展覧会のお知らせ | 高橋和正 油彩

高橋和正 油彩

制作日記、展覧会案内等

本日3月17日より国立新美術館にて展覧会が始まります。

昨年は作品陳列までは行いましたが、新型コロナの影響により緊急事態宣言のもと、一般公開には至らずでした。

今年も依然油断できない状況に変わりはありませんが、開催される事になりまして、先日のブログで公開しました静物画作品を出品させて頂きます。


サイズは特寸の30号で、昨年同様、第4室に展示して頂きました

 


美術館照明の特性と言いますか、会場で作品の改善すべき点がとりわけ浮き彫りになる感じは毎回の事なのですが、またそれを克服する事が改善の余地でもあるので、妙な話、まだ楽しみと希望が残っている感じでもあります。


今回は静物だけに、構成は思う存分好き勝手に展開できた分、人物や風景の様に、描く対象頼みで、ある程度画面構成ができる、助けられるという訳にはいかず、その面での最初から約束されてはいない画面の華やかさを全て一から演出する必要性があるなと感じながらの制作でした。


それから、いつも通りな締切との闘いでしたが、最終的にどんな手法を採ろうと、ある種プロトタイプ的な見せ方であろうが、人目に触れてもいい所迄に持っていく訓練にはなったかなという感じでした。

売り物として発表するならまた別の話になってくるのですが、完全に自分のスタイルが確立されている訳ではないと言うか、久々のモチーフに取り組んだからこそ、ああしてみたいこうしてみたいという事が後から後から発生した感じでした。

その辺りの試行錯誤を全てやりきって完成品で出せれば理想的ですけれども、まぁ、それも全て自分のドキュメンタリーという事です


静物画はライティングにせよ配色にせよ、一番端的に自分の性質を表現しやすいので、制作してる時の心地よさはかなりあったなぁという感じです。

人物画で比較的明るくなる傾向にある画面構成は、静物画とは逆に、モデルに対して居てほしい環境を選ぶとそういう事になってくるんだろうと思います。やはりそれも結局は自分が見て心地よく感じる状況設定を求めている事には違いないのですが、静物画よりは自分の内面的要素が反映される率は少なくなるのかなという感じです。要するにモデルにとって幸せな環境設定であるのかという事を重要視していて、それを感じ取れる事がこちらの幸福でもあり、ではその感覚を人々と共有できる形にするべく具体的描き起こしてみましょうかという感じです。

風景は自分が見ていて心地よい、癒される、何か神秘的なパワーが貰える、そんな要素が詰まった場所を選んでいるようです。まだ取り組んだ枚数が少ないので、今後の展開次第でまた新たに見えてくる事もあるでしょう。


…とまぁ、展覧会の案内なのに長々と書いてしまいましたが、今回分かった各々の対象との向き合い方について書かせて頂きました。
本日から開催されます。宜しくお願い申し上げます。