バゲリア(Bagheria)のソールント(Solunto)は、シチリア島の北部に位置する古代都市の遺跡で、歴史的にも考古学的にも重要な場所です。ソールントの遺跡は、古代ギリシャやローマの影響を強く受けた都市で、考古学的にも歴史的にも重要な場所です。今回はその歴史と遺跡の概要について説明します。

ソールントの歴史
1. フェニキア人の創設
ソールントの起源は、紀元前8世紀頃にフェニキア人によって創設されたとされています。フェニキア人は貿易に長けた民族で地中海沿岸に多くの都市を築きました。同様にこの地を地中海貿易の重要な拠点として発展させました。
2. カルタゴの影響
紀元前6世紀になると、フェニキア人の後継者であるカルタゴがシチリア島に勢力を広げ、ソールントもその支配下に入りました。この時期、都市は防衛のための要塞化が進められました。
3. ギリシャ化
紀元前4世紀、シチリア島全体でギリシャ文化の影響が強まり、ソールントもギリシャ風の都市計画や建築物が導入されました。アゴラ(公共広場)、劇場、ギュムナシオン(体育館)などの公共施設が建設されました。
4. ローマの支配

紀元前3世紀の第一次ポエニ戦争の結果、シチリア島はローマ帝国の領土となり、ソールントもローマの支配下に入りました。ローマ時代には、ローマ風の建築様式やインフラが導入され、都市はさらに発展しました。
5. 衰退と放棄
ローマ帝国の崩壊とともに、ソールントも徐々に衰退していきました。6世紀頃には完全に放棄され、次第に忘れ去られていきました。


ソールントの遺跡
ソールントの遺跡は、バゲリアの北東約2キロメートルバゲリア近郊の自然公園カーポ・ザッフェラノに位置し、考古学的な発掘調査により多くの重要な遺構が発見されています。

1. アゴラ(公共広場)
ソールントの中心部に位置するアゴラは、市民の集会や市場の場として機能していました。ギリシャ風の柱廊や公共施設の遺構が残されています。

 

 

 

2. 劇場
丘の斜面に建てられた劇場は、ギリシャ風の円形劇場で、宗教的な儀式や娯楽の場として使用されました。劇場からは壮大な景観が楽しめます。

 

 

 

 

 

3. ギュムナシオン(古代ギリシャの公共の競技の選手が訓練する施設兼社交の場)
青少年の体育や教育の場として使用されたギュムナシオンは、ギリシャ文化の影響を受けた重要な施設です。運動場や浴場の遺構が発見されています。
4. 住宅遺構
ソールントには、多くの住宅遺構が残されており、当時の人々の生活様式や建築技術を垣間見ることができます。モザイクや壁画の一部も保存されています。

5. 水道システム
ローマ時代に導入された水道システムの遺構も発見されています。これは、都市の衛生や生活水準を支える重要なインフラでした。


ソールント遺跡の発掘調査は19世紀後半から始まり、20世紀にかけて本格化しました。これにより、都市のレイアウトや建築様式、日常生活に関する多くの情報が明らかにされました。発掘された遺物や遺構は、古代のシチリア島における多文化の融合を示しており、シチリア島の古代都市の歴史や文化を理解する上で非常に重要です。フェニキア、カルタゴ、ギリシャ、ローマといった多様な文化の影響を受けたこの都市は、地中海世界の複雑な歴史を象徴しています。また、遺跡から発見された建築物や遺物は、当時の社会構造や生活様式についての貴重な情報を提供しています。

今日、ソールントの遺跡は考古学的な観光地として多くの人々に訪れられています。遺跡を巡ることで、古代の都市計画や建築技術、文化の変遷を直接体感することができます。また、考古学者や歴史研究者にとっても、ソールントは重要な研究対象となっています。ソールントは、シチリア島の豊かな歴史を象徴する重要な遺跡であり、その発展と変遷は地中海世界の歴史を理解する上で欠かせないものです。訪れる人々は、古代の栄光と衰退を感じながら、歴史の深さを味わうことができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

 

 

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