「三者連続三振!

誰も手が出ません!」

 

 

「震えるつま先 高鳴る鼓動 

何度も何度も胸に手を当ててみた  ♪」

 

 

試合の終盤、他の選手よりも幾分音量が大きく

そして、他の選手よりも長く入場曲が流れる。

 

 

彼の入場曲、リンドバーグの

every little thing every precious thingが流れると

観客は立ち上がって大歓声を起こし、

対戦相手は絶望を感じた。

たとえそれが、ノーアウト満塁のチャンスであったとしても。

 

 

背番号22番、

ピッチャー

藤川球児

 

 

アナウンスが聞こえないくらいの大歓声が甲子園で沸きあがる。

どっちが攻めているのかわからないほどの大歓声が

試合を終わらせるために出てきたピッチャー1人に注がれる。

 

 

私が高校生の頃、

ドラフト1位で入団してきたのが藤川球児選手だった。

阪神ファンだった私は、彼のことを応援していた。

しかし入団会見を最後に、その名前は聞かなくなる。

 

 

今となっては、誰もがその名前を知る選手だけど、

入団当時は、1軍にいることはほとんどなく、

2軍と1軍を行ったり来たり。

結果を残すこともなく、数年が経過した。

 

 

なかなか出ない結果とは裏腹に、

肩、ひじ、脇腹と、怪我だけが増えていく。

日本を代表するクローザーは、どん底からのスタートを切り

そして、そのまま、終わろうとしていた。

 

 

そんな藤川球児選手が

日本を代表するクローザーになる起点となったのは

山口投手コーチによる、フォーム改造だった。

戦力外通告まであとわずかとささやかれた時だった。

 

 

逆転を起こした多くの人がこのステップを踏む。

素直になることとと、

こだわりを捨てることだ。

 

 

藤川選手は、いままでのフォームへのこだわりを捨て

そして、先発投手へのこだわりを捨てた。

こだわりを捨てたその瞬間が、

日本を代表するクローザーが生まれた瞬間でもあった。

 

 

ドスンッ

 

 

キャッチャーを務める選手が息を止め、

投球練習場の選手がその音に振り返った。

 

 

キャッチャーミットにおさまるボールの音が

明らかに変わったのだった。

 

 

ちなみにもの凄く余談だけど、

甲子園大運動会というイベントで

藤川球児選手とチームメイトだったから

ボールの投げっこをしている。

もはや胸キュン極まりない時間だった。

おっきかった(余談終了)

 

 

その後、甲子園に観に行った時も、TVで観ている時も、

いつもいつもいつも、

ピンチに出てきて、無失点で切り抜ける藤川投手がいた。

「阪神が相手だと、8回で勝たなければならない」

そう相手チームに思わせるほどの力だった。

 

 

スタジアムに、響き渡る、歓声を

吸い込んで、あなたはゆっくり立ち上がる

 

 

リンドバーグの登場曲が流れると

三塁側(対戦相手)からは悲鳴とため息が聞こえ

球場全体からは歓声が生まれる。

悲鳴と歓声が混じった音が鳴る。

 

 

2006年のオールスターでは、

「野球漫画のような世界を創りたい」と言い

当時、最も怖いバッターとしてパ・リーグに君臨していた

カブレラを相手に全球ストレート宣言をする。

 

 

まさに漫画だ。

 

 

全野球人の最高峰であるプロの選手の、

その中のトップの中のトップであるオールスターの

クリーンアップであるカブレラを相手に

全球ストレート宣言をおこなったのだ。

 

 

もちろん、相手を舐めているわけじゃなく

ベンチと、バッターに一礼をし、

全力投球とフルスイングの正面対決を申し出た。

 

 

オールスターの柔らかなムードが一転して

ざわめきと緊張感に包まれた。

 

 

結果、カブレラのバットは3度空を切る。

 

 

超一流のバッターが、

ストレートが来るとわかっていて、

バットに一度も当てることができなかったのだ。

 

 

そして、次のバッターはパ・リーグの4番小笠原選手。

究極のバットコントロールと呼ばれた小笠原選手に対しても

藤川球児は全球ストレート宣言を出す。

 

 

そのストレート宣言に、

小笠原選手もフルスイングを持ってこたえる。

オールスターでは見ることができないほどの真剣勝負が生まれた。

意地と意地のぶつかり合いだ。

 

 

それは日本シリーズでも観れないような好勝負だった。

ファールで粘り続ける小笠原選手。

そのすべてをストレートで勝負する藤川選手。

互いに尊敬し合っているからこその真っ向勝負だった。

 

 

最後の一球は、バッターの手元で再加速するような

火の玉ストレートがキャッチャーミットに突き刺さり

小笠原選手の渾身の一振りは空を切った。

 

 

「勝負に全力でこたえてくれてありがとう」

そのフルスイングに対して、

藤川投手は帽子をとって敬意を表した。

 

 

何度も何度も見返した

私の大好きなシーンだ。

 

 

その後、藤川投手は

47回2/3イニング連続無失点記録を樹立。

約3カ月間、無失点を続けた。

「球児で打たれたら本望」そう監督に言わしめた。
 
 
 
ドラフト1位で入団し、何年も芽が出なかった。
それどころか怪我も沢山した。
それでも1軍に上がり、ラストチャンスを手に取るどころか
日本野球界にとって唯一無二の存在になった。
 
 
その姿に何度も何度も勇気をもらいました。
 
 
メジャーリーグに挑戦したくて、したくて、したくて。

でも、その挑戦が許されないくらい

必要不可欠な存在になっていて。

震えるほど、悔しかったこともあった。

 

 

でも、まったく腐ることなく

そのシーズンは開幕から16試合無失点。

 

 

その姿に、負けないことより、

腐らないことの大切さをもらいました。

 

 

なにより、どれだけどん底を味わっても

人は何度でも輝けることを教えてもらいました。

 

 

岡田監督の最後の試合で打たれてしまったこと。

WBCの大事な場面でマウンドに送られなかったこと。

パートナー、矢野選手の引退試合でホームランを打たれ

矢野選手に出番を作れなかったこと。

その後、ひっそりと矢野さんに最後の投球をしたこと。

 

 

悔しいシーンが数えきれないほどありましたね。

一緒に悔しがらせてもらいました。

でもそれ以上に、たくさんのものをもらいました。

 

 

藤川投手が相手打線を抑えるたび、

抑えきれない気持ちが溢れ出てきました。

 

 

矢野選手はヒーローインタビューでこう言った。

「今日のヒーローは球児だと思います」

 

岡田監督は引退試合でこう言った。

「お前で終われてよかった」

 

たくさんの野球ファンはこう言っています。

「球児と言う存在がいてくれてよかった」と

 

 

長い選手生活、お疲れ様でした。

 

 

 

 

長年パートナーを務めたキャッチャー矢野がミットを構える。

マウンド上の藤川がうなずく。

いつも通り、ふぅと息を吐く。

 

左足をあげ、右腕を鞭のように振り下ろす。

バットは空を切る。

はねあげた土がマウンド上に落ちる。

 

実況は「空振り三振!」と叫ぶ。

キャッチャー矢野がガッツポーズでマウンドに駆け寄る。

 

 

二人は、ハイタッチをする。

 

 

その感触をきざみつづけて。

 

 

いつまでも。

 

 

 

 

 

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スピーカーである私は当日マスクなどをいたしませんので

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