仙川の崖線に たった一軒残る 雑木林の家 | 驚きの日々!祖師谷公園をめぐる四季

驚きの日々!祖師谷公園をめぐる四季

森林インストラクター。ラジオ体操と太極拳で毎朝訪れる祖師谷公園には樹木や花、昆虫や鳥たちもたくさん。そんな公園の四季の変化をお届けしています。祖師谷公園散歩のお役に立てばうれしいです。なお写真のご利用はお控えください。

先週末は天気にも恵まれ、

祖師谷公園での一大イベント「トライアングルフェスタ」

も盛り上がっていましたね。

 

とくに見事だったのは

パル児童館製作のトトロとネコバスの張りぼて。

 

実際に子供達も乗ることができて

しばしアニメの世界を楽しんでいました。

 

そしてこの景色はお分かりでしょうか。

祖師谷公園の花木広場の向こう側、

一段高くなった場所です。

 

注目するはこの豊かな緑。

30年ほど前はこの緑がずっと連なっていたのが

現在はここだけになってしまったという雑木林なんです。

 

以前アナグマが倒れていたのもこのすぐ前でした。

 

春と秋の数日、オープンガーデンとして一般に公開され

朗読会も催されると知り、訪れてみました。

 

階段を上って庭に足を踏み入れると

まさに雑木林です。

マツが枝を広げ、クヌギは黄葉を始めています。

ハゼノキ、センダン、フサザクラなど

祖師谷公園にはない木もたくさんあります。

 

この赤い実は雑木林の林床によく見られる

ヤブコウジ、又の名を十両といいます。

 

このシクラメンに似た葉はカンアオイ。

雑木林が消えていく今では

この辺りではほとんど見られません。

 

小鳥の鳴き声が賑やかです。

あちらこちらに水場が用意されています。

 

うちの庭には花はないんですよ。

と家の主はおっしゃいますが、

それは公園の花壇にあるような花はないという意味でした。

庭の植物はすべて自然に任せているのだそうで、

この時期はホトトギスが鮮やかに咲いていました。

 

アジサイも紅葉してもう一度咲いたようでした。

 

朗読の演目は

藤沢周平著「驟(はし)り雨 」と

レオ バスカーリア著「葉っぱのフレディ ー 命の旅」。

この景色に包まれて、

「安らぐ」とはこういう感覚に違いないと思えた、

最高に贅沢な時間でした。