優生思想の流れは | 社会保障を考える

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日本障害者協議会「すべての人の社会」20184月号で「強制不妊手術と民主主義」に

岡田靖雄氏(精神科医)は次のようなことも指摘しています。

 

「ここで指摘しておかなくてはならないのは、強制断種(強制不妊)は全体主義国家だけのものではない点である。戦後の北ヨーロッパ福祉国家で も強制断種が推進されていた。らい予防法、精神 衛生法をみても、民主化や治療の進歩が病者解放 にすぐにはつながらないのである。 優生保護法の別表には対象精神疾患として、遺伝性精神病(精神分裂病、そううつ病、てんかん)、遺伝性精神薄弱などが挙げられ、精神病は遺伝であるとはっきり示していた。」

 

北欧での断種についてはテレビで報道されたときの衝撃を思い出します。岡田氏は全体主義との関連ばかりではないという。詳しいことは知らないので紹介だけにしておきます。

日本での動きと関連しては相模原事件と関連して次のように指摘しています。

 

「■優生思想ということ

相模原事件を優生思想の現れとする声が強い。 今まで述べてきたように、優生とは子孫に関わることである。相模原事件でなされたのは、重度障害者の直接の抹殺である。この点、ドイツにおける精神疾患患者、障害者の組織的安楽死"は、「遺伝病子孫防止法」によるものではなくて、ヒ トラーの個人的命令によるものであったことと平行している。

そしていま、ゲノム操作などが進み、出生前遺伝診断が根付いてきている。つまり、新優生技術は定着しさらに拡大しようとしている。これらすべてを優生思想、"と呼んでいては、今後の議論は的はずれになるばかりだろう。また、精神疾患 をもつ人の性の権利について、はっきり議論して いく必要がある。」

 

新しい優生技術を優生思想と呼ぶかどうかについては否定的です。かつて遺伝性精神病とされた病気で苦しんできたものからすれば同調する気にはなれないが、冷静に整理したいと思う。