「ハラビロカマキリ」と「竹ぼうき」 | 驚きの日々!祖師谷公園をめぐる四季

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森林インストラクター。ラジオ体操と太極拳で毎朝訪れる祖師谷公園には樹木や花、昆虫や鳥たちもたくさん。そんな公園の四季の変化をお届けしています。祖師谷公園散歩のお役に立てばうれしいです。なお写真のご利用はお控えください。

先日、川崎の生田緑地での

昆虫の観察会に参加したときのことです。

 

「ハラビロカマキリ」と「竹ぼうき」

なんのことかわかりますか?

 

私も全く想像のできないことでした。

 

ハラビロカマキリは祖師谷公園でもおなじみのカマキリでこれまでも何回か紹介してきました。

そのときの説明でもすでに書いてあったのですが・・・
 
昆虫観察はまずは昆虫採集から始まりました。
このコブシの木にカマキリがいるというのです。
わかりますか?

 

30人ほどの60個の目玉で探して、

ようやく2個の優秀な目玉がそれを捉えました。

 

右が在来のハラビロカマキリ、

左の一回り大きいのが中国のムネアカハラビロカマキリです。

 

その違いはこちらに詳しくのっていますのでごらんください。
 
ムネアカハラビロカマキリは
ハラビロカマキリによく似ているため、
気がついたときには、
時すでに遅し。
広く日本に住み着いている状態になっていたのです。
 
今年問題になったヒアリは、
調査の結果、中国の港から
コンテナに隠れて入ってきたことがわかりましたが、
ムネアカハラビロカマキリの場合は、
そういう経路が全く辿れない。
 
どこからどうやって入ってきたのだろう?
 
ようやく突き止めた、その答えがなんとも意外だったのです。
 
「中国製の竹ぼうき」に、
そのカマキリの「卵のう」がついた状態で、
日本に持ち込まれたのでした。
 
今や日本で使用している竹ぼうきは、ほとんどが廉価な中国製。
日本全国の公園で使っているのです。
調査をすると、その3%に卵のうがついていたというのです。
 
このムネアカの恐ろしいところは
メスは協力なフェロモンを出して、
在来のハバヒロカマキリのオスを誘惑し交尾してしまうため
在来のハバヒロカマキリがいなくなってしまう
ということなのです。
 
外来種の中でも「侵略的外来種」と呼んでいます。
 
祖師谷公園にも、もしかするともういるのかも知れません。
竹ぼうきは何本も使っていますから。
 
見つけたら連絡くださいとのことでした。