day 45

今日は機嫌よく


『おはよう!』


と笑顔で挨拶してくれて、


『ぼく今日頑張ったんだよ!』


と、嫌いな褥瘡の処置を


終えた事を教えてくれた。

咳が少し出ている。

オシッコの出はあまり良くない。

今日は対戦はしなかったけど、


ゲームしているところを見たいと言うので、


私がやっているのをしばらく見て、


終いには下手くそ呼ばわりされていた私…

ここ最近hideのストレスが気になる…


ストレスが溜まっても、


今のhideは、


思いきり何かをするという事もできず、


周りの大人にわがままを言ったりして


困らせるという手段でしか


発散出来ていないように感じる。


でも、溜め込まずに吐き出しているから、


まだ良いのかもしれないな。

早く様々なストレスから


解放してあげたいなぁ…

夜はどうぶつの森のDVDを見た。

胸の水は白さが減ったように見える。


熱の動きに注意していく。


感染症も疑って見ていく。


免疫グロブリンを入れる事も検討する。



愛息子フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病闘病記-20070812




























口腔内:発赤なし。白苔はないが黄色調に変化。

肺野:ラ音なし。エア入りやや不良

心臓:心雑音なし。

腹部:膨満、腸雑音やや弱め

皮膚:浮腫なし、皮疹なし。

WBC 11000

Hb 7.7

Plt 37000

TP 4.8

Alb 4.1

BUN 4.1

r 0.86

UA 3.8

AST 83

ALT 27

T-Bil 51

CK 9

Na 143

K 4.5

CL 101

Ca 10.2

BGA(V)

pH 7.409

CO2 53.9

HCO3 33.4

尿生化

Cr 23

Na 38

CCr 33.2ml/min/1.73sqm

FeNa 0.99

RFindex 1.43


解熱しておりCRPの上昇はなし。

血球は変わらず。

#胸水・呼吸障害

SpO2は90前後で推移。

聴診上、血液ガス上増悪なし。

#腎機能

バランスはまずまず。

ラシックス30mg×4で尿量は確保できている。

CCr横ばい、腎性の機能低下が続いているか。

アルブミン本日で一旦中止。


体温37.3℃ 体熱感ありクーリング継続中。

HR:110-120台 Bp:110/58

酸素5LカヌラにてSpO2:90-91%で経過。

時折88-89%まで経過みられるが、

カヌラの位置や体位調節にて速やかに改善。

日中著明な低下なし。

肺エア入り下肺聴取ほとんど出来ず。

上肺は良好。

乾性咳嗽単発であり。呼吸苦なし。

OUT 170g(Hr)+10g(KOT)/6-12時

バランス+88 ラシックス30mgiv実施。

茶褐色尿に時折血性尿混じることあり。

極小さなコアグラ混入+。

便は黄色-茶色粘液便。

本日11時にて持続投与のアルブミン終了。


『10時にやる。』

『早くしてね。』

『だってさー、これ嫌なんだもん!(泣)』


午前中Nsにて褥創処置実施。

左右側腹部および仙骨部、右臀部の褥創は

軽快傾向にて滲出液なく乾燥している。

生食洗浄し、アズノール+トレックス貼布。

左臀部に2×4cm程の褥創新たに形成あり。

表皮剥離しており、中央部薄っすら赤くなっている。

他の褥創部と同様の方法で処置施行。

午後自分でトレックスを剥がしてしまったため

貼り直し行ったところ、大啼泣し拒否、

ベッド上で大暴れする。

Nsおよび母・祖母に説得され、

30分程してようやく納得される。


『眠いー。』

『眠らして。』

『何かないの。』


夜間2時間程入眠しているも熟睡感なく、

上記の訴え強く聞かれている。

HR:110-120台にて経過。

SpO2:88-90%前半にて経過。

(酸素5Lカヌラ)

側臥位にてSpO2上がってくる。

体温最高37.9度 クーリング継続。

IN-OUT 0-0時 IN1036 OUT782

バランスIN+254

18時閉めIN271 OUT154 便10

バランス+107

0時閉めIN 241 OUT200 便20

バランス+21

6時閉めIN154 バランス+67

呼吸苦の訴えなし。

定期のラシックス実施されている。

本人は眠れない事が一番苦痛を感じている様子。


夜間ラウンド時毎にCV刺入部触っており、

ガーゼ保護剥がれてしまっていた。

包交し直し、上から再度ガーゼ保護し、

掻痒感に対し、ローション塗布し対応した。

固定についても剥がれやすく固定し直した。

剥離が広がることはなかったが、

時折掻爬することあり出血見られる部位あったが、

速やかに止血されていた。

時間毎に体交実施。



Day 44

体重 16.0㎏

昨夜は眠りが浅く、


看護師が病室に来ると


目を開ける事が多かった。


病室に到着すると、


先生と看護師が複数いて、


処置が終わったところだった。


皮膚はだいぶ良くなってきて、


ジュクジュクしているところは


1ヶ所位になった。


午前中SpO2は90前半だったけど、


処置中にフラットにしたベッドの高さを


元に戻すと、89~87に下がってしまい、


鼻カヌラからマスクに変更になった。

レントゲンの所見は、


胸の水はあまり変わらずだけど、


少し影があるように見え、


感染症や肺炎に注意していく。


肝臓の負担を考えて、


カビの薬を中止し、


抗生剤もランクの低いものを使っていたが、


今日からメロペンとファンガードを再開する。


咳が出ないかどうかも注意。


マスクに変える時、


少し咳が出ていたけど、その後止まった。

夕方病棟入口にいるkazuと、


hideの病室にいた私が


マリオカートを通信対戦していたら、


『おかあさん、何かやりたい。』


ってhideが言い出して、


すごく久し振りにマリオを対戦した。


今のhideにはDSを持つのもリハビリ。


20分位やった後、


重くて疲れちゃったから、


対戦はやめて


私がやってるのをながめていた。

kazuと会うのは、


自分が歩いてか


車椅子で出向いて


行けるようになったら


会いたいらしい。



愛息子フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病闘病記-20070811-1


Hbは若干低下傾向あり、その他の血球は横ばい。


週末の採血検査の結果によっては


MAPの投与も必要になるか。


VODに関しては、トータルで見ると


横ばいと思われる。


明日は採血せず、月曜日に


再評価する。


Cre26.1と昨日よりも若干低下気味で


尿量はラシックス30mg4回投与下で


200ml/0-6時 150ml/6-12時


と昨日とほぼ同量の尿量で経過。


輸液のアルブミンをOFFに。


肝機能障害に関しては、


アンモニアが60台まで上昇しており、


肝予備能の低下が危惧される。


明後日の採血で再評価。


呼吸障害に関しては、


午前中はSpO2:93%程度保てていたが、


午後より下がってきた。


酸素5L投与下でベースが


87-89%程度となった。


マスクに変更しベッドアップしたところ、


93%程度まで上昇してきたため、


経過観察としている。


尿量を見ながら、あまりに少ない場合は


利尿薬を増量する必要あり。


また、それに伴い、


電解質などの変化にも十分注意する。


SpO2の低下がある場合には、


酸素投与を増量する必要あり。


午前中褥瘡処置実施。


昨日よりかなり改善しており、


滲出液減少。


仙骨部位のみ滲出液+ 


処置については月曜の皮膚科受診まで


同様の処置を続けるとのこと。


午前中の処置時はSpO2:90%台保てていたが、


午後よりSpO2:80台後半が続き、


本人の呼吸苦もあったため、


酸素5L(マスク)開始する。


末梢冷感軽度あり温罨法施行。


体位右側臥位にする。


SpO2徐々に上がり、


92-93%保持出来ている。


16時本人マスク嫌がり、5Lカヌラに戻す。


HR:120台にて経過。


時折咳嗽あり。


【IN-OUT】IN277cc OUT尿154cc 便45g=199cc


バランス+78


12時ラシックス30mgiv


肺炎あり抗生剤変更


タイペラシンからファンガードとなり


メロペン開始となる。


呼吸状態ふらつきあり、仰臥位であると


顎が閉まってしまい呼吸状態悪く


なってしまっている様子。


しっかりと側臥位にしていく必要あり。



『ねむい~!!』


交替時、5Lカヌラにて92-94%キープできている。


時折ふらつきSpO2:88%まで低下みられたが、


体交や肩枕にて対応した。


21時頃より頻回にSpO2:88%に低下みられる。


体位交換するもすぐに88-89%で経過。


22時頃より酸素マスクは拒否ありできないため


カヌラ5Lとともに酸素マスクを5Lで吹き流すが嫌がる。


入眠後に吹き流しするもSpO2:上昇せず。


Dr報告した。指示にて45度くらいにベッドUPし、


上体挙上するもSpO2変化なし。


肺雑なし。ゼコツキなし。Air入りは浅め。


咳嗽時折聞かれている。


Dr診察にて88-89%は経過観察となる。


以降も88-89%で経過。


1時頃より少しずつSpO2上昇みられ


91-94%で経過している。


朝はマスクを嫌がり当たっていなかったが、


SpO2:90%以上をキープできているため、


マスクの酸素は7時頃にOFFとした。


夜間は眠り浅くあまり入眠できていない様子。


入眠時はHR:100-110台、起床時はHR:120-130台で経過。


準夜帯体温38.2℃へ上昇あり。


クーリング施行し、朝は36℃台。


【IN-OUT】OUT:148ml+40g/12-18時 IN:270ml/12-18時 バランス+82


18時半ラシックス30mgiv


190ml+45g/18-0時 273ml/18-0時 +38


0時ラシックス30mliv 


692ml+145g/0-0時 1063ml/0-0時 +226


173ml+55g/0-6時 256ml/0-6時 +28


7時ラシックス30mgiv


排便は4回あり。準夜帯、深夜帯ともに茶色~黄色粘液便。


フォーリー固定部、デュオアクティブETがはがれること多い。


適宜貼り直し施行した。


朝右臀部の皮膚剥離部より出血痕あり。


止血はしている。アズノール+トレックスガーゼで保護した。


体位交換は聞くと嫌がる時もあるが、


自分からすること言えており、


適宜体交施行できた。


呼吸状態朝にかけて落ち着いたため


体がずり落ちてきやすいこともあり、


ベッドUPは角度を20度くらいに下げている。


  



day 43

体重 15.8㎏ 腹囲 64.6㎝・60.6㎝

血球の数自体はみんな横ばいで、輸血の必要はなさそう。

凝固因子補充の為、FFP投与。


腎機能が昨日と比べて若干悪くなっている印象がある。


ラシックスの投与で尿量は確保されているが、輸液の微調整を行う。

『昨日の夜は(泣き声が)うるさくて眠れなかった』って言っていたけど、


痛いところとかはなく、その他は機嫌良く過ごせていたようだ。


体が痒くて皮を引っ張ってしまう。

午前中ヤクルトを飲んだ直後に、『吐いちゃう!』って言って、少し嘔吐した。


でも、その後は落ち着いた。

今日は自分からは何もやりたがらなかった。DVDを見るかどうか聞いても、


『見ない。』


と答えるわりに、DVDをとりあえずつけておくと、黙って見ていた。

レントゲンを嫌がり大騒ぎで、放射線技師や医師を困らせた…


大泣き、大暴れして疲れてしまった。

リハビリのスタッフが来て、最初は嫌がっていた。


くすぐったりしてもいいから、足を動かしていった方が良い。


布団が足に掛かって重みがかかるのもまずいから、


直接布団がかからないようにするアイテムを使う事になった。



愛息子フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病闘病記-20070810-1

愛息子フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病闘病記-20070810-2

愛息子フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病闘病記-20070810-3

























血球は減少傾向少なく、最近は輸血なしでもほぼ横ばいで推移している。


フラグミンの投与継続で来週より月水金の採血で様子をみる。


VODに関しては、腹囲・体重・ビリルビンともにいずれも若干軽快傾向。


FDP、D-Dimerも若干低下しており、全体的に若干軽快傾向か?


Fbgの低値が認められているために、FFPの補充が必要。


ノイアートを連日使用しているものの、ATⅢはなかなか上昇してこない。


腎機能障害は昨日のCcrは29.9ml/min/1.73m2、FeNa 4.4と


腎性の腎機能障害が悪化している。


尿量も本日は昨日と比較して減っている印象。


ラシックスと輸液の調整が必要。


肝機能障害に関しては、本日のNH3は23と昨日とほぼ横ばい。


ChEの数値が下がっているが、凝固系は改善しており、


全体としてみると横ばいか?


呼吸障害は横ばい。レントゲン上も大きな変化は認められない。


利尿剤は尿量を見ながら、あまりに少ない場合は増量する必要あり。


またそれに伴い、電解質などの変化にも十分注意する。


タクロリムスの血中濃度はやや低めであるが、


FK506の濃度はこのままで。


『早くして~』


処置などをしようとすると啼泣してしまうも、


処置が終了すると穏やかである。


声かけに対しても答えてくれる。


微熱持続し、クーリング実施。


HR:120台ベースにて経過。


酸素5LカヌラにてSpO2:92-94%にて経過する。


適宜飲水実施。


13時に突然少量の嘔吐みられたが、


嘔気持続はしていない。


午後のBPやや低めであったが、


再検して92/52にて経過みることとなる。


排尿少なめにて経過、


血性時折混じるも、コアグラなどはみられず、


詰まっている様子は見られず。


6-12時Hr→80mlにてラシックスiv


バランス+179.5 


日中排便1回あり、茶色の粘液便


本日も褥創処置実施。


褥創の悪化および広がりは見られず。


昨日と同様の処置実施した。


痛がる様子はなく、出血も見られていない。


足のリハビリを実施しようとすると嫌がってしまう。


PTの指導もあり、足が尖足気味になってしまっているが、


現段階でリハビリをすれば何とか元には戻ると。


布団が重みになって足に負担をかけ、


尖足を悪化させる恐れがあるとのことで、


離被架を利用して足への負担が


少しでも軽減されるようにした。


また、他のリハビリも遊びを取り入れながら


実施していくよう指導されており、


家族の理解も良好であった。


夜間は眠りが浅く訪室すると開眼し


再び入眠すること多い。


皮膚の掻痒感あるため掻いているが、


傷ついていることはなし。


水泡部は仙骨部で滲出液見られるが


他は落ち着いている。


後頚部は当てていたガーゼに


出血跡見られたため新しく貼り直し


以降は見られず。


準夜帯で体温38.0℃と上がりクーリング開始。


血液培養検査提出。


翌朝は37.4℃


呼吸状態は酸素5LでSpO2:93-96%と安定している。


air入りは浅め。肺雑なし。


朝方咳嗽軽度聞かれる。


【IN-OUT】OUT:12-18時 160cc+55g IN:295 バランス+80


18:30 ラシックス30mgiv 


18-0時210cc+15g 333cc バランス+118


0:30ラシックス30mg


トータル700cc+121g 1165.5cc


0-6時 200cc+15g 243cc バランス+28


6:30 ラシックス30mgiv



day 42

体重 16.0㎏ 腹囲 62.5㎝・70.5㎝


WBC 10500

RBC 2450000

Hb 8.2

Ht 24.0

MCV 98.0

MCH 33.5

MCHC 34.2

RDW-CV 25.8

PLT 19000

Ret 52.3

血球は昨日と比較してほぼ横ばい。輸血はなしでいく。


凝固系も横ばいでFFPはなし。


血栓の壊れ物の数値は少し低くなってきてはいるが、また高値。


腎機能は横ばい~若干上昇。


電解質は輸液によりだいぶ補正されてきた。


カルシウムの値が上がってきたため、輸液を少し調節する。


肝機能は下がってきており、昨日より横ばい。


ビリルビンは若干上昇。

夜間は浅眠がちだったけど、機嫌は良かったようだ。


午前中に着替えとオシッコの管入れ替えとレントゲンを頑張った。


でも、レントゲンはだいっ嫌いで、泣き方はそりゃ~凄かった。


足首が寝ている時にのびてしまうので、


このままだと固まって曲げられなくなり、歩けなくなってしまうので、


リハビリを少しずつ始めていく。

フラグミンを使う治療で引き続きやっていく。


VODを発症してから時間が経ってきているので、


プロテインC、クリアクターは使わない。


消化器科の医師に相談して、栄養も少しずつとれるようにしていきたい。(できれば口から)

ビリルビンだけ上昇。胸の水も増えてはいない。


皮膚科医が来て、だいぶ良くなっていて、糜爛もほとんどなくなっている。

今日は私にDS(どうぶつの森)をやらせて、しばらく見ていたり、


DVD(これまたどうぶつの森)を見ていた。

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血球は輸血なしで比較的保たれるようになってきた。


血小板などは前回に比べて上がってきている。


赤血球や白血球は横ばい。


今後も血液検査で評価し、適宜輸血の必要があるか評価する。


VODに関してはBilの上昇、体重や腹囲は減少傾向。


INRは横ばい、FDP、D-Dimerなどは若干の改善。


総合的に昨日と比較して状態はほぼ横ばいと考える。


肝機能障害に関しては、ChEのベースがここ数日100台中盤となっており、


アンモニアも上昇してきていることから、肝予備能の低下が危惧される。


呼吸障害は現在酸素を投与しながらSpO2は90台前半となっている。


胸部レントゲンでは悪化の兆候はない。


利尿剤はラシックス30mg×4回で継続していく。


VOD評価目的で腹部および心エコーを施行する必要あり。


『メロンクリームシャーベットがいい!』


声をかけると容易に開眼。


話をすると苦痛の問いや、上記のように自分の希望を伝えてくれる。


12時頃家族が来院。DVDや兄弟の写真を見て過ごされる。


レントゲン撮影や皮膚科の処置など、体動を伴う処置をすると、


苦痛表情で泣いてしまうが、ゆっくりと説明しながら行うことで、


腰上げなどに協力してくれる。


全身および眼球黄染著明。


腹部膨満・緊満も著明。四肢の浮腫はなし。


9:30にバルーンカテーテル入れ替え。


その後時折血尿見られるが、大きなコアグラは出てきていない。


6時-12時 IN266ml OUT300ml(排便1回45g含む)-44


→12時過ぎにラシックス30mgivされる。


皮膚科医師往診。皮膚剥離に伴う出血や滲出液の染み出しは改善傾向。


前胸部・両側腹部・仙骨部のみ洗浄+アズノールを塗ったトレックスガーゼ


+ガーゼもしくはパット保護。


それ以外の部分は痂皮傾向であり、特別な処置は行わず、


ヒルドイドローションの塗布などで皮膚の保湿を保っていくこととなる。


『いたーい』


両足首関節尖足気味。


関節拘縮の予防方法を相談するため、


整形外科(リハビリ)コンサルト。


主に両足首関節と両肩関節の可動域制限


(長期臥床による関節拘縮)が疑われるとのこと。


床上リハビリの適応。ADLの拡大というよりは、


他動運動による関節拘縮の予防を目指していく。


看護計画立案。明日より不定期ではあるが


PTによるベッド上リハビリテーション開始予定。


また本日整形外科医師より本人及び家族にも


リハビリ方法説明あり、表をベッドサイドに掲示した。


今後本人の状況をみつつ、看護師及び家族で協力しながら


リハビリを進めていく。


『早くしてー。ぼく眠いの。』


体温37.4℃ HR110台 入眠中は90-100台


R24 SpO2:92-94%(酸素5Lカヌラ)


BP105/59


ずっとDVDをみており、機嫌まずまずだが、


処置時は嫌がり声を荒げている。


右側腹部の皮膚剥離を中心に掻痒感あり、


自分で皮膚をめくってしまう。


後頭部と胸部の2箇所が再出血してしまい、


ゲンタシン+トレックス+ガーゼにて保護した。


右坐骨部がオムツのギャザーで刺激になりやすく、


滲出液多く、出血にじんでいる。


背中は仙骨部以外に背中中央にも皮膚剥離あり。


すぐにトレックス取れてしまうため、その都度処置して


対応した。


CV部も自分でガーゼを剥がして刺入部をいじっていたため、


包交にて対応した。


23時過ぎから便意とともに尿漏れ+血尿あり。


固定水2.8ml→3mlにし、以降尿漏れ極少量。


血尿は断続的にみられ、コアグラあり。閉塞はなし。





入院 Day 41

今日の受け持ち看護師が誰か聞くと、


『わかんない』


と言う。


『じゃあ、バクタは誰と飲んだの?』


と聞くと、


『・・・・・Yさん。』


って、知ってるじゃん。


今日はどうぶつの森のDVDを2回見ていた。

褥瘡の処置にM先生と看護師2人が来て、準備を始めると、


やりたくないと大騒ぎし、払い除けた手がM先生の顔に当たり、


メガネがズレてしまい、


『メガネはダメだよね?』


と言われていた。


嫌なのは分かるけど、やらなかったらもっとひどくなってしまうし、


せっかく良くなってきたんだからと何度も説得したら落ち着いてくれて、


泣いてはいたけど暴れる事はなく出来た。


続けてCVの消毒もやった。

胸のかさぶたを引っ掻いて、しばらく血が出ていた。

夜SpO2が88まで下がっていて、色々と試してみたけど変わらず、


S先生とM先生も来て、色々相談して、


酸素を5Lにしてベッドは少し起したら90~91になったから、


これで少し様子を見る事になった。

バクタ再開以来、飲んでいるところを初めて見た。




愛息子フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病闘病記-20070808


血球:輸血なしで比較的保たれるようになってきた。


現時点で血小板輸血はせずに明日評価。


VOD:Bilの値は上昇、体重や腹囲は横ばい。


INR、FDP、D-Dimerなどは若干の改善


→総合的に昨日と比較してほぼ横ばいと考える。


腎機能障害:Ccr67.1ml/min/1.72㎡、FeNa2.8と


腎性腎不全は変化ないが、Ccrは上がっている。


肝機能障害:ChEがここ数日100台中盤となっており、


アンモニアも上昇してきていることから肝予備能の低下が危惧される。


呼吸障害:現在酸素投与しながらSpO2は90台前半となっている。


胸部レントゲンでは昨日と比較して右肺野の透過性が改善しているように見える。


胸水はややひけてきた印象。



『早く飲みたいー!!』


体温37.4℃ HR100-110台 BP106/68 SpO2:91-93%(酸素4Lカヌラ)


カヌラが外れると80台中盤まで低下見られる。


OUT:325ml(Hr)+40g(Kot)/6-12時 バランス-97


ラシックス30mgiv施行。反応良好。16時までで200ml程度流出あり。


時折小さなコアグラが混入している。


飲水希望頻回。覚醒時はほぼ30分おきに経口摂取している。


腹痛や嘔吐なし。


褥創は両側腹部より黄色滲出液続いている。


新たな褥創形成見られず軽快傾向。


処置時、洗浄すると痛みあり激しく啼泣するが、


何もしなければ疼痛ない様子。


アズノールをたっぷり塗布したトレックス貼布している。


前胸部や後頭部にある瘡蓋が気になるようで時折触っており、


朝、前胸部より出血少量あり。ガーゼ圧迫にてすぐに止血。


『お茶飲みたーい!!』


処置や体交をすると嫌がるが疼痛はない様子。


HR110-130台 R30後半~40回台


BP90-100/50-60台 体温36.6℃


肺雑なく、Air入り弱いも低下なし。呼吸苦なし。


19:45からSpO2:88-90%と低め、当直にて診察し、


ベッドアップし酸素5L(カヌラ)にUPし、様子観察。


以降91-94%にて経過。


口渇あり夜間浅眠がち。適宜水分とシャーベットを摂取。


OUT1345 IN1099/day(-240)←輸液等すべて含む。


6時間おきにラシックス30mgivされ、反応まずまず良。


5時に持続投与のフェンタニル終了。



入院190日目 day 40

今日は午後から肝移植の適応について、


他院の移植免疫診療科のK医師を中心に、


主治医や看護師、CLS立ち会いのもと行なわれた。

VODに対する肝移植にあたりクリアすべき事として、


生体肝移植になるので、家族から強い希望があっても、


非寛解では移植は出来ない。


寛解の可能性は移植後40日程度で寛解と言い切るには難しく、


長期的な予後が言い切れないので、今の段階では適応が難しい。


現時点で移植が可能かどうかに関しての判断は保留にしたい。


肝臓の今の機能を保ちつつ、ビリルビンの値が徐々に低下して、


腹水も減少してきた時に再度肝移植の適応を考えていきたい。


今の本人には肝移植に耐えられる体調ではなく、耐術性がない。


本人の回復を期待して、肝移植が必要で可能な段階になれば、


すぐに準備を進めていく。


他にもドナーの話も詳しく説明してもらった。


肝臓の事で何か分からない事があったら、何でも遠慮なく聞いて下さい。


と言われたが、何も質問が思い付かなかった。


過去にもこれと同じような経験があった。


去年3月、hideが急性リンパ性白血病と診断され、


初めて医師と面談をした時。


白血病の知識が全くなく、何が分からないかが分からない。


質問すら出来ない…情けないやら、不安になるやらで、


その日から必死に勉強した。


毎日医師からhideの様子を聞き、頭に叩き込み、


質問が出来るようになった。


それがここに来て、また肝臓のしくみから


頭に叩き込まなければならなくなるとは・・・

今まで色々な医師と関わってきたが、


K医師程、自分の力量に自信を持っている医師には出会った事がなかった。


もし、肝移植をする事になったら、迷わずK医師にお願いしたいと思った。

今日はお義母さんが栃木から病院に来てくれた。

hideは何をするにもメソメソ、ピーピー大きな声を出していた。

午前中に褥瘡の処置をしようと看護師が声を掛けたけど、


13時が良いと言い出し、看護師Yさん・Sさんと約束したらしく、


13時過ぎに説得してやった。


生食で皮膚を洗い流した時痛がって泣いていた。


処置を終えて、体重を計った。


終わった頃には疲れきって眠ってしまった。

少し寝たあとは、起きている時間が多くて、


シャーベットや飲み物をたくさん口にしていた。

夕方kazuとパパはお義母さんと一緒に栃木に出発した。



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S医療センター移植免疫診療科 K医師が来院され、


診察後に両親と面談をされた。


①現状

肝臓は門脈という消化管からの栄養が帰ってくる血管と動脈が入ってくる臓器である。


現在の病状としては、VOD(肝中心静脈閉塞症)で


小さい肝静脈がつまって細くなっている状態。


肝臓(通常はスポンジのようなもの)が硬くなっていて、


肝臓に返れなくて腹水などとして漏れ出ている状態。


②肝移植の適応


1)寛解していること:生体肝移植であり、両親の強い希望があっても


非寛解では移植はできない。


2)寛解の可能性:現在移植後40日程度で寛解(長期的な予後として)は言い切れない。


今の段階では適応は難しく、移植可能かどうかに関しての判断は保留にしたい。


3)耐術性がない:現時点では肝移植に耐えられる体調ではないと考える。


③今後の方針

現在の肝臓の機能を保ちつつ、最も良い流れとしてはビリルビン値が徐々に


低下して、腹水も減少してきた(例えば総ビリルビンが10程度で推移し、


腹水減少して数ヶ月が経過しているような状態)時に(寛解の判断も行いつつ)


再度肝移植の適応について考えていきたい。


まずは回復を期待して、肝移植が必要で可能になったときには


すぐに準備を進めていく。疑問点があればいつでも質問してください。


④ドナーに関して

移植する場合は肝外側区域を切除して移植することになる。


通常はS医療センターでのドナー入院は9日間、社会復帰まで1ヶ月半~2ヶ月。


今までの経験で後遺症を残すような合併症はみられていない。


緊急移植の場合、ドナーの検査も24時間対応可能で、


8時間くらいで準備ができる。


肝移植の適応に関しては、Ph+の再発後2ndCRではあるが、


2回目の移植であり、長期的予後から見て寛解を維持していくことは


厳しい状態ではある。


現治療で肝機能やVODの回復を待ちつつ、原病に関しては寛解維持を確認


(定期的な骨髄検査など)していく。


肝移植が必要な場合は、移植可能な状態にもっていかれるように


整えていきたい。


栄養面に関しても相談しつつ改善を図りたい。



HR110前後


SpO2夜間は保てていたが朝方から鼻カヌラ3Lで93%程度、発熱なし


【診察所見】


意識:受け答えははっきりでき、嫌なことをされると怒って大きな声も出せるが、


傾眠がち


体重16.6kg(-0.4kg)


口唇:乾燥あり、舌に白苔の沈着をみとめる。


胸部:左右共に水泡音を軽度聴取するが、AIR入りは前胸部からはまずまず。


右背部はAIR入り悪い。心音整


腹部:膨満あり、圧痛はなし。


皮膚:発疹はない。右側胸部に新たな水疱形成あり、


水疱+びらん部は悪化なく、滲出液みられるが感染なし。


全体的に乾燥あり。


四肢:浮腫±、末梢循環良、冷感なし


【検査所見】


胸部レントゲン:CTR44%、右肺野に関しては透過性不良だが、


胸水量としては横ばい。



処置の際は激しく泣き機嫌悪いが、両親や祖父母が面会に来られてからは笑顔もあり。


体温36.5℃ HR100-110台 BP110/66 


酸素4LカヌラにてSpO2:92-94%で経過。酸素外れると最低84%まで低下あり。


ラシックス30mgiv。反応良く12-15時で245mlほど流出あり。


日中本人より飲水希望頻回にあり。適宜ジュースやシャーベット摂取。


腹痛や嘔吐なし。


朝、後頭部の褥創より出血軽度みられていたが、


パット圧迫にてすぐに止血する。


下肢に掻痒感あるようで時折掻破している。ヒルドイド塗布にて対応。


『シャーベット食べるー!!』


定時ラシックスiv 反応良好。尿に血性のもの混じっている。


HR100台 1時過ぎ~朝まで眠っている。


時々体動でカヌラがずれ、SpO2:80台後半ふらつくことあり。








入院189日目 day 39


WBC 10100

Hb 9.2

PLT 24000



血球はあり、血小板の減りもゆるやか。輸血なしで見ていく。


凝固系は横ばい。今日FFP輸血はしない。


腎機能もほぼ横ばいで保てている。


カリウムは輸液で補充する。


抗生剤メロペンは一旦中止にして、予防としてタイペラシリンにする。

今日から水分摂取の一回量が5mlから10mlに増えた。


飲みものを飲まそうとした時、皮膚科が処置に来たから、

『処置が終わってから飲もう』

と言うと、嫌だと拒否するので、処置を始める前にササッと飲ませてから処置開始。


泣きながら

『やめて!触らないで!』

と繰り返し叫んでいた。

処置が終わり、体重測定をK先生に手伝ってもらい、


ベッドに敷いているバスタオル交換も終えた頃には疲れきっていたhide。


ここ数週間、自分で寝返りも出来なくなって、体を触られるのも痛がる。


看護師Yさんと体の向きをかえようと話していたら、


突然hideが自分でヒョイっと向きをかえた。


Yさんと驚きながら、

『すご~い!hideちゃん自分で向きかえられたじゃん!』

って言うと、ビックリして泣き出しちゃった。

嫌な事(処置)をされた後、YさんやM先生を叩いていた…


今日はやたらメソメソしたり、キレたり、感情の起伏が激しい。


鼻カヌラを突然嫌がって、数十分拒否していたけど(外すとSpO2:84まで低下)、


しばらく嫌々言った後はわりとスンナリつけてくれた。


カヌラが嫌とかではなく、嫌だと反発する対象は何でも良かったのかもしれない。


きっとストレスがMAXだったんだろうな…


これで少しでも発散出来てたらいいな。



愛息子フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病闘病記-20070806





























『ヤクルトが飲みたい』


『はやくー!』


体温36.5℃ HR100-110台 BP112/68


体重17.9kg 腹囲:臍上66.0cm 最大67.3cm


眼球結膜:重度黄染、眼瞼結膜:貧血あり


胸部:右背部のair入り悪い(臥位)、


心音:心膜摩擦音あり、その他の心雑音なし


タクロリムスの血中濃度は保たれている。


本日Phキメラのコピー数が0であることが判明し、


ドナーの血球が増加していることが確認できた。


VODに関しては、フラグミン投与中であり、保存的に見ているが、


T-Bilの値や腹囲、体重などはほぼ横ばい。


肝機能障害:Bilの値は増加し53台となった。


AST、ALTなどの肝逸脱酵素は減少してきた。


ChEがが低下し、INRが改善してこないのは


肝予備能の低下などが考慮される。いずれは肝移植も考慮か?


腎機能障害:Ccr38.3、FeNa2.70、RF index3.94と、


腎性の腎機能障害を認める。


ラシックス30mg4回投与にて尿量は比較的保たれるようになった。


電解質異常:Naは若干増加、低カリウム血症は横ばい。


呼吸障害:現在酸素3L投与しているが、SpO2は92%程度で保たれている。


腹部エコー:腹水著明。肝動脈flow↑


門脈血流ははっきりとした逆流パターンはみられなかったが


flowもはっきりせず。


胆嚢壁の3層構造はみとめるが、内腔がしっかりみえており


改善傾向と考える。




酸素4LカヌラにてSpO2:92-95%ベース。


カヌラ外れると80台中盤まで低下あり。


日中入眠していること多い。


処置や内服の際には激しく啼泣する。


朝分のバクタは内服できずskipとなる。


OUT235ml/6-12時 バランス+14


ラシックス30mgiv施行。反応は良好で


16時までで180mlほど流出あり。


午後より飲水1回量5mlまで→10mlまで増量となる。


本人より希望あり、ヤクルト等を摂取し、腹痛や嘔吐なし。


右側腹部および仙骨部褥創よりパット内に黄色の滲出液多量にあり。


午後皮膚科医師にて処置行われる。


生食洗浄し、アズノール+トレックス保護となる。


左側腹部はクラックスガーゼ+パットで保護。


後頚部の褥創は乾燥しており、染み出しなし。


日中適宜体交促す。介助にて左側臥位保持も可。


午後は一度自力で体位交換出来る事もあり。



夜間はよく入眠できていた様子。


夕分内服のバクタは準夜帯は機嫌悪く、母も促してくれたが内服できず。


その後は入眠されたが、0時前頃に飲水希望あり、


内服を促すとスムーズにできている。


右側腹部、左側腹部からの黄色の滲出液続いている。


適宜パット交換している。


頚部、後頭部の創部もパット当てている。


擦れるのか出血痕あり。続くことはなく止血している。


準夜帯、深夜帯は体位交換は大きく嫌がることなく行えたが、


朝は機嫌悪く泣いている。


酸素4LカヌラにてSpO2:91-93%ベースで経過。


カヌラ外れると86%程まで低下あり。


HR110台前後、BP100-110/60台


飲水は指示内で適宜施行されている。飲水後、おいしいと言えていることあり。


IN-OUTバランス272ml+15g/12-18時 バランス+4


18:10ラシックス30mgiv 300ml/18-0時 バランス-41


0時ラシックス30mgiv 1075ml+45g(便2回)/0-0時 バランス-22


346ml+15g/0-6時 バランス-102


6:10ラシックス30mgiv


便は海苔様の軽度粘液性。尿にはコアグラの混入みられる。









入院188日目 day 38

体重 17.4㎏


白血球 9800

ヘモグロビン 9.3

血小板 31000

PT-INR 2.41

APTT 78.6

フィブリノーゲン 70

フィブリン分解産物 58.3

pH 7.427

PaCO2 48.4

PaO2 52.4

HCO3- 31.4

BE 6.6

総蛋白 4.5

アルブミン 3.5

尿素窒素 41.3

クレアチニン 0.71

尿酸 4.4

ナトリウム 143

カリウム 3.0

クロール 101

カルシウム 9.7

AST 88

ALT 43

総ビリルビン 42.6

血糖 122

クレアチンキナーゼ 18

CRP 5.2

アンモニア 14

 

ヘモグロビンは輸血後しっかり増えた。


血小板は減少しているが、減りはゆるやかで保てている。


凝固系は横ばい。アルブミンは補充で少し保ててきた。


腎機能は横ばい。


ビリルビンは今日は緊急検査なので、明日の通常検査で再評価する。

病院に到着すると、褥瘡の消毒中だった。


今までTシャツを着せていたけど、お腹と脱ぎ着のしやすさを考えて、


前開きのkazuのパジャマを試しに着せてみる事にした。


着替えした後、五苓散注腸。

処置中フラットにしていたベッドの頭の高さを、元の高さに戻してみるものの、


SpO2が88%以下になってしまう。色々試してみたけど、なかなか上がらないから、


一時的に酸素を5Lに上げた。しばらく90~91%だったけど、


14時くらいから95~100%に落ち着いた。

午後からどうぶつの森としまじろうのDVDを見ていた。


疲れたのか、その後眠っていた。

今日は自分からシャーベットを食べたいって言っていた。


会話もきちんと成立っていて、少しホッとした。

ここ数日、眠っていてもうなされていて、怖い夢を見たと、


目が覚めて泣いていた。

今はつらい事が多いけど、せめて夢だけでも楽しい夢見て欲しいな…


不安に押し潰されそうで、精神的に不安定なのかもしれない。


早く不安を取り除いて、心身共に落ち着かせてあげたいな…




愛息子フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病闘病記-20070805-1



























『虫がいるから』


11時台SpO2:89-90%と振るわず、酸素5Lへ上げてSpO2:91-92%


14時頃からSpO2:97-98%キープできており、14:30酸素4Lへ。


呼吸苦はないが、air入り弱いのは同様。


家族不在時に訪室した際、飛んでいる虫を手で叩いている仕草をしていた。


家族の面会中はDVDを見たり、会話もOKだが、入眠している時間が多い。


IN-OUT:210ml+60g/6-12時 12時過ぎラシックス30mgiv


バランス-19.5/6-12時



『落ち着いてやって。』


午前中に医師とともに褥創処置施行。


右・左側腹部は黄色の滲出液続いており、


仙骨部は出血混じりの滲出液みられているが、著明な増悪なし。


右仙骨部と右側腹部は生食にて洗浄後に舌圧子でゲンタシン軟膏を


たっぷり塗りパットを当てて保護。


左側腹部は同様にゲンタシン軟膏を塗布してクラックスガーゼを当てて


パットにて保護している。


日中は左側臥位をとることもできており、適宜体交行う。


胸部や上背部にも水疱あり。


また、右耳内掻破してしまったようで、出血の跡あり。


全身乾燥しており、ヒルドイドローション塗布。



夜間はほとんど入眠されており、体交時に覚醒するものの、


体交後はすぐに落ち着き入眠される。


体交は左右共に動く時は嫌がるも、


終わればのそ体位で苦痛なく過ごされる。


右背部の褥創部は出血はないものの滲出液が少量ずつ出ており、


深夜帯で2回パットを交換する。


他の部分は染み出してくる様子なし。


また頚部の褥創は乾燥している。


呼吸状態は左右共に上肺はair入り良好だが以下聴取困難。


酸素4LカヌラでSpO2:92-94%で経過。


RR20-30台 HR100-110台 BP100-120/60-70台


尿量12-18時200ml バランス-53


18時ラシックス30mgiv 18-0時230ml バランス+19


1時半ラシックス30mgiv 1日トータル890ml+164g(便2回) バランス-54.5


0-6時230ml+便20g バランス+1 6時半ラシックス30mgiv









入院187日目 day 37

白血球 10400

ヘモグロビン 6.8

血小板 44000

CRP 6.1

総蛋白 4.4

アルブミン 3.2

尿素窒素 38

クレアチニン 0.74

尿酸 3.9

AST 81

ALT 50

総ビリルビン 39.3

ナトリウム 140

カリウム 3.0

クロール 100

アンモニア 29

PT 27.8

PT-INR 2046

APTT 76.3

フィブリノーゲン 110

フィブリン分解産物 65.1

pH 7.427

CO2 48.3

HCO3 31.3

BE 6.7



今日も虫が見えると言っていたらしい。

午前中褥瘡の消毒を頑張った。


アイスノンを取り替える時に、頭の下に何も(枕など)ない状態だと、


SpO2が96~99と高くなる事が判明。

黄色の点滴を見て、

『濡れちゃう!』

と泣いたり、点滴にかぶせてある袋に、

『虫がついているから取って!怖い!』

と騒いでいた。

採血の結果は、血小板のもちは良い。


赤血球輸血はするが、負担になる(水が溜まる)ので、


通常よりゆっくり入れていく。


CRPの高値は感染症とは考えておらず、


肝臓の影響で上がっているのだろう。

昨日の尿の出が良くなかった。

処置をする時などは目を開けるけど、その他はずっと寝っぱなしだった。



愛息子フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病闘病記-20070804-1

愛息子フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病闘病記-20070804-2




























『点滴さんのところに虫がとまってる。』


『網とかでさ~、捕れないの?』


『ぼく虫苦手だよ。』


『虫が飛んでて怖いよー!』


その虫は襲ってこないから大丈夫だよ、と声かけすると少し落ち着く。


体温37.1℃ HR110-130台 BP100台/50-60台


SpO2は午前中91-94%と振るわなかったが、


薄いアイスノンを使用し、頭の高さを低くしてから97%前後で経過。


エア入り弱く、下肺ではほとんど聞かれず。


午前中上記発言あり。右目だけで見ても左目だけで見ても


見えるとのこと。


質問に対する受け答えはできている。


処置などするとき以外は処置が終わるとすぐに入眠。


午前中はボーっとしていて視線合わないことが時々あり。


家族面会後は視線は合わないことはないが、


会話の途中で返事を待つ前に眠ってしまう。


OUT6-12時 尿200ml+便10g IN-OUTバランス+55.5


12:08ラシックス30mgiv 12-16時まで190ml


11:55よりMAP1単位20ml/hで投与されるが変わりなく経過。


『いやー!やめて。』


右側腹部、左側腹部から滲出液、出血多く続いている。


処置継続し適宜パット交換している。


後頚部からも出血と滲出液あり、角度を変えて対応。


仙骨部に新たに皮膚剥離あり、じわじわ出血見られる。


側腹部と同じく、洗浄+ゲンタシンにて処置行う。


体交は特に左向きにできず、仰臥位、右向きで徐々に角度を変えて対応している。


夜回診前の申し送りでは、6時間のバランスが+50ml弱であり、尿量保たれている様子。


患児は終日ほとんど眠った状態。


バイタルは安定しているが、非常に厳しい状態が続いており、


意識レベルも低下している。


腎不全の進行は本日は顕著には現れていない。


原病の治療として、血管内皮機能の温存を図るために


NO donorであるNTGなどのDIVは考慮できないか?


SNPは血圧の問題もあり難しく、PGI2などは出血傾向の助長も怖い。


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(8/5 6:30)


6時間毎の尿量は200ml以上を維持している。


心拍数100台と安定し、時に開眼もしており、


話しかけると頷いたりしている。


全身状態やや改善の方向か?



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話しかけると返答あるが、すぐに入眠してしまい傾眠傾向。


つじつまの合わないことは準夜帯でまれにある。


右側臥位でSpO2:98-100#キープできており、一時的に酸素中止とする。


その後もしばらくSpO2低下ないが、体交をきっかけにまた不安定となり


O2再開。朝まで3Lカヌラで91-94%ベース。


約6時間毎にラシックス30mgiv





入院 186日目 day 36

体重 17.2㎏ 腹囲 67.0㎝

白血球 11300
赤血球 2360000
ヘモグロビン 7.4
血小板 44000
PT 29.8
PTコントロール 9.9
PT活性% 24.0
PT-INR 2.76
APTT 77.7
APTTコントロール 27.7
フィブリノーゲン 119
フィブリン分解産物 63.3
Dダイマー 32.87
総蛋白 4.9
アルブミン 3.1
尿素窒素 31
クレアチニン 0.68
ナトリウム 139
カリウム 3.2
クロール 94
カルシウム 6.5
LDH 616
AST 95
ALT 63
γ-GTP 23
総ビリルビン 46.3
抱合ビリルビン 34.2
コリンエステラーゼ 177
アンチトロンビンⅢ 75.1
CRP 6.3
タクロリムス 10.9

血小板は保てている。


凝固系は横ばい。


アルブミンが低値なので、アルブミンの持続投与を再開する。


カルシウム、マグネシウムは補充する。

ビリルビンの値は下がってきた。


胸のレントゲンの様子は横ばい。

呼吸状態、血液ガスはCO2が40台でよい。

午前中に褥瘡の消毒などをした。


午後はどうぶつの森としまじろうのDVDを見ていた。

話しかけても反応がうすい事があったり、


問い掛けた事とは見当違いのこたえが返ってきたり、


突然いるはずもないのに、

『虫がいる!』

と言い出し、自分の腕を叩いたり、はらう仕草をしたり、


網を持って来て捕まえてと言ったりしていた。

フェンタニルやプログラフを使っているから、


意識障害や脳症も心配なので、


きちんと受け答えが出来ているかどうかなどを注意して見ていく。


他にも不安やストレスがピークに達して、パニックを起したり、


精神的にも相当負担がかかっているのかもしれない。

早く心身共に落ち着いて欲しい・・・

今のhideはまるで別人のよう・・・



愛息子フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病闘病記-20070803


























『何か食べたい』


『痛いことはやめて。』


会話中に入眠してしまうことあり。


覚醒時ははっきり話せる。


水分を欲しがる様子があまりない。


DVDを見たりして過ごしているが活気がない。


体温37℃台で推移。RR30前後。


鼻カヌラ3LでSpO2:94-98%(カヌラが外れると88-89%に低)


胸部:右側面ではエア入り不良、左肺野はエア入り良。


心音整、雑音なし。


腹部:腸音低下しているが聴取。膨満は強い。


四肢:浮腫-


皮膚:腹部や右側面に水疱形成あり、一部増加傾向


テープの軽度の刺激でもびらんとなり滲出液(黄色)あり。


ラシックス20mgにて反応はあり、やや薄い尿が見られるが、


50ml程度排出され、その後は少量ずつの濃い尿が排出されるのみ。


胸部レントゲン:CTR43.6%、右胸水貯留はあるが横ばい。


#VOD:腹囲横ばい、T-Bilは徐々に減少傾向あり、


肝酵素も低下してきており様子をみていく。


#腎機能障害:明らかにここ2.3日のうちに尿量減少し、


利尿剤への反応が低下している。


体重の急激な増加や浮腫、溢水による呼吸障害の悪化、


高K、明らかな尿毒症症状をみとめず、尿量1.5ml/kg/hr以上は


保てているが、腎性急性腎不全の状態になってきている。


原因は肝腎症候群といわれるもの、TMAによる腎障害が考えられるか。


それぞれに対しては対応しつつ、まずは水分バランスと、


電解質補正、酸塩基平衡のチェックから。


#水分管理:不感蒸泄375ml、本日OUT600ml程度と考えると


IN1000mlに抑えて、利尿剤はラシックス20mg→30~40mg/回に


UPして電解質(低K、低Na、低Mg、低Ca血症)、血圧に注意して、


溢水にならないように対処する。


#低蛋白血症:溢水により薄まったためか?Hbは上昇。腎からの漏出?


低Alb血症を引き起こすほどの尿細管障害では40mg/㎡/hrといわれており、


現時点では尿TP417mg/dayにとどまっている。


血管透過性の亢進か?明らかな浮腫はなし。


#電解質異常:低K、低Ca(Alb補正にて7.4)、低Mgはラシックス使用によるものか。


症状出現はなし。


#貧血:原因としては出血、TMAによる溶血性貧血が現時点で挙げられる。


TMAとしてD-Dimer横ばいで血栓傾向あるが、溶血所見は乏しく、


血小板著減はみられず。


Alb12.5g/24h持続点滴開始。


FK506 0.04mg/dayで継続


輸液白メインにカルチコール、コンクライトMgを追加して補正開始


(8/4輸液にて以下の補充を行う。Mg1.9mEq/kg/day、


Ca 1ml/kg/day:カルチコールとして)


輸液茶メインは30ml→20ml/hとしてIN984ml(輸血なしで)


利尿剤ラシックスは基本を30mg/回/日として、6時間バランスで


+50までを目標とする。大きく目標を超える時はラシックス減量、


下回る時は40mg/回まで増量していくこととする。


ACV一旦中止(8/3夜分から)


フェンタネスト減量0.56→0.28μg/kg/h(1ml/h)へ


『いーやーだ!』


『いやだ』


『いたい』


家族面会あるとDVDを見たりするが、しばらくすると入眠する。


会話中も返事を待っている途中に入眠してしまうことあり。


左側腹部からの滲出液と出血多く、適宜パットを交換。


体交は声をかけると嫌がりながらも自分から向きを変えてくれることもあれば、


全く動かないこともある。清拭は拒否強く、部分清拭と更衣のみ行った。


『ぼくのことはほっといて』


(気分はどうですか)『わかんない』


8/4 0:20にラシックス30mgiv後、反応尿少なく、3:00の約2時間で


15ml程度、膀胱エコー施行するも膀胱内少量。


シリンジにて尿採取試みるも引けず。


HR120台 BP110台 SpO2:94%(酸素3L鼻カヌラ)

8/4 0-6時:110ml

8/4 6:20ラシックス30mgiv後1時間で70ml程度あり。


深夜帯はラシックスに対する反応が非常に悪く、


腎不全の進行を疑った。ラシックス増量して反応を確認。


『あっちのほうに虫が飛んでる。』


『ぼくはできないの。』


『あのさー、早く組み立てて!!』


夜間はほぼ入眠経過。


BT37.6→37.1℃ HR120-130台 RR30回台 BP110/60-70


酸素3LカヌラにてSpO2:92-94%ベース。


21:30頃より80台後半まで低下し回復鈍い。


一時的に4Lに上げ90台中盤へ回復、22時に3Lに戻す。


以降も時折88%前後まで低下することあり。


エア入り全体的に弱くなっている。本人呼吸苦訴えなし。


準夜帯に上記発言あり。幻覚?や辻褄の合わない発言を


5分ほど繰り返す様子あり。


Ns・母と本人で訴え聞いているとしばらくして入眠してしまう。


朝起床時は幻覚など訴えないが、ややボーッとしており視線合わず。


右側腹部の水疱より血性の染み出しあり。


夜間当て綿交換行う。体交促すが左向きは拒否強い。


夜間は仰臥位および右向きで角度を変えつつ対応。


IN-OUTバランス:Hr140ml/12-18時 バランス+165ml


18:30ラシックス20mgiv Hr130ml/18-0時 バランス+184


0:20ラシックス30mgiv その後反応鈍く、2時間経過した時点で


15mlしか流出みられず。フォーリー閉塞やねじれなし。


医師に報告しエコー実施される。結果膀胱内に尿貯留しておらず。


(腎不全傾向とのことで、今後も乏尿続くようであれば


透析行う可能性もあるとのこと)


血圧上昇みられず。HR120台 


Hr110ml/0-6時 バランス+145 


6:15ラシックス30mgiv 反応あり、8時までで100mlほど流出あり。


DAY-TOTALバランス+634 8/3


22時分よりアシロベックは中止となる。