今日はテニススクールに出かけました。
その帰り道、商店街の夏祭りに向かう
浴衣の女の子がいました。
まだ、蒸し暑い中、
頑張って綺麗に浴衣を着て歩いてる女の子を見てると
ふわっと、おじいちゃんと
夏祭りに出かけたときのことを思い出したのです。
おじいちゃんは、毎年、夏祭りに連れて行ってくれて
私を楽しませて……、いや。
おじいちゃんが楽しむタイプでした。
『ワシは、この場を楽しむプロや』
とか言いながら、自分に勝手にミッションを与えて
夏祭り全体を楽しむんです。
『射的で倒せたら、とうもろこし食べれる！』とか
『ゴミを拾ったら、くじ引きしていい！』とか
そんなミッションをいくつか勝手に作って、
私と一緒に夏祭りを遊ぶんです。
私もゴミを拾ったりして、
おじいちゃんと一緒にくじを引くんです。
『つぎは、綿菓子ミッションだー！』って
あらたなミッションを作りながら。
そんなときに、おじいちゃんが教えてくれたのが
『浴衣はね、なんで着るかと言うとあれよ。
この場が一番楽しくなるコスチュームなんよ』
と言うのです。
この場が一番楽しくなるコスチューム！！
今日、夏祭りに向かう女の子の背中を見ながら、
「あの子は、この場を楽しむプロなんだな」
っておじいちゃんの言葉を思い出したんです。
たぶん、体育館って、ただの広い部屋なんですよね。
でもさ、「この場にマットがあると面白いんじゃない？」
って誰かが、マットを置きだしたんですよ。
「じゃあこけても安心だからこれを飛び越えよう！」
って、誰かが跳び箱のようなものを置きだしたんです。
で、
誰かが、ボールで遊びだして、
バレーボールが生まれて、
卓球やテニスまで生まれて、
ボールをかごに入れたがる人が
バスケットボールを作り、
体育館っていう場を
面白くしたんですよね。
雪山だってそうで、
雪山は雪山なんですよ。ただの。
どこまでいっても、ただの雪山。
さむいさむい雪山。
さむいから誰も近寄らない雪山。
でも、「板はいて滑ったら面白い！
なんなら体もあたたかい！」と
誰かが、スキーを始めたんです。
雪山っていう場を
面白くしたんですよね。
海だってそうで、
山だってそうで、
川だってそうで、
目の前の場を
面白くしたんです。
濡れてもいい服だと面白くなる！
テントがあると面白くなる！
パラソルがあるとオシャレになる！
水の中を見れるともっと面白い！
音楽があると楽しい空気になる！
海の家があるとなんだかムネアツだ！
と目の前の場を面白くしたんです。
たまにさ、田舎とかでフラッと飲食店に立ち寄ると
とんでもない飲食店とかあるじゃないですか。
「くぅ、こんなところにお金を払いたくないぞ！」
というとんでもない飲食店。
そんなお店を
「ちゃんとしろよ！」っていう目線でいると
めちゃくちゃムカつくんですよね。
でも、これはこのお店の形なんだ。って思って
「この形を楽しんでみるぞ」と思うと、
店員さんの無愛想ですら、楽しいパフォーマンスになり
そのお店特有の謎のルールですら、
アトラクションとして、その場を楽しめるんですよ。
人生とは、わけわからんものを楽しめるスキルを
いたるところで試されている場なのだ。
目の前の場を楽しむ天才になる。
これを「豊かな人生」と呼ぶんだと思う。
だって、飯盒炊爨（はんごうすいさん）って
めちゃくちゃ不便な場所で、
不便な道具を駆使して、
めちゃくちゃ楽しい思い出になるけれど、、、
楽しい思い出にしてくれたのは
「目の前の場を面白くする」って考え方だからね。
これからきっと、いっぱい
わけのわからん場に遭遇すると思います。
思い通りにいかない場にも遭遇すると思います。
居づらいなと思う場にも遭遇すると思います。
そんなときは、
「この場を楽しむスキルが試されておる」と
思い出してみてください。
面白くなっていきますから♡
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美言2670『この場を面白くするスキルを試されている』