名古屋は遠くて以下省略(その5) | ちょんまげインプの部屋

ちょんまげインプの部屋

いらっしゃいませ、変態(いろんな意味で)の部屋へ。
これであなたも立派な変態。
今後ともどうぞよろしくっす。

(以前、ちょんまげのついたインプレッサに乗っていたのでこんなタイトルです)

草津から乗り換えたのは、草津線。

誠に申し訳ないことに、この草津線という存在はほんの数か月前に初めて知ったのでした。

草津を発車した221系は、単線ながらあまりカーブのない線路を90km/hほどで快調に進んでいきます。

ワシにとって新しいイメージのあるこの221系ですが、すでに30年は経過しているんですね・・・。

ホント、まっすぐです。

 

途中で山越えにかかりますが、基本的には都市近郊ふうな景色が続きます。

 

途中、思いがけずホームのたくさんある駅に着いたのですが、そこは近江鉄道と乗り換えができる貴生川(きぶがわ)という駅でした。

大変失礼ながら、こんな所にまで私鉄が通ってるのかと感心したのですが、貴生川を出発すると、単線の非電化の路線が右に反れていくのが見えます。

あれ?なんだろ・・・?と思って調べてみると、ああアレがあの信楽(しがらき)高原鉄道か、と・・・。

陶器の信楽焼で有名なところですが、もともと国鉄の信楽線だったのが第三セクターとなったものです。

しかしその数年後の1991年5月に、列車同士の正面衝突事故を起こし、42人の方が亡くなるという大事故を起こしました。

若い時分、事故のニュースでその映像を見た時にはさすがにショックでした。

これは数多くのヒヤリハットが累積して発生した、完全なる人災です。

ちなみにJR西日本は、その14年後には107名の死者を出す福知山線(宝塚線)の大事故を起こしています。

ちなみにネットでは信楽高原鉄道を設楽(したら)高原鉄道と間違えて検索する人が多いようですね・・・

 

途中の「甲賀」駅。

ずっと「こうが」だと思ってたのですが、「こうか」だったのですね。

伊賀と並んで忍者のイメージが強いですが、住人は皆さんどれも一般人に変装していたようで、忍者を見ることはできませんでした。

前面眺望を楽しみつつ、終点の地味な柘植(つげ)に到着。

 

ここで関西本線の小さな気動車に乗り換え。

関西「本線」のほうがもともと地味な草津線よりさらに地味なのはアレですが、昔は「本線」らしく優等列車が走っていたようです。

それも、東海道線が電化され、また近鉄などの私鉄が力をつけてくると一気に需要を失い、国鉄の時代からすでに完全に地味なローカル線と化してしまいました。

ここは昨夜の鳥取と同様、40年前に同級生と青春18きっぷで訪れた記憶がかすかにあります。

 

さて、小型ながらもディーゼルエンジンを轟然と吹かして発車したキハ120。

ワシがドアの後ろでカメラを構えていたところ、おっさんがずいっと前に来て、このようにスマホを構えてずっとこんなふうに。

同様な少年や青年は遠慮しいしいで「すみません、前いいですか」と断ってくる人が多いのですが、なぜかおっさんになるとこうなんですよね。

まあ別にワシは鉄じゃないから前面眺望なんていいのですが。

 

しかしこの関西本線の非電化区間、割と大きな集落があっても駅がなく、本当に地域とは隔絶された「通過」のための存在と化しています。

近年はこのあたりの廃止も取りざたされているようですが、まあ仕方ないかもしれません。

昔の蒸気機関車の存在を思い出してしまいそうな(現役で見たことないけど)古めかしいトンネルと、おっさん。

トンネルの中はかなり狭いので、横揺れで横壁にぶつかるんじゃないかとヒヤヒヤしました。

 

のどかな景色です。

遠くには名阪国道が見え、車がビュンビュン飛ばしているのが見えます。

この名阪国道、高速道路と同様なのに無料ってんですから、関西本線の居場所はもはやありません。

無料にする分は誰が負担しているんでしょうかね。

そのうち列車は山を下り、次第に景色が広くなってきました。

周囲は次第に栄えてきたのに、相変わらずたいした駅もなく、駅があっても乗降はほとんどなく・・・

亀山に向けてラストスパート。

この辺りだけ、40年前の記憶がよみがえります。

亀山を出たキハ58+28の普通列車がこの辺りを爆走し(といっても90km/hくらい)、ああ気持ちいいなあと思ってるうちに山間部に入ってノロノロになっていました。

あの時はさらにその先で、台風で土砂崩れがあったとかで代行バスに乗り換えたのでした。

この直線をキハ120が飛ばすのですが、かなり横にユサユサ揺れるので、横転するんじゃないか?とひやっとしたり。

で、亀山に到着。

ここから電化路線です。

亀山は「いちおう」交通の要衝ですが、今はすっかり寂れています。

ホームのお客も乗り換えばかりで、駅舎のほうは閑散としていました。

 

そこから快速電車に乗り換え、向かったのは四日市。

貨物列車がたくさん停まっていましたが、あまり活気のない駅です。

JRの四日市駅前は地方都市然としていましたが、そこから徒歩で近鉄四日市に向かってみると、次第にビルが増え人が増え、近鉄駅前はすっかり大都会に。

おまけに、ぶつぶつ独り言を言いながらフラフラするお兄さんとかもあちこちにいるし、普通に歩いてるお兄さんたちの顔がみんなカツアゲでもしてきそうで怖い(スンマセン)。

 

で、ビジホにチェックイン。

いやあ、同じ地域でもJRと近鉄でこうも違うか・・・。

まあJRの横須賀駅と京急の横須賀中央駅みたいなものかな。

しかし目的地の名古屋を前に停滞したのには、ちゃんと理由があったのでした。

 

(つづく)