどういうことですかね。自分達が出した予算を審議するのに与党が欠席なんてこういう傲慢な与党運営は大変禍根を残すと思うし、野党ももちろんここで本当に大切な尖閣の問題等を話し合うとしたら話し合いを先にして進めて行く良識の府の働きがなけりゃあいけないと私本当に思うんですけどね。


小松成美氏:まさにみのさんがおっしゃったとおり、最初に元々川口大臣が前外相としてですね、委員長として中国の前外相と会談すると、それが本当に国益に担うものだったのかどうかということですね。それを強行し、今度はこうした事態になって今、与党が欠席すると言うなんか本当に日本の国会なのかと思ってしまうような。これこそが国益にとって最もマイナスな状況である、皆が国益を考えたはずなのに現状としては最悪の最低な事態になっている。本当にこのままでいいのか。恥ずかしい思いがちょっといたします。


みのもんた氏:ものすごい経費かかるんですよ。


小松成美氏:そうです。


金井辰樹氏:さっき高村さんが「ガラパゴス国会だ」という批判をなかなかインパクトのある言葉で、高村さんが言ってたのは、解任決議をしてしまうという野党に対してガラパゴスと言っているんだけれども与党が欠席すると言うことも含めてガラパゴスだと本当に思いますね。今、予算審議、参院で最中でわれわれの血税を使ったものが、審議されている中で、どうせ15日に自然成立するからやってもやらなくても同じじゃないのというような空気が与野党で充満している。それは本当に政治不信そのものだと思いますね。


先日[記事] で書いたとおり、川口氏は規則を破ったので解任されてもルール上はおかしくありません。ただし、川口氏が規則を破ったことは、国益という観点からは英断だったと思います。私は川口氏を支持していますし、川口氏を解任した野党を支持しません。一方で北川正恭氏と小松成美氏は思考停止とも言えそうなガチガチの筋論で野党を支持しています。彼らは罪悪感に訴える論証を展開しています。なお、本会議で与党が欠席することは実質的に予算審議に影響を与えません。予算委員会での与党から政府への質問は、基本的に政府案を肯定するために行うものであり、与党が必要ないと考えれば、むしろその時間帯に議員は他の用務を行えることになり、実質的には時間の有効活用になります。また、北川氏は原則を重視した議論を行っている割には、三権分立の基本を理解しているとは思えない非常に不正確な発言を行っています。国会に予算案を提出したのはあくまで政府であり、与党ではありません。今回のようなガチガチの筋論を展開するのであれば、すべてを徹底させて筋論で通すべきであり、自分の都合のよいところだけ「与党が提出した」などとして立論するのは、良識を欠いた悪質な論議と言えます。そしてこのように良識を欠いた議論をする人が、他人のことを良識が欠如しているなどと批判しているのはパラドックスに他なりません。一方、小松成美氏は川口氏の中国での行動が国益にかなわなかったと考えるのであれば、その論拠を述べるべきです。おそらく小松成美氏の以下の発言を聞くと、参議院の委員会における与党質問と野党質問の位置づけがまったくわかっていないのではと思える節があります。



メモ2013/05/09 野党外交より政局 川口氏きょう解任決議

  (産経新聞)


北川正恭氏:予算を審議してくださいと与党内閣はお願いして欠席と言うのは、まず一つはないですから、やっぱりここは与党は出る。ところが野党は今度はそこまで徹底的に行くのかと言う問題をきちっと論議して、そういう順序がいるんですね。だから良識の府、参議院であるべき姿でないと言うのが私の最大の問題だと。


金井辰樹氏:昨日のニュースとかで与党が反発しって普通にやってるんだけど、それ自体がブラックジョークだと思いますね。


小松成美氏:空転すると1億から3億血税が一日無駄になると言われてますよね~。消費税還元セール禁止法案、ものすごく注目していましたので滞りますよね~、審議が。欠席ダメですね~。


罪悪感に訴える論証の続きです。小松成美氏は、「血税が無駄になる」という取ってつけたようなことを発言していますが、予算委員会で政府が野党からの質問を受けている以上、小松成美氏が言うように1億から3億血税が一日無駄になることはありません。与党の質問がないからと言って審議は実質的に滞ることはないからです。もちろん不信任決議をした参議院本会議にしても委員会が終了した後に行っているため委員会の議論を遅らせることには関係しません。また、小松成美氏が注目していると言う消費税還元セール禁止法案は、5月7日の参議院予算委員会ですでに議論されていましたし、5月8日の野党の質問内容には一切入っていませんでした。もともとこの議論は、経済産業委員会を中心として行われている議論であり、予算委員会で多く議論されるような内容ではありません。このような極めて不見識な人物が、堂々と公共のテレビで「国会が空転して審議が滞る」などと誤った風説を流すのは、最低のブラックジョークであり、国益を害するとものと考えます。



メモ2013/05/09 復興予算基金化し、流用 1.2兆円被災地以外にも

  (朝日新聞)


みのもんた氏:抜け道!ずさん!もう一回皆さん見てください。いいですか。4月10日現在、亡くなった方が今のところ15883人!まだ連絡の取れない行方のわからない方が2681人!そして故郷に帰れない309057人の方々の思いを2年経ってよく噛みしめて下さいよ、使う方!こういうことでいいのかどうか!情けないよ!いまだに荒涼とした土台だけだよ。手つかずだもん。何でこのままにしておくんですか。瓦礫の処理がいまだにうまくいかないんです。受け付けてくれないんです。ここは土台になってましたよ。瓦礫は何とか片づけました。でも土地の改良だとか、どういうふうにこれから計画したらいいのか、それもままならない。じゃあここに住んでいた人達は離散。むかし離散という言葉がありましたよ。離れ離れになっちゃうの。もう一度皆さん、この僕の持ってる数字を見ていただきたい。あ~もう時間で止まってますよね。来たときの3.11。30万人を超える人達がいまだに故郷に帰れないんですよ。情けない。


論点とは直接関係のない数字を挙げて、同情に訴える論証を展開するみのもんた氏は、明らかに被災者を山車(だし)に使っています。このような報道は極めて非論理的であり、逆に不信感をもつ被災者も多いのではと心配するところです。



メモ2013/05/10 「96条」改正を議論 米国から懸念の声も


与良正男氏:僕は先週も言いましたけど、96条の改正っていうのは反対です。それから96条の先行させる、ましてやね。それだけを先行させるっていうのは反対だというのは先週も言いましたけど・・・(中略)だから、よくドイツは戦後50何回改正したっていうけどドイツも要するに3分の2以上なんだよね。で、議員が議論した結果、そういう形で改正するということをやってる。そこをねちょっと勘違いしたらいけないですね。


毎日新聞社論説副委員長の与良正男氏がコメンテイターとしてテレビで自論を述べるのは放送法に抵触することではありません。ただし、放送法における公正中立という観点からすると、この人物に異論を唱える人も同時に番組に出演させるべきです。与良正男氏は、2009年の衆議院選挙の前に、民主党をテレビで大絶賛して政権交代に大きく貢献しました。このような与良正男氏の一方的なプロパガンダによって踊らされた国民がどれだけいたかはわかりませんが、与良正男氏の主張と、多くの国民が民主党政権により被ったと考えている取り返しのつかない多くの不利益は、明らかに相反するものです。なお、国民性の違いからドイツ国民の2/3と日本国民の2/3ではハードルがまったく異なることも客観的なデータから容易に予測できることも併記しておきます[→過去記事] 。「ドイツもそうなのだから日本もそうだ」と言う立論は、情勢に訴える論証と言えます。



メモ2013/05/14 「もんじゅ」「地下水」原子力政策2つの壁


みのもんた氏:福島の原発の目の前に広がる海は太平洋、アメリカまでつながってるんですよ。メキシコまでつながってるんですよ。しかもこの間、何かでやってましたけど、太平洋をこう潮の流れがある。大~きく。海の水はその流れによってぐ~っと回ってるわけですよ。そうすると、もし汚染された水が海に流れ出ると、太平洋上にず~~~っと流れていく。それが一つと、もし汚染された水が福島の原発沖の海水にあってそれを食べているプランクトン、そのプランクトンを食べている魚、その魚を食べるさらに大きい魚というこの連鎖っていうのは、すごい速さで広がるんだよって誰か言ってましたね。


潟永秀一郎氏:とにかく、両方に共通しているのはですね。信用なくしてるってことなんですね。だから、地下水は確かにきれいなんだけれども、今までさんざんウソ言っているから信用できない。だからそれが問題。ウソばっかり言ってきたからもんじゅもちゃんとしますったって信用されない。


まず、みのもんた氏は主張の出典を述べるべきです。「誰かが言ってた」ことを公共の電波で放送するにあたっては、その信憑性を示す必要があります。噂っていうのはすごい速さで広がります。さて、潟永秀一郎氏は、極めて悪質な信用に訴える論証を行っています。「地下水は確かにきれいなんだけれども今までさんざんウソ言っているから信用しない」などというのは、まともな大人の発言ではありません。TBSはすぐにでもこのような誤謬を公共の電波を使って堂々と世間に向かって発言する人物を番組から降板させるべきです。テレビを観ているのはしっかりとした常識を持っている大人だけではないはずであり、国民に与える悪影響も大きいと思います。



メモ2013/05/14 「慰安婦必要だった」維新・橋下代表(毎日新聞)


潟永秀一郎氏:戦争という特異な状況下にあっては、こういうこともかつてあったと、で、米軍に対して言ったのは「今もそうじゃないんですか?」っていうようなことをおっしゃったわけなんですけど、それは非人道的、戦争の異常性をこそですね、だから戦争をやっちゃあいけないって話なんですよ。それを戦争になったらこういうことあっていいんだよって言うのは、本末転倒でしてね。(失笑)何を。で、こんな言い方したくないですけど、間違った男の論理だと思いますね。で、将来もしかしたら総理になるかもしれないって言う人が、自覚があればですね、こんなこと言えないはずですけどね。


橋下氏は「戦争になったらこういうことあっていいんだよ」などという発言は一切していません。ある人物が真実でもないことを「犯した」と主張してそれをもってその人物批判すると言うのはストローマン(Straw man)と呼ばれる詭弁です。橋下氏がいろいろと批判を受けていることから、潟永秀一郎氏は、情勢に訴える論証を展開しているものと考えられます。潟永秀一郎氏は極めて悪質で有害な人物と言えます。



メモ2013/05/14 漁業者了承せず先送り 福島第一地下水放出

  (朝日新聞)


潟永秀一郎氏:国の責任でやるべきだと思いますよ。もう東電、過去実際に流しちゃって、それで実際に風評被害が出てるわけですから、風評と言うか、実際に流しちゃったわけで、あのごめんなさい。もうその信用がないんですよ。だから漁師さんも、まさに不信ですよね。だったら国がきちんとやろうと。責任を持ちますと。やらなきゃいけないことはやらなきゃいけないんでしょうけれども、それがどこが主体となるかってことも、本当にきちんとした方がよいと思います。


信用に訴える論証同情に訴える論証を行っています。風評被害と言うものは主として報道によって生じるものです。報道に携わる人間が風評被害というものの存在を察した場合には、それをそのまま放置することなしに誤解を解くよう試みるべきです。信用がないなどと堂々と放置しているのはマスメディアに関わる人物として許しがたい行為と言えるかと思います。TBSはすぐにでもこの人物を降板させるべきです。



メモ2013/05/14 ハムやピザ実質値上げ 容量減らし平均8%

  (日本経済新聞)


みのもんた氏:だから私言ったでしょ。円安円高簡単に考えるなよって。それは物を売ってたくさんお金もらう人はいいでしょ。物を買ってたくさん払わなきゃいけない人はつらいです。しかし、物を買ってたくさん払わなきゃいけない人は比較的レベル的に言いますとですね、庶民感覚に近ければ近いほど、高いお金を出して買わなきゃいけないってそういう決まりになってるんですよ。はっきり世の中の仕組みが。


みのもんた氏は「物を買ってたくさん払わなきゃいけない人はレベル的に言うと庶民」と決めつけています。「庶民感覚に近ければ近いほど、高いお金を出して買わなきゃいけないってそういう決まりになってる」とはいったいどういう根拠のもとに発言しているのでしょうか?これは、グループへの帰属意識を刺激して感情のバランスを崩すという情勢に訴える論証です。もっと言わせてもらえば、製品にかかる莫大な広告料金をとっているのは民間放送局であり、その出演者です。庶民感覚というものを理解しているのであれば、日本で最高の平均年収を誇るテレビ業界とみのもんた氏は過度な収入を還元すべきではないのでしょうか?



メモ2013/05/16 敦賀廃炉の公算大 2号機活断層認定(毎日新聞)


金井辰樹氏:そもそもこの断層が活断層なのか地すべりの跡なのかっていう議論があって、地すべりだったらいいけどねみたいな話があったじゃないですか。でもこの前の浜松市の地すべりなんか見てるとね、それだけでも十分恐いじゃないかって、そこの上に原発あるのどうだろうかっていうのが、一般的な人の考え方ですよね。


先の汚染水の議論もそうでしたが、金井辰樹氏は自然科学の知識に欠けていると思います。進行中の地すべりと地すべり跡とは滑動性が本質的に異なります。これは力学的な境界条件が異なるためです。そのような知識の欠如をいいことに「一般的な人の考え方ですよね」というのは大衆に訴える論証を行っています。さらに、地すべりか活断層かで議論になっているのは、敦賀原発ではなく大飯原発です。極めて責任感と正確性を欠いたトンデモ発言です。



メモ2013/05/23 標準時2時間前倒し 猪瀬知事提言(東京新聞)


みのもんた氏:早めるとどんないいことがあるの?あんまりたいしたアイデアじゃないね。


「いいことがあるかどうか自分にはわからないから、いいアイデアではない」とするのは完璧なまでの論理破綻です(笑)



メモ2013/05/27 みのが見た福島原発 進まぬ汚染水対策


みのもんた氏:地下貯水槽に行きました。頑丈な作りにもっとできなかったのかなと一抹の不安もありましたけど、現場ではそれ以上責める気持ちにはなれませんでしたね。


現場ではそれ以上責める気持ちにはなれませんでしたというのは、友情に訴える論証の変化形です。



メモ2013/05/28 "謝罪"の一方"自論"も 会見で収束は?


潟永秀一郎氏:橋下さんの人気って言うのは、根底にやんちゃだけどまっすぐ物を言うというところのかわいげみたいなところがこれまで人気の根底にあったと思うんですけども何か今回の一件で責任転嫁と言うふうにとられてかわいげみたいなところがだんだん失われていって、維新の人気って言うのは結局橋下さんの人気に一本被りですからこれから維新は厳しいところに追い込まれていくんだろうなと。現にどんどん下がってますからね、支持率が。(中略)真意は違うって言うのは、外国人には通用しないですよ。言ったことです。


「かわいげが失われている」などと上から目線で人物評価して批判するのは、誠実に訴える論証の変化形です。それと「真意は違うと言うのは外国人には通用しない」というのはどういう根拠からでしょうか? この外国人をステレオタイプ化する俗説は、外国人差別にもつながると同時に実際にあたらないことも多いと思います。



メモ2013/05/28 外国人記者を前に慰安婦の持論展開


潟永秀一郎氏:沖縄の問題がね、性の問題じゃないと思うんですよ。あれは支配者による差別ですよ。基地がいまだにあること、地位協定がいまだに不平等であること、そういったことが一杯ある中の一つの事件がレイプであって、それは日本を支配しているという、まぁごく一部だと思いますけど、軍人さんの中にね、そういう思いがどこかにあって、それがああいう事件を起こすんだと思いますから。それを性の問題に矮小化するのは、僕はかえって本質を見誤ると思うんですよね。


情勢に訴える論証の続きです。自分の個人的な視線を視聴者に強要するのはやめてほしいところです。このような合理的理由を説明しないままの決めつけは、早まった一般化(hasty generalization)と呼ばれるものであり、自分を高く見せようとする人物にありがちな勘違いです。他人の気持ちを勝手に想像して根拠としているのもかなりナイーヴな論理と言えます。



メモ2013/05/29 女性手帳 配布見送り 「生き方に介入」批判で

  (朝日新聞)


逢坂ユリ氏:私もそう思いますね。やっぱりどちらかというと男性に啓蒙すべきであると思うんですよね。


みのもんた氏:何が問題なの?


逢坂ユリ氏:早く子供を作りましょうということを啓蒙してやはりシングルで長くいて35歳とかになって、40歳近くになるよりも若くの方がいいですよっていうことを啓蒙したいんでしょうけど、それだったらネットでやってもいいでしょうしね。


このような手帳が配布されることで、子作りを啓蒙されたと勝手に解釈して不快に思う逢坂ユリ氏のような人もいれば、妊娠や出産の正しい知識を広めるという手帳の本来の機能が役だって安全に出産ができたと考える人もいることでしょう。すべての人に自分が属しているグループの論理を強要するのはどうかと思います。啓蒙されたくないのであれば、着信を拒否したり捨てれば済むことです。情勢に訴える論証は、グループに属していない人にとってはまったく意味のないものと言えます。



メモ2013/05/29 橋下氏訪米ギブアップ ムダ180万円公費負担

  (デイリースポーツ)


みのもんた氏:まぁこういう問題起きちゃったから、叩くのは簡単だけど、やっぱりいいところは伸ばす。政治家を育てるのも国民ですからね。


みのもんた氏は、たまに建設的な素晴らしい発言をすると思います(笑)。今回の橋下報道でみのもんた氏は、一貫して安易な情勢に訴える論証を避けて、フェアな立場から橋下氏を眺めていたと思います。



メモ2013/05/30 橋下氏に反論する 慰安婦発言誤報の主張

  (デイリースポーツ)


みのもんた氏:橋下さんのような有能な人と僕思ってましたから。(中略)僕が取材で番組で申し込んで大阪に言ったときには市庁舎の表玄関の階段のところまで迎えに来てくれて「ありがとうございます。じっくりお話しましょう」「これは申し訳ない」そしたら靴下はいてなかった(笑)。


みのもんた氏が建設的な発言をする裏にはやっぱり裏がありました(笑)。これは一種の友情に訴える論証といえます。



メモ2013/05/31 2万トン移送 高濃度汚染水(読売新聞)


与良正男氏:しかもこれまでの実績ですとね。土を凍らせて壁を作るって今まで大規模なやつって10年くらいしか実績がないんですって。でそうすると、廃炉にするにももっと何十年とかかるっていう中でまぁ10年以上持てばいいですけども持たない可能性すらあるってこれ既に認めてますけども、そういうような状況なんだそうですよ。


与良正男氏は、凍土工法の本質を理解していないと考えます。凍土壁については、ボーリング位置を変えれば再設置可能です。本質的な評価の規準となるのは、凍土壁のLCCと貯水槽のLCCのどちらがよいか、さらに本質的にはQCDSEの総合評価がどちらが高いかと言うことです。信用に訴える論証の変化形で東電を不当に批判し、伝聞による生半可な知識を大衆に植え付けるのは厳に慎むべきであると考えます。



メモ2013/05/31 大阪市議会大混乱 問責決議案は否決


与良正男氏:ごめんなさい。ちょっと長くなっちゃって。どうしても言いたいんで言わせて下さい。毎日新聞は誤報とまで言われてますので言わせてもらいたいんだけども、私は当時慰安婦施設は当時は必要だったと考えられたけれども・・・


みのもんた氏:誤報ですか?


与良正男氏:誤報じゃないですよ。とんでもないですよ。当時は思ってたけれども今は必要ないと言ってるというわけだけれども、僕、政治家はね、橋下さんね、当時は必要だったとも言っちゃあいけないと思いますよ。当時も必要なかったんだ。そんなもの慰安婦施設なんて作っちゃあいけなかったんだと言わなくちゃダメですよ。ドイツの人達は、当時はホロコーストは必要だったと言いますか?言いませんよ。今、それが世界各国の問題になってるわけだから、やっぱりきちっとすり替えはやめて反省するっていうのが一番だと思います。


与良正男氏は友情に訴える論証でみのもんた氏を仲間につけようとトライしましたが、みのもんた氏は与良正男氏を相手にしませんでした(笑)。なお、ホロコーストと慰安婦を同一のフレームワークでアナロジカルに議論するのは過度な単純化であると考えます。



メモ2013/06/03 アイドル経費に4000万 止まらぬ復興予算流用

  (朝日新聞)


みのもんた氏:だいたいね。いろんな諸外国からね、何億ってお金がね、寄付でもってきましたよ。日本国内からも何億も寄付が集まった。きちっとした使い道がね、あるいはどのくらい残ってどうなのかきち~っとしないとダメだよ。はっきり言うけれど。


みのもんた氏は税金と寄付金とを明らかに混同しています。大衆に訴える論証が先に立ち過ぎて論理が破綻したものと考えられます。



メモ2013/06/03 貯水槽にボートやゴーグル 貯水槽で水遊びか?


みのもんた氏:大切な市民の飲み水の中でこういうバカなことやって遊んだの?たぶんあれじゃない?これは推測だよあくまでも。関係者か職員か誰か遊んだんじゃないの?


耳を疑いました。みのもんた氏は何も理由を述べることなしに、いきなり犯罪の犯人として関係者と職員に疑いの目を向けました。これはめちゃくちゃひどい不祥事だと思います。TBSとみのもんた氏はすぐにでも関係者に謝罪すべきであると思います。日頃から行政側の人物をスケープゴートにして罪悪感に訴える論証をしているみのもんた氏は口が滑っちゃったようですね。



メモ2013/06/05 速度違反の取り締まり 国家公安委員長が疑問

  (産経新聞)


逢坂ユリ氏:私はよく運転しているんですけど、家の近所でもう本当に何でここでっていうところでよく捕まっちゃうんですよね。ここはけっして交通量も多くないし、事故も少ないところなのに、それに何で近所の私がなんて思っちゃいますけどね。


みのもんた氏:僕なんてよく思うんだけれど、おまわりさん、特に交通の取り締まりをする人はスピードを出さないように、危険な運転をしないように、注意を喚起するためにいるんだよ。隠れてて取り締まるなんてもってのほかだ。電信柱の陰に隠れて違反してから出てくるとかね、とんでもない話。そうじゃなくてね。パトカーがいるな。お巡りさんがいるな。気をつけよう。と思うのが普通だと僕は思います。


逢坂ユリ氏:おっしゃるとおり!


みのもんた氏:隠れててね。


逢坂ユリ氏:そうですよ。


みのもんた氏:よくネズミ捕りだとかよく言うじゃない。あまりいい言葉じゃないけどもね。ああいうのは気分がよくないよね。自然とスピードが出るような状態のところを取り締まれってわけでしょ。絶対にスピードが出ないってところには取り締まりに来ない。そう思えば。ここは道路の上に直通だからやるなってところに来るんだよ。


逢坂ユリ氏は、交通量も多くなく事故も少ない家の近所でスピード違反で捕まることに不満を持っているようです。一方、みのもんた氏は隠れてスピード違反を取り締まることはもっての他だと主張し、逢坂ユリ氏もこれの考えに賛同しています。まず逢坂ユリ氏は、公共の電波を使って明らかに自身の法律違反を正当化しています。ただ、交通量も多くなく事故も少ない家の近所でもスピード違反はスピード違反です。そんなことを認めたら日本は無政府状態になってしましますし、そもそもこういう慢心が事故を引き起こすのではないですか?この逢坂ユリ氏の大衆に訴える論証ともいえる極めて傲慢で無責任で危険な発言を無批判で放送したことについて、TBSは逢坂ユリ氏を降板させるとともにしっかりと謝罪すべきであると考えます。みのもんた氏の「電信柱の陰に隠れて取り締まるなんてもってのほかだ」などという発言もひどい発言だと思います。警察が常に隠れることなく取り締まりをやることになったら、警察が不在の場所では違反が公然と認められる状態になります。自動車を運転しているのは、けっして常識ある人ばかりではありません。極めて大きな死亡リスク(2011年の年間死亡者4611人)がある交通事故災害に目をつぶって、このような非常識発言をするみのもんた氏に対して、TBSは厳重に注意すべきであると同時に、視聴者に謝罪するべきであると考えます。



メモ2013/06/07 八尾空港にオスプレイ "橋下提案"の波紋


みのもんた氏:マスコミはこれどのように対応したらいいんですかね。
与良正男氏:沖縄の負担を分かち合うと言うことについては、非難すべきじゃないと思いますね。(中略)みなさん思うと思いますけど(中略)やっぱりそこの動機をね、やっぱりわれわれどうしても感じてしまう。
吉川美代子氏:この時期、橋下さんがこういうことをおっしゃってもやっぱりパフォーマンスかなって思われてしまうのは残念だなって思います。


「マスコミはどのように対応したらいいか?」などという発言は、本当にどうしようもない発言であると思います。「非難すべきこと」でなければ、容認すればよいことです。勝手に動機を推察して、そのことで批判するなど本末転倒です。情勢に訴える論証は終わりそうもありません。



メモ2013/06/12 飛ぶボールに変更 嘘つきNPB


逢坂ユリ氏:これで国民の気持ちもますます離れると思うんですよね。やっぱり若者って青春を託すじゃないですか。その若者も離れて行くのが怖いですよね。


国民の気持ちってすでにプロ野球から離れているんですか?プロ野球のボールが変わったことで若者が離れて行くんですか?大衆心理の捏造による大衆に訴える論証の展開です。





以上、ざっと見てきましたが、「みのもんたの朝ズバッ」の根底には、イモーショナル・ランゲージが蔓延していることがわかるかと思います。