米早期利上げ観測の後退を改めて認識
ドル売り先行の地合い継続
7月17日(土)14時35分配信 フィスコ
「米成長率見通し下方修正でドル売り継続し87円割れ」
7/12-16のドル・円は、
参議院選挙での与党民主党の敗北を受けて88円55
銭から89円15銭まで上昇してスタート。
だが、東京株式市場が弱含みに推移したことで伸び悩み、
欧州ストレステスト(健全性審査)への懸念によるユー
ロ・円の売り、
英・1-3月期経常収支の赤字幅拡大を受けたポンド・円の売り、
予想外に拡大した米5月貿易赤字を受けたドル売りに88円02銭へ下落。
米
4-6月期企業好決算を受けた株価の上昇、
低調な10年物国債入札を嫌気した債券利回り上昇に伴い89円12銭へ反発も、米6月小売売上高、
7月のNY連
銀製造業景況指数、フィラデルフィア連銀製造業景況指数、
7月ミシガン大消費者信頼感指数速報値の悪化、6月の生産者物価指数、消費者物価指数の低下、
米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録での今年の成長率見通し下方修正を受けた債券利回り低下に
ドル売りが強まり、86円27銭まで下落。
「米
景気回復ペース鈍化、早期利上げ観測後退からのドル売り継続」
7/19-23のドル・円は、米国の6/22-23連邦公開市場委員会
(FOMC)議事録を受けて、
景気回復ペースの鈍化懸念、早期利上げ観測の後退が改めて認識されたことから、
ドル売り先行の地合が継続されることになる。
ただ、米国の4-6月期の企業決算発表がラッシュ状態となるため、好決算が連発されれば、
株高、長期金利上昇などにより、ドル買いが盛り返す局面もみられそうだ。
89円台以上ではこれまでに本邦輸出企業のドル売りが出ており、上値が重くなるとみられる。
下値のポイントとしては、昨年12月1日の86円17
銭、11月30日の85円86銭、
11月27日の84円82銭などが意識される
7/11に投開票された参院選では、民主党が改選54議席
に対し獲得は44議席となり大敗、
参院での与党勢力は110議席(民主106、国民新3、無所属1)に後退し、
過半数を12議席も下回る状況になった。
こ
れで衆参のねじれ現象が再び出来したことにより、民主党の新たな連携相手探しが当面の焦点になるが、
取り敢えず30日に召集される臨時国会辺りまでがひと
つの区切りになり、
動向が注目される。連携先がみつからない場合は、非常に難しい国会運営を強いられる状況になり、
政策は停滞し、不安定な政局が続く可能
性が高まることになる。
6/22-23の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、超低金利政策の長期間継続を再確認、
景気の現状判断を下方
修正したことを受けて早期利上げ観測が後退、
その後、ドル売り優勢の展開が続いている。その議事録(7/14公表)では、
「多くのメンバーが経済見通しは
やや軟化し、景気見通しへのリスクについて下振れ方向に転じたとみている」
とされており、景気判断を後退させた見方が改めて確認された。
また、「見通しが
悪化した場合は、追加の緩和策が適切かどうかを検討する必要」との見解も注目される。
さらには、経済予測で、2010年の実質GDP見通しが
3.0-3.5%(前回3.2-3.7%)に下方修正され、
早期利上げ観測が一段と後退する状況になっている。
7/14-15の日銀金融
政策決定会合では、政策金利(0.10%)の現状維持が全員一致で決定された。
また、日銀展望レポートの中間評価では、2010年度実質GDP見通し中央値が+2.6%(4月時点は+1.8%)、
同CPI見通し中央値が-0.4%(4月時点は-0.5%)となり、
予想されていた通り経済成長率、物価上昇率
の見通しが引き上げられた。
日銀は、「日本の景気は海外経済の改善を起点として緩やかに回復しつつある」、
「先行きは回復軌道をたどるとみられる」との見
解を示した。
米金融規制改革法案については、15日に上院本会議で可決されたことを受けて(下院は6月に可決済み)
オバマ米大統領の署
名が21日に決まり、成立することが確定した。
同法案は、焦点だったボルカー・ルールについて、高リスク取引を制限するが、
銀行の自己資
本3%分まではファンドの投資を認める。
また、デリバティブ取引に関しては、銀行の本業(通貨、
金利など)のリスク回避に関連する取引については本体に残
すことになっている。
当初よりは規制色がやや後退しているものの、法案成立後のマーケットへの影響が引き続き注目される。
7/19-23
の主な予定は、19日(月):(日)海の日で休場、(米)7月住宅建設業者(NAHB)指数、
20日(火):(米)6月住宅着工件数・住宅着工許可件数、
21日(水):(日)6/14-15日銀金融政策決定会合議事要旨、山口日銀副総裁会見、
22日(木):(日)5月全産業活動指数、(米)6月景気先行指
数、
6月中古住宅販売、5月住宅価格指数(連邦住宅金融局)。
[予想レンジ]
ドル・円85円50銭-89円00銭