映画「怪物」を観た。

少年がたがいに「だれーだ」と名をあてあ

う是枝監督の「怪物」だった。

 

「怪物」(学校)

少年の母は学校にゆく。

校長室には、校長はじめ教頭、学年主任、担任

がいる。

「担任の手が児童の鼻に接触しまして…」、

「あってはならないことで、誠に申し訳なく」

と全員が頭をさげている。

母は校長に「あなたの答えは血がかよってい

ない」とつめより「いったいあなたは怪物で

すか、人間ですか」と問い、母は「ここにい

るひとの目は死んでいる」と言う。

 

 

 

担任(校長)

校長は保護者説明会をもち、担任を休職させ

る。翌朝、児童に「豚の脳と入れ替わる」と、

暴言、加えて暴力を振舞うと新聞に載り、記

者につきまとわれ、恋人との写真をとられ週

刊誌に載る。

事件の真相は如何に。事実はどうだったのか

と、過去にさかのぼり、この事件の謎が解か

れてゆく。

 

少年「友達(少年A)」

少年の友達Aは教室でいじめにあっていた。

友達は男子トイレでドアから出らないように

いたずらされていた。学校の帰途、少年は友

達のAに「ごめんね」と謝り、森の中の廃線

になったふたりの自然のなかの棲家にゆく。

ある日。傷ついた少年Aは介護してくれ優し

少年に身をよせてき、驚いた少年は森へ

飛び出していった。

 

校長「少年(湊)」

かつて孫を自分の車で死なせ、夫が肩代わり

し、勤めていた校長。身心のつかれで休職

後、職場に復帰する。

海の港がみえる音楽室から港を眺めていた校

長と少年。

「わたしもそうだ。ひとは嘘をつかねばならな

いときがある。そんなときは、息を大きくは

きだし」と言い、ふたりで、サックスホーン

を吹いていた。

 

少年(湊と依里)

東京の繁華街。ビルが燃えていた。消防車が消

火にあたるサイレンが鳴り響く。

少年と母は、ベランダからこの火事を見ていた。

星川依里の父親が勤めるビルだった。

夜明け前「少年A」を目撃していた者?が…。

真相は定かでない。

 

土砂降りの日だった。

母と担任は廃車のある暗闇の森にふたりを探

しにゆく。

草花の好きな星川依里と優しい麦野湊。

森の暗闇の穴から抜け出す。晴れた空のもと

海が見える草原の中を愉しそうに駆けぬけて

いく少年ふたり。

 

感想

コロナ禍が過ぎたあと、いいニュースより

むしろ、これって「怪物か」と思うことが

多く起こっている。

不思議な映画で、怪物か人間かと問うてい

るが、「だれーか」と、自身の心にいつの

まにか棲みついているものがあり、幸せは

何かと問いかけてくる。

映画は少年らに将来の希望を託しているよ

うだ。と、想ったりもする。

映画っていいですね。

 

怪物(メモ)

監督:是枝裕和

脚本:坂本裕二

音楽:坂本龍一

 

母・麦野早織    :安藤サクラ

息子・麦野湊(5年):黒川想矢

担任・保利道敏   :永山瑛太

友達・星川依里   :柊木陽太

校長・伏見真木子  :田中裕子

 

小学校の教頭    :角田晃広

担任保利の恋人   :高畑充希

星川依里の父    :中村獅童

 

 

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