季節が移り暖かい日差を受け、

街のいたるところで桜が咲く。

桜の咲く頃は場所によって違う

ようだ。

 

 

 

入社式のとき、挨拶をのべてい

た同期の彼女と久しぶりに逢っ

た。

この時季、桜祭りが、アメリカ

はじめ世界各国でもたれており、

メキシコでもあったそうだ。


逢った翌朝、ホテルの近くの公

園に出かける。

桜は、七、八分の頃が好きだ。

というのは、雨風にうたれても

散らずに花は落ちないでいる。

桜はこの頃が見ごろで綺麗。

 

公園には、長椅子がある屋根付

きの小さな庵に似た休憩所があ

り、ここで、しばし休憩をした。

 

 

 

鳥が妙にさえずり、樹から樹に

移ってゆくのを眺めていた。

ぼくは、ふと、想う。

 

入社3年後。出張先のホテルで

親しい以上のあいだになり、そ

れ以後逢瀬を重ね、身を焦がす

というのが、癖というのか、病

みつきになってしまった。

 

ふたりの初体験から20年経た。

この間、コロナ禍があり、ウク

ライナ侵攻があり、いいニュー

スはなく、精神疾患になり、病

院暮らしをするはめになった。

 

世の中、何が起こるかわからな

い。

彼女は夫がいるが、脳医学を専

攻し、診療内科を開業し、妹は

気功療養士、セラピストでジム

を経営。ぼくは、彼女の病院と

妹のジムのそれぞれの特別棟の

部屋にて、治療を受けている結

構な身である。

 

 

 

ぼくは、ふと思った。

何が良くて、何が悪いかわからな

いものだと。

ぼくは、艶女医の彼女に感謝し、

幸せを感じている。

 

はやい桜ははやく落ち、遅い桜は

おそくまで咲いているようだ。

遅くても咲く桜もあれば、桜にも

いろいろある。

桜の花の旬というのは、人が言う

のであって、咲いている今が、そ

の桜の旬というのだろう。

 

ソメイヨシノは、八分咲の頃が見

ごろだ。

公園の南側にはしだれ桜が咲くの

を見た。

 

 

 

 

 

2024.4.7

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