真空の女王 | 河内大和 Yamato Kochi

河内大和 Yamato Kochi

役者・河内大和(こうちやまと)のあれこれ。シェイクスピア道、その極みを追い求めて。

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Noism。
新潟市民芸術文化会館のレジデンシャルダンスカンパニー。
トップレベルの技術に裏打ちされた作品の力強さ、遊び心。
ハイセンスな衣装・美術。
僕のお気に入りカンパニー。

今回観に行った『ZAZA』
それぞれの部が強力に独立して、互いが互いを引き立て合う、完璧な三部構成。

第二部のシベリウス「囚われの女王」でソロを踊る井関佐和子さん。
そこにいたのは、
空気をくり抜いて動く真空の女王。
それは正にJoJoのヴァニラアイス。
驚くべき空間支配力で、空気を食べながら動いているようだった。

終演後、楽屋にご挨拶に伺った。
"えっっ!?"
って。
"うわっ、小っちゃっ!"
って。
そうか、そうだった、あの舞台にいた女王は、袖に入ると1人の普通の人間。

"人生はたかが歩く影、哀れな役者だ。出番のあいだは舞台で大見得を切っても、袖へ入ればそれきりだ"

そんな言葉を思い出す。
人生は舞台、舞台は人生。
楽屋で眠れる亡骸は、舞台で夢を見せていた。

改めて、表現者の巨大さを思い知ったのでした。
夢の具現化、それを可能にできる人なんだと。。


それぞれの部を、勝手にパクりタイトルと、
第一部「2013年宇宙の旅」
第二部「マルホランドハート」
第三部「気狂いオレンジ」
僕の大好きなキューブリックやデヴィッド・リンチ、ゴダールを観ているような映画感覚も楽しめまして、大満足(*^^*)


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赤レンガ倉庫の夜は、心の充足に満ち満ちた、今月最後の休みとなりました(^.^