クサギ これがうわさの「2色効果」! | 驚きの日々!祖師谷公園をめぐる四季

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森林インストラクター。ラジオ体操と太極拳で毎朝訪れる祖師谷公園には樹木や花、昆虫や鳥たちもたくさん。そんな公園の四季の変化をお届けしています。祖師谷公園散歩のお役に立てばうれしいです。なお写真のご利用はお控えください。

観世音堂の傍にクサギを見つけたのは3週間ほど前のことでした。

日本では「臭い木」と嫌われものですが、欧米では日本生まれの園芸植物として人気者。
その名も「Harlequin glory bower」。Harlequinとは道化師という意味ですから、あの花の雄しべをつんつん出した様子がなんとなく道化師の姿を思い起こさせるのでしょうか。glory bower は「恵みの木陰」。街路樹として好まれているんですね。

さてその木ですが、今朝みるともう実ができています。


藍色の実の周りは、花びらのような赤い5弁の萼(がく)で飾られています。


黒っぽい実だけだったらこんなに人目を引くこともないでしょう。
これは「2色効果」と呼ばれているもので、対比する2色という視覚的刺激で注意を引いている作戦なのです。
だれの注意かというと、「鳥」です。鳥は人間の色彩感覚にほぼ等しく、この視覚的刺激につい実を食べて中の種を排泄することで種を散布してもらおうというわけ。


ほかにもこの「2色効果」を狙ったものとしては、サンショウ、ゴンズイなどがあります。

なお、この話は多田多恵子著『種子たちの知恵』にも詳しく載っています。この本にはほかにも様々な種子の驚きの知恵が解説されていますので、ご覧になると楽しいと思います。