ある裁判官の思い | 社会保障を考える

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年末になりました。年賀状も迷いながらいつもの粗雑な賀状になってしまいます。浮世のルールとは思いますが・・・。

 

 スモン訴訟の話です。裁判の結果について明るみに出てこない裁判官の心境です。

 

 「2022/11/27 西日本新聞」の「永田健の時代ななめ読み」からです。

 

「可部裁判官の話は凄い話だと思いました。薬害訴訟「スモン訴訟」についてなどの話には聞いていましたが裁判官という職業の厳しさに自分の思うことを反映させることは厳しいものがあると思う。スモンでは「まず下痢や腹痛などの消化器症状が先行します。もともと薬を服用するきっかけとなった腹部症状とは別に、SMON特有の症状が加わると考えられており、激しい腹痛やお腹の張り、便秘などがみられます(一部引用)」

スモンに関する調査研究班報告に経過が書かれています。ある地域では薬の影響だとはいわれず、先祖のたたりなどだとして、村八分の状態になることもあったという。

 

 最近では大阪の国有地の処分について文書の書き換えなどで自殺に追い込まれた公務員がいます。権力の恐ろしさにため息が出ます。今回は法務大臣の失言とはいえ、法務省の職員の士気にも影響します。

 

「可部裁判官といえば東京地裁で戦後最大規模の薬害訴訟「スモン訴訟」を和解に導いたことで有名」です。

 可部さんは一瞬言葉を詰まらせ、こう答えた。「極刑(死刑)を言い渡した時です」と

述べたという。最近の法務大臣が法務省の仕事はヒマでしようがないと発言し、社会的には罷免されたものだと思います。国会が強い態度で抗議したのかは定かではありませんが、死刑に対する司法の立場から語られた重みがあります。