次に「拍」を一定のテンポで刻むことを中心にレッスンを行います。
昔、パチンコ屋さんの前からマーチが音漏れしていると、通りすがりの人が、無意識にマーチの音楽に合わせて歩いているなんて笑い話がありましたが、実は、音楽を演奏しながら、この拍(ビート)を一定のテンポで刻み続けることが、意外と難しいのです。
テクニックや、ハーモニー、メロディにいっぱいいっぱいになって、演奏に拍が無くなる(不整脈になる)ことは、よくあることです。
ところが、拍のない演奏は、まるで幽霊のように生命感がなく、とりとめのない演奏になります。
聴いている側は、寝言を聞いているようにモヤモヤとして、何を伝えようとしているのか分からないという印象を受けます。
ピアノ教室の先生、音大の先生もが、生徒の拍子感の無さや、休符がきちんと休めないこと、合奏で縦が揃わないことなどを悩まれるのですが、まず音楽の心臓とも言える「拍」が一定に刻まれていなければ、イキイキとした音楽表現が出来るはずもありません。
拍子は、一定の数の拍のかたまりに、強い拍(強拍)が出来て生まれます。
「拍子感」を作るには、まず音楽の中に心臓の鼓動(ビート)が感じられるよう、意識しなければなりません。
リトミックで「歩く」「走る」などを行うのは、リトミックの創案者ダルクローズが人間の歩行が一定のリズムであることに気づき、これをビートキープに応用出来ると考えたものなのです。
ただお散歩をして遊んでいるかのように見えますが、リトミックで音楽に合わせて歩く(ステップする)中で、ビートが変化し、走ったり、ゆっくり歩いたりしながら、拍を意識化しています。
このような「メトリック」無しに、良いリズム(リトミック)は生まれません。
そして、このメトリックな部分に、楽器を教える先生が苦労され、レッスンの大半の時間を持っていかれてしまうということになりかねないのです。
更に、リズムには「Time」「Space」「energy」の相関関係があり
長い音価、遅いリズムは、重く(強く)、空間も大きく(広く)
短い音価、速いリズムには軽く(弱く)、空間も小さく(狭く)表現することで、イキイキとしたリズムが生まれます。
音符をただ並べるように演奏するのではなく、音符一つひとつに重さや空間をイメージしながら演奏することで、初めて良いリズム「リトミック」になります。
まだ、楽器を演奏するのには早い時期でも、「リトミック」を通して、メトリックな感覚を身につけたり、音にイメージを持たせたり、音楽の中で即時反応を伴うゲームを行いながら「聴くこと」を意識化することが出来るのです。
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