樹木医による樹木診断 その2 | 驚きの日々!祖師谷公園をめぐる四季

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森林インストラクター。ラジオ体操と太極拳で毎朝訪れる祖師谷公園には樹木や花、昆虫や鳥たちもたくさん。そんな公園の四季の変化をお届けしています。祖師谷公園散歩のお役に立てばうれしいです。なお写真のご利用はお控えください。

昨日の続きです。

 

ここはハコネウツギがある

湿性花園の一部です。

予定された箇所ではないのですが、

ご覧の通りハコネウツギが枯れているように見えたので

診断していただきました。

 

根元を見ると土が乾ききっていて

根も乾いて枯れているようです。

 

ナイフで様子をみるとやはり枯れているとのことでした。

 

この場所は本来は湿性花園の一部で、

水が循環していなければいけない場所のはずが

いつからか循環機が故障して

水が流れなくなってしまったとのことです。

すぐそばにはスギの木立があって

スギも水を好む樹木ですから

スギにも影響が出ないかと心配です。

循環機を直すことはできないのか、

それは今日の樹木診断とはまた別の話になってしまうようで

それ以上のお話にはなりませんでした。

 

 

そして、かねてより樹木の会で危惧している花木広場のフユザクラです。

 

全体に勢いがなく、かなりの枝が枯れているように見えます。

 

樹木医さんが指差した先には、

枝から何箇所もヤニが出ていました。

 

樹木医さんの説明によると

この穴はキクイムシによる穴で、

その穴を塞ごうと木が自ら樹液を出しているのだそうです。

木の自己防衛手段!

木のヤニがそんな目的で出ているとは知りませんでした。

 

幹も陥没するほどの弱った姿。

 

根元にキノコがはえるのも

樹勢が弱まった証拠だそうです。

 

試しにナイフで根元の状態をみると

生気のない乾いた色でした。

 

しかし、その乾きかけている根元から

萌芽が出ています。

 

何箇所からも萌芽が出ていて

親木が次世代に命を託そうとしている健気な姿です。

 

結論としては

このサクラはもうほとんど回復の見込みがなく

脇から出ている何本もの萌芽を大事にして

様子を見守りましょう、ということになりました。

 

知りたかった強剪定との関係については

はっきりしたことはわからないとのことでした。

 

またこのサクラの代わりに

新たにサクラの苗木を植える準備も進めているそうです。

 

続いては飛び地のサクラです。

ここも花木広場同様、

気がつくとかなりの枝が切られていたのですが

切られた部分から腐りが入り

葉もまばらに弱っています。

 

原因は「深植え」もあるのではないかとのことでした。

「深植え」とは必要以上に深く植栽してしまうことで

根が呼吸できずに成長が阻害されてしまうのです。

赤と白の棒を差し込むとずぶっと10㎝ほど入り

深植えの可能性が確認できました。

 

対処法として上の土を少し取り除くことを

涼しくなってからしてみましょうか、ということになりました。

また、花木広場のサクラ同様、

後継木のサクラをやはりこの近くに植えてもらえる

ことになりました。

 

続いてはやはり飛び地のビワ。

2本並んでいるうちの1本が完全に枯れています。

 

木づちでたたくと乾いた音がします。

ナイフで表面を削ると完全に枯れていました。

確かに日照条件は悪い場所ですが

ここまで大きくなったのに

日照条件だけで突然で枯れるというのも不思議です。

が、原因究明はとても難しいことであるようです。

 

また長くなりましたので、次回に回します。