クサギ 名前で損。いい香りのする花。パリ15区では街路樹に! | 驚きの日々!祖師谷公園をめぐる四季

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森林インストラクター。ラジオ体操と太極拳で毎朝訪れる祖師谷公園には樹木や花、昆虫や鳥たちもたくさん。そんな公園の四季の変化をお届けしています。祖師谷公園散歩のお役に立てばうれしいです。なお写真のご利用はお控えください。

夜半はスコールのような大粒の雨が降りましたが、今朝にはあがって今日も暑くなりそうです。
ここは毎朝立ち寄る観世音堂の傍の斜面。この向こう側が境内で、いつもは通り過ぎるだけなのですが、花が咲いているのに気がつきました。


3mくらいの低木が淡いピンクの花で覆われています。


見覚えがあります。そう、クサギです。祖師谷公園には残念ながら1本もありません。
花の香りを嗅ぐと、いい匂い。ジャスミンをもう少し上品にしたような。
ちなみにパリ15区では街路樹にしている写真をネットで見ました。低木だしいい香りの花が咲くし、フランス人の選択はナイスだと思います。


クサギは臭木と書きます。ではなぜ臭木なのでしょうか。じつは葉が臭いからなんです。でも名前にしたくなるほどいやな臭いとは私には思えません。葉っぱにしては珍しい臭い。臭いに表現は難しい。何に例えたらいいのかというと、ゴマを青臭くしたような・・・


花をよく見ると、つぼみに見えるのは萼(がく)なんですね。先が閉じているから全くつぼみのようですが、そこから花が伸びているのがわかりました!そういえばオシロイバナの花と萼の関係もこんなではなかったかしら。萼の色は緑でしたが。


このつぼみから雌しべが出た状態はなに?と思ったのですが、つぼみではないと分かると、花が落ちた後、と分かります。そうか。


ではこれらのつぼみのようなのは、全部花が落ちた後でしょうか?
つぼみとどこが違うのでしょうか。つぼみはないのでしょうか?疑問が残ります。
何しろ途中経過を全く見ていないのでね。また明日見てみましょう。


図鑑を見ると、この後、濃紺の綺麗な実ができるのですが、そのときの萼の色は真っ赤なのです。
ということは下の方に見える赤いつぼみのようなのは全部花の咲いた後なのかもしれません。


樹皮を見ようと下に目をやると、太い幹も脇の細い幹も切られた後があります。
育ち過ぎて何度も切られたようです。成長のいいいわば雑木なのでしょう。


クサギ 日当たりのよい原野などによく見られるシソ科の落葉小高木。日本全国のほか朝鮮、中国に分布する。従来はクマツヅラ科に入れられてきたが、現在はシソ科に移されている。日本では北海道から九州、琉球列島まで分布し、国外では台湾、中国まで分布がある。四国以南には、葉が長くなり、花序がよりまとまって生じる変種ショウロウクサギ (C. trichotomum var. esculentum) があり、沖縄ではほとんどがこれである。ほかに、葉にほとんど毛がないアマクサギ (C. trichotomum var. yakusimensis) がある。