秋の長崎西山散策 | Kazmarのブログ

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長崎の中心部からはどう見ても東側にしか存在しない西山の秋を求めて散策してきた。

 

今住んでいるところから一望できるところにあり、1kmも離れていないのだが、高低差があるので、ちょっとしたハイキング以上のイベントではある。

 

まずは鎮西大社諏訪神社。

長崎 諏訪神社 長崎 諏訪神社

 

諏訪の社に隣接している蛭子神社

蛭子神社

ここは長崎が生んだスーパーヒーロー蛭子能収を祀っている社だ

 

 

ということはもちろんないのだが、そうあってほしいと思わないこともない。(いまだ御存命なので恐縮だが)。風格のある門構えの造りで中に入ってみたい、と思わせる神社だ

 

その横にある玉園稲荷神社。

玉園稲荷神社 玉園稲荷神社

 

稲荷神社から下ると諏訪荘がある・これは大正時代に建造された大正時代の長崎の粋を感じさせるデザインだ。もともとは諏訪神社の下に建てられた豪商の邸宅だったが、人手に渡り昭和に入ると和風旅館として運営されていたものだ。上皇ご夫妻も皇太子時代にご宿泊されたとのこと。その諏訪荘が廃業することになり、建物は廃棄されることになったのだが、長崎市民の保存懇願により諏訪神社に寄贈されたという経緯がある。

諏訪荘 諏訪荘 諏訪荘 諏訪荘 諏訪荘

現在は結婚式などの出席者の休憩所として使用されており、通常は門が閉まって中に入れないのであるが、この日はたまたま開いていたので中に入らせてもらった。大正建築の粋をご堪能ください。

諏訪荘 諏訪荘諏訪荘 諏訪荘

 

その後諏訪神社の裏手より上っていく。所々秋色に染まった樹木が散見されるが、まだ紅葉には早いようだ。

 

 

桜の名所立山公園を通り越したところに金刀比羅神社の一の鳥居が見えてくる。この参道も途中までは住宅地を通っているが、そこを抜けるとこじんまりとしているが、秋の山村の雰囲気が出てきた。

金刀比羅神社 

 

 

二の鳥居。手すりがなかったら、少なくとも丸木を装ったコンクリートの手すりであれば申し分なく絵になる場所なんだが.....

金刀比羅神社 金刀比羅神社 金刀比羅神社 金刀比羅神社 

切通しの中に建つ三の鳥居。長崎では珍しく参道に苔が生えているのが見える。

金刀比羅神社

 

金刀比羅神社社殿。長崎の神社仏閣はこのように山中にあるものが多い。通常は参道は石段となっている。なかなか理解してもらえないと思うが、このように勾配のない参道は珍しい。弘仁年間(820年)、この地に神宮寺が建てられたのが始まりらしい。当時の長崎(おそらく別の地名だったろう)に如何ほどの人々が暮らしていたのだろうか?おそらく半農半漁+半猟で生計を立てていたのだろうか。長崎の地形は溶岩の上に乗っかっているようなもので地盤は固いが保水力が少ないようだ。地震には強いが、水の確保は困難だったと思う。

金刀比羅神社 金刀比羅神社 金刀比羅神社

それが主な理由だろうが、長崎には水田がない。その代わり段々畑で小麦などの栽培をやっていたようだ。16世紀の後半にポルトガルから宣教師たちがやってきて布教活動の拠点を選ぶ際に彼らの目の前に広がっていた小麦畑が長崎の地を選ぶ決め手となったそうである。日本側にとっても三方を険しい山々(とはいっても高々3~400m)に囲まれて出入りの監視がしやすい場所であった。

金刀比羅神社

弘仁年間の長崎の人口はおそらく1000人もいなかったと考える。しかし人がいれば社が建つ。この金刀比羅神社は長崎の中では古い神社仏閣となるのだろうか。

金刀比羅神社

紅葉にはまだまだ早すぎたが、11月下旬には見ごろを迎えそうである。小鳥の囀りが秋の深寂とした山に響き渡り、神聖な景観を作り出している。いい場所だ。マイ・ベスト・スポット in 長崎の一つとなりそうだ。

 

ただ一つ残念なことがある。この山の中に新幹線が通っているので時折地面から飛行機が飛んでいるかのような音が聞こえることだ。長崎新幹線は本数が少ないので救いといえば救いだが。

 金刀比羅神社

 

神社を抜けると金刀比羅公園に出る。遠くに見えるのはカエル岩。カエルというよりは太ったムクドリみたいだ。

金刀比羅公園 金刀比羅公園

 

参道を戻って明治7年(1874年)に日本で行われた国際的な金星観測の場所へと向かう。これには海外から天文学者が来日し、長崎以外でも東京、横浜、神戸で観測が行われたとのこと。

 

 

その近くにある龍神社の狛犬の曲芸

 

 

参道を戻り西山神社へと向かう。こじんまりとしているが趣のあるいい神社だ。ここにはザボンの木があり、ザボンがたわわに実っていた。

西山神社 西山神社 ザボン 西山神社 ザボン

すぐ横には百年名家、旧土佐藩の山田耕作(作曲家とは別人)邸がある。土日には一般公開しているとのこと。

 

 

西山神社参道には木造建築の立派なお屋敷が多い。そこを下って松森天満宮へ。ここの本殿を囲む板塀には薄肉浮彫で職人たちの作業の様子を描いた板が組み込まれているのだが到着したのが遅かったからか、本殿へ入る扉は閉まっていた。拝殿で参拝して本日の西山散策は終了。5時間程度のウォーキングだったが高低差があったので結構疲れた。

松森天満宮 松森天満宮 

紅葉の下調べを兼ねてのハイキングだったが収穫は多かった。紅葉の本番は今月末だろうか。楽しみだ。

松森天満宮