半世紀以上も前に北森嘉造というプロテスタント神学者が「神の痛みの神学」を唱えた。神は自分に反逆する人間に対して、痛みを感じつつも、その痛みがあるがゆえに愛と赦しを実践されるという思想だ。世界的にも注目された神学思想だったが、その背景には仏教思想があったことは間違いない。それと同じことが、今日の弘法護摩で起きた。積年の苦しみを吐露された女性に対して、弘法大師は「汝の罪は我の罪、汝の苦しみは我の苦しみ」と言った上で、いっさい彼女を批判することなく、その苦悩を解く具体的方法を明確に示された。近代精神医学でも容易には答えを見出せない難題だったが、弘法大師の智慧に私自身が舌を巻いた。劣等生だった私が医学部に行けるはずもなかったが、そんな遠回りをしなくても、最近の私は弘法大師のおかげで、ナンチャッテ精神科医になっている。(笑) 【護摩892回】 直近の予定はHPてのイベント欄を御覧ください。「弘法護摩&オンライン護摩」は随時受付中。町田宗鳳 | ありがとう禅 (arigatozen.com)