森林インストラクターの大先輩であり第一人者、
カルチャーセンターなどでも人気講師を勤め
樹木医としてもご活躍の
石井誠治さんが
雑誌に記事を寄せていることを教わりました。
「ホームレスの仕事をつくり自立を応援する」
『THE BIG ISSUE 日本版』です。
新宿駅の街頭で手に入れることができました。
VOL.335 2018 5・15の特集は
「樹木と対話」
記事の中でご紹介したい言葉がありました。
「一枚一枚の葉が生命維持装置で、その集積の結果が木全体の意思」
というもの。
「枝葉末節という言葉とは裏腹に、生きた細胞のかたまりである葉っぱこそが
光合成産物をつくり出す大切な部分なんです」
人間は口から食べ物を取り込み、消化、吸収して
生命を維持するわけですが、
木は自らの葉で生命を維持するエネルギーを作り出し
生命を維持している。
葉こそが「生命維持装置」なのです。
だから間違った剪定をすると
木はバランスを崩して弱ったり枯れたりしてしまう。
「常緑樹でも葉っぱの半分は残しておくべきです。落ち葉を嫌って、電柱のように枝をすべて落としてしまっているケヤキをよく見かけますが、あれなら木材として有効活用し、新しい木に植え替えた方がよほどいいと思いますね」とも。
葉っぱが半分になるということは
人間なら食事の量を半分に減らされてしまうということと同じです。
動物愛護協会があるのなら、
植物愛護協会があってもおかしくないはず。
動物は虐待から多少なりとも守られるようになったけれど
木の虐待は現在全くの野放し状態、
それどころか目に余る状態に拍車がかかっています。
「祖師谷公園」に関しては、
「樹木の会」を立ち上げ、
東京都公園協会にぶつ切りや強剪定の禁止を
受け入れてもらえましたが、
私有地や世田谷区の管理地では
そうした動きはまったく見られません。
それどころか祖師谷公園でも世田谷区の管理地では大木をいとも簡単に切り倒したり、電柱剪定をしています。
自宅そばのパン屋さんのこのケヤキも、
ここ2年続けて丸刈りにされてしまいました。
芽吹きも遅くもう枯れてしまったのではないかと
心配しましたが、
健気にも葉が茂りました。
しかしこの樹形は全くもってケヤキとは別人(木)です。
一枚一枚の葉は通常の何倍にも大きくなっています。
これは、葉の「数の不足」を「大きさ」で補おうとしいるからなのです。
栄養が充分だから大きいのではないのですよ〜
その証拠に花は一つも咲かず、実は一つもできてない。
その余裕がないからです。
樹木の代弁者のような石井誠治さんの言葉に
我が意を得た思いがしました。