癌免疫治療のパラダイムシフトについての講演会報告です。
アメリカ国立衛生研究所 (NIH) 分子イメージング部門主任研究員である小林久隆先生の講演の続きです。 癌細胞の中は低酸素の世界なので元になる酸素が少ないため活性酸素を作ることは難しいのです。 そこで、癌の中でそれも細胞表面でこの化学反応を起こすことで抗体が結合している細胞だけにダメージを与えることができます。 この化学反応が起こ
ると髭のようなものが取れて水に溶ける分子が水に溶けない分子に変わり、べちゃっとくっついてしまうと細胞膜にストレスがかかることで細胞膜の機能が障害され、細胞内に水が浸入します。 本当に抗体に光を当てることで分子の形に変化が起こるのかを1分子イメージングで検証すると、抗体の上に水に溶けないものがのっかった場合、蛋白質が変形して
膜に変化が起こります。 つまり、化学と物理を使って、膜にダメージを与えるこの方法はどんな細胞にもあまねく適用できます。 脂質2重層の細胞膜が壊れると細胞は死んでしまいます。 これは種に関係なく、マウスや人の細胞だけでなく、バクテリアが原因の感染症にも応用できます。 実際、どんなふうに壊れるのかと言いますと、乳癌とそうでな
い細胞を共培養して光を当てると、蛍光があるので乳癌の細胞だけが光ります。 ここがプシュッと壊れてこの2つの細胞はペッちゃんこになります。 間にある細胞は健常なままです。 癌細胞一個一個を選択してしっかり壊すことができるのです。 この治療では数分で反応が起こって細胞が壊れます。 この続きは次回をお楽しみに!