「一九四O年一月には、陸軍身体検査規則が改正され徴兵検査の基準が大幅に引き下げら れた。 改正のポイントは、「身体または精神にわずかな異常があっても、軍陣医学上」、軍務に支障なしと判断できる者は、「できるだけ徴集の栄誉に浴し得るよう、身体検査の条件を全般的に緩和した」ことである。 具体的には、「従来ちょっとした疾病異常、特に眼、鼻、耳、手足の指等の故障のため現役兵として入営する事のできなかった者も、今後は適材適所を選んでできるだけ入営させ、また徴集免除すなわち丙種となっていた者もできるだけ乙種に繰り上げられる事になった」(「衛生部関係法規抜牽」)。身体的だけでなく精神的な問題を抱える青年も徴集するという方針に注目する必要がある。なお、当時、知的障害は「精神薄弱」と呼ばれ、精神疾患の一つとされていた。」(吉田裕著『日本軍兵士』)
そして、障害者や病人が東京からの疎開対象から外された。それは戦争に対する疑問を持つものを「国民の敵」とすることから始まったのではないか。先の自衛官の発言は危険水域にあるこの国の現れではないか。
「国民の敵 その言葉で始まった悲劇は数々 世間の反映か 毎日新聞2018年4月18日
各国で「国民の敵」名指しの悲劇
「国民の敵」という言葉で始まった悲劇は国内にとどまらない。旧ソ連の独裁者スターリンは反対派を「人民の敵」と名指しして粛清。同じ言葉が中国の「文化大革命」でも使われ、毛沢東の政敵や知識人らの迫害につながった。
最近では、米国のトランプ大統領が批判的なメディアをけん制する際にも使用した。井上さんは「考えが異なる人を分断して攻撃し、支持を得る手法が世界的に広がっている。立場を忘れてまで相手を非難した3佐の発言は、そうした潮流が一般国民にも浸透し、感覚がまひしている表れかもしれない」と語る。 (一部引用)」
