前回シチリア島パレルモ郊外にあるカッカモのお城をご紹介しましたが

 

今回はお隣トラーパニ県にあるエリチェの街の歴史と概要、ヴィーナス城の他観光の見所についてご紹介します。

 

エリチェの歴史と概要
エリチェ(Erice)は、シチリア島西部のトラーパニ県、標高751mの丘の上に位置する歴史的な街です。

その壮大な絶壁にまるで空に浮かんでいるかのような姿をしていることから「天空の街」として呼ばれています。

伝説によると、エリチェはトロイア戦争の英雄エリュクスによって建設されたとされています。エリュクスは、トロイアから逃れた後、この地に到達し街を築いたといわれています。

紀元前8世紀、この地に定住したのはエリミ人で彼らはエーゲ海沿岸から移住してきたと言われています。

エリミ人はエリチェの山頂に強力な要塞都市を築き、地中海の交易路を支配しました。

エリミ人はギリシャ神話の愛と美の女神アフロディーテ(ローマ神話ではヴィーナス)を崇拝していたことから、山頂に彼女に捧げられた神殿を建設しました。この神殿は、後にフェニキア人やギリシャ人にも崇拝されるようになり、エリチェは宗教的な中心地としても重要な役割を果たしました。
紀元前6世紀頃、フェニキア人がエリチェに到達し、この地を交易の拠点として利用しました。フェニキア人はエリチェの戦略的な位置と堅固な防衛施設に目を付け、ここを要塞化しました。

その後、カルタゴがシチリア島全体に勢力を拡大すると、エリチェもその支配下に入りました。カルタゴの支配下で、エリチェは再び軍事的・商業的な要所となり、多くの防衛設備が強化されました。

第一次ポエニ戦争(紀元前264-241年)の結果、エリチェはローマの支配下に入り、ローマ人はエリチェの神殿をヴィーナスに捧げ、エリチェの街を再建、ローマ時代にエリチェは再び宗教的な巡礼地として栄え、訪れる人々を魅了しました。

中世に入ると、エリチェはアラブ人の支配下に入り、彼らが建設した要塞や城壁が追加され、その後エリチェがノルマン人の手に渡ると、1077年にルッジェーロ1世によりエリチェは征服され、彼は古代の神殿の跡地に新たな城を建設、この城は後に「ヴィーナス城」と呼ばれるようになりました。

ノルマン人の支配下で、エリチェは防衛拠点として重要な役割を果たしました。ヴィーナス城は、エリチェの街を守る要塞として機能し、外敵からの攻撃を防ぎました。また、エリチェの街には多くの教会や修道院が建設され、中世の宗教的中心地としても繁栄しました。

13世紀から19世紀にかけて、エリチェはスペインの支配下に入りました。そのためスペイン風の建築や文化の影響を受け、現在もその痕跡が残っています。

近代に入ってもエリチェはその歴史的な価値を失わず、現在のエリチェはその歴史的な遺産と美しい景観で知られており、街の中心部の中世の石造りの建物や狭い小道、街全体が歴史と文化の息吹を感じさせてくれます。

エリチェの歴史は、多様な文化や文明が交錯するシチリア島の縮図とも言えます。古代から中世、そして近代に至るまで、多くの人々がこの地を愛し、その魅力を後世に伝えてきました。エリチェを訪れる際には、その長い歴史に思いを馳せながら、美しい景観とともに歴史の足跡を感じてみてください。

エリュクスとは・・・ギリシャ神話に出てくるポセイドンの子供で、エリミ人の王。エリチェは彼の名にちなんでエリュクスという名の古代都市として呼ばれていました。

フェニキア人とは・・・古代に地中海東部沿岸(現在のレバノン、シリア、イスラエルの一部)に住んでいたセム系民族。彼らは紀元前1500年から紀元前300年頃にかけて繁栄し、その文化、商業活動、航海術で知られています。またアルファベットの発明をしたことで知られています。彼らのアルファベットは22文字からなり、後にギリシャ人やローマ人に影響を与え、現代の多くのアルファベットの基礎となりました。
カルタゴとは・・・現在のチュニジアの首都チュニスの近くに位置。フェニキア人によって紀元前9世紀頃に建設され、後に地中海西部で強力な海上帝国を築きました。

ノルマン人とは・・・主に北ヨーロッパのスカンディナヴィア(現在のノルウェー、スウェーデン、デンマーク)からやってきたヴァイキング(北欧の海賊や戦士)が、9世紀から10世紀にかけて西ヨーロッパに侵攻し、その後定住した人々。彼らは特にフランスの北部地域、現在のノルマンディー地方に定住し、そこで独自の文化と統治体制を築きました。


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観光名所

  • エリチェ城(Castello di Venere、カステッロ・ディ・ヴェーナス):古代のヴィーナス・エリキーナ神殿の跡地に建てられた城。元々エリミ族によって建てられた古代ギリシャの神殿の遺跡の上に、ノルマン人が12世紀に築いたものです。この城は、かつて女神ヴィーナスに捧げられた神殿の遺跡の上に立っているため、ヴィーナス城とも呼ばれています。城からはトラパニ湾の壮大なパノラマビュー美しい景色を一望できます。

  • サン・ジュリアーノ教会(Chiesa di San Giuliano):エリーチェの中心部に位置し、12世紀に建てられたノルマン様式の教会です。この教会はエリーチェで最も古い教会の1つであり、美しいバロック様式の装飾が特徴です。教会の内部には、キリストの受難を描いた壁画や古い聖具箱など、貴重な芸術品が展示されています。

  • ヴェネツィアの塔(Torretta di Venere):エリチェ城内にある塔で、16世紀にスペイン人によって建設されました。この塔は当初、宇宙の観測に使用されたものでしたが、後に天文学者のガリレオ・ガリレイがここで観測を行いました。現在では、ヴェネツィアの塔はエリーチェ城内の展望台として一般に公開されており、エリーチェとその周辺地域の素晴らしい景色を楽しむことができます。

  • マトリーチェ教会(Chiesa Matrice):1314年に建てられたゴシック様式の教会で、美しいロゼット窓が特徴です。鐘楼からは街全体を見渡せます。

  • トラーパニ門(Porta Trapani):中世の城壁の一部で、街への主要な入り口です。この門を通ると、中世の雰囲気を残した狭い石畳の道が広がります。

     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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